とてもかたいみがわりを盾に積み技を複数回使いたい
はじめに
ポケットモンスタースカーレット・バイオレット、ランクバトル・シングル・シーズン13の構築記事です。
リフレクター・ひかりのかべをセットした状態で、後攻しっぽきりでカイリューにみがわりを渡したら、壁とマルチスケイルでみがわりが4倍の硬さになり、りゅうのまいを複数回使える!という構築です。
瞬間レート1900超え(保存していれば最終3桁のライン)を達成しました。
構築経緯
マルチスケイルは、本体のHPがマックスであれば、みがわりのHPがマックスかどうかに関係なく発動します。
<みがわり>
普段のマルチスケイルは1回発動した後は回復しないかぎり再発動できません。発動するということはダメージを受けるということであり、その時点で、HPマックスの状態ではなくなるからです。
しかし、みがわりであればそうではありません。本体のHPがマックスの状態であれば、みがわりが攻撃を受けた後も本体のHPはマックスのままです。そして、みがわりが壊れるまでずっとマルチスケイルが発動し続けます。さらに、みがわりが壊れた後も、本体が最初に攻撃を受けるときにマルチスケイルが発動します。
<しっぽきり>
ただ、普通は、みがわりを使うと、みがわりを使うためにHPを消費することによりHPがマックスでなくなっているため、直後の相手の攻撃にはマルチスケイルが発動しません。
そこで、しっぽきりという技を使うことにしました。HP満タンの状態で、みがわりカイリューを場に出すことができます。
<壁>
普段のしっぽきりでは、みがわりを盾に1回攻撃を防いで、その隙に技を1回使うだけです。しかし、みがわりが攻撃を耐えればもっと自由に行動できる回数が増えます。
リフレクター・ひかりのかべ(通称:壁)で、耐久を補強することにしました。
普通はHP1/4分を外付けするのがしっぽきりですが、今回はその1/4が4倍になっているため、1匹分を外付けしていると言えます。これは、変化技を使えるダイマックスカイリューを使っているようなものです(過言)。
基本の動き
1
クレッフィで壁を貼る
(壁を貼ることで相手の攻撃を2回耐えるときは、壁→でんじは→もう片方の壁と動いていました。)
2
相手に倒される
or てっていこうせんで退場
or ミミズズに交代
3
ミミズズで余裕があればステルスロックを撒く
4
ミミズズでしっぽきり
みがわりつきのカイリューを出す
5
6
カイリューでひこうテラバースト
パーティー
クレッフィ
テラスタイプ:はがね(使わない)
種族値 57-80-91-80-87-75
個体値 31-x-31-31-31-31
努力値 252-0-156-0-100-0
性格 おだやか(特防アップ・攻撃ダウン)
実数値 164-x-131-100-132-95
特性 いたずらごころ
持ち物 ひかりのねんど
技 リフレクター ひかりのかべ でんじは てっていこうせん
すばやさブーストハバタクカミ・テツノツツミなどにも先手を取って壁を貼れます。
アカツキガチグマのだいちのちから2回でほぼぴったり倒れます。そういうケースだと壁を最大限後ろに残せます。
一方、暇になる状況もあり、HPが半分より残っていてミミズズ交換ができそうなときはクレッフィを残しておく動きもしました。結構そういう試合が多かったです。残しておくと、カイリューからクレッフィに引いて2回目の壁を貼ってでんじはを入れた後に単純に殴り合って勝つというプランをとれます。
退場手段を持つ壁貼り役としては、レジエレキもいます。レジエレキは壁貼り以外もたくさんいるのでちゃんとした比較ではないですが、シーズン13の使用率はレジエレキ75位、クレッフィ135位でした。終盤、1回レジエレキに変えてみたことがあったのですが、すばやさブーストにも先制できること、タイプが優秀なこと、耐久数値がレジエレキより高いことなどから、クレッフィのほうが壁貼りとしては優秀でした。アタッカー要素を求めないなら、一番優秀な壁貼り役です。
ミミズズ
テラスタイプ:はがね(使わない)
種族値 70-85-145-60-55-65
個体値 31-31-31-x-31-31
努力値 244-0-12-0-252-0
性格 しんちょう(特防アップ・特攻ダウン)
実数値 176-105-167-x-117-85
特性 どしょく
持ち物 オボンのみ
技 アイアンヘッド ボディプレス ステルスロック しっぽきり
最初、最遅にするつもりで育成しましたが、個体値0・下降補正なしで戦い始めました。すると、カイリューが倒れた後にクレッフィでもう一度壁と麻痺をセットしてミミズズで上からアイアンヘッド連打という動きをとれる試合がありました。無振りガチグマの下は取りたかったので、この数値がなんだかんだちょうどいいような気がし、最後までこの数値でした。
オボンのみを持つことで、弱点技を受けても75%未満のダメージに抑えればしっぽきりを使えます。弱点技以外なら、壁によりだいたい2回受ける余裕があるので、相手のパーティーにカイリュー・パオジアンなどがいるときはステルスロック→しっぽきりと動きました。
最初、努力値をHPに252振っていたのですが、オーガポンのツタこんぼうを受けて残りHPが89になり、オボンが発動しないが、しっぽきりを使えない、という悲劇の状況が発生したので、その試合の後ちゃんと偶数にしました。
4桁帯だと地面技をたまに使われました。
カイリュー
テラスタイプ:ひこう(毎試合使います)
種族値 91-134-95-100-100-80
個体値 31-31-31-x-31-31
努力値 244-44-52-0-12-156
性格 いじっぱり(攻撃アップ・特攻ダウン)
実数値 197-176-122-x-122-120
特性 マルチスケイル
持ち物 するどいくちばし
技 テラバースト りゅうのまい アンコール はねやすめ
高い種族値のポケモンがマルチスケイルを持っているのは本当にやめてほしいなとバランスの視点からは思いますが、この戦術を使ううえでは嬉しいです。
このブログでは条件を満たすポケモンがそれしかいないという理由でマイナーポケモンを使うことがありますが、条件を満たすポケモンがメジャーポケモンならメジャーポケモンを使います。
以前はすばやさ1段階上昇でゲンガー抜きの意味でのすばやさ120でしたが、今ではオーガポン抜きの意味に変わり引き続き有用なのが面白いです。炎オーガポンは特性かたやぶりにより本戦術に強いので、そこを意識した数値なのは良かったのかなと思います。
サーフゴー以外のひこう半減ポケモンがあまりいなくて、ひこうテラバーストのとおりが良かったです。
どの技も活躍し、変えようと思うことがありませんでした。りゅうのまいはコンセプトにより必要ですし、アンコールはみがわりと合わせて単純なエースでは止まってしまうような耐久型に刺さりましたし、はねやすめは壁と合わせて高い耐久を活かしました。
ただ、別の技でもそれはそれで活躍してしまいそうな気がします。カイリューなので。
ほか3匹
ハバタクカミ:高速ポケモンを入れておきたかったため。交換からのアンコールを警戒させられるテツノツツミのほが良かったかもしれません。たしか別のポケモンにしていた時期もありました。
ガブリアス:つらいでんきタイプの選出率を抑えるため。ずっとパーティーに入れていました。
ステルスロックがめちゃくちゃつらかったので、ディンルー・カバルドンなどをはめることができる、くろいまなざしアンコールビルドアップバトンタッチルチャブルをパーティーに入れました。↓の動画のルチャブルです。
【ポケモンSV】初手ステロ?全員ハメます。ルチャブルが謎の技構成で全員起点にして打ち消す世界線 - YouTube
1試合、アカツキガチグマのあくびとしんくうはをアンコールして活躍した試合がありましたが、その後はディンルー入りに選出しても初手がディンルーではない試合ばかりで、1試合初手ディンルーと対面してもふきとばしから入られ、数試合ただやられるだけというのが続いたので、パーティーから抜けました。
代わりに、役割を果たしているか怪しいですが、選出しないゴチルゼルをパーティーに入れました。
完全体みがわりの硬さ
ミミズズのHPの1/4である44のHPを持ったみがわりをカイリューが受け取り、壁とマルチスケイルがのったときの硬さを紹介します。
物理方面
A特化カイリューのスケイルショット5発確定耐え
A特化ブーストトドロクツキのひこうテラスアクロバット確定耐え
特殊方面
C特化アカツキガチグマのブラットムーン+しんくうは確定耐え
HB特化サーフゴーの通常たたりめ3回確定耐え
みがわりなのに、普通のポケモンみたいな硬さです。
ここに、状態異常無効・デバフ無効・追加効果無効までセットでついてきます。強いです。
戦績
瞬間最高レート 1926.068
瞬間最高順位 374位(2023/12/30)
最終レート 1717.840
最終順位 5393位
レギュAかBかCのころにこの戦術をやろうと思ったときには、オーロンゲを壁貼り役に選んでしまい、ほぼ毎回交換でミミズズを出さなければならず大変であまり勝てませんでした。退場手段を持つクレッフィの存在が頭になかったです。
12月にふと、クレッフィのほうがいいということに気がつき、戦いたくなったので、マスボ上げに使うことにしました。
【ポケモンSVシングル】ステラテラバースト連打構築の検討(こだわり+あまのじゃく) - テツポンドのブログ
で5連敗した状態からスタートし、11勝6敗でマスボ級に到達しました。
最後のほうの勝率が良かったので、「結構戦えるのかもしれないし、少しマスボ級でも戦ってみよう」と何戦かしたところ、16勝9敗で4万位から4000位(レート1711)まで上がりました。
その後も少しずつ順調に順位を上げ、12/30に7連勝で374位(合計68勝43敗、レート1919)になれました。
そこから、9連敗で3000位付近まで落ち、
その後、434位(合計84勝58敗、レート1926)に戻ってきたあと、
12-26で9524位になり、
最終的には合計121勝104敗のレート1717.840で終わりました。
レート1720付近から1920付近までうろうろしました。
相手のうまさに関係なく勝つときは勝って負けるときは負けるタイプの構築なのかな、それでこうなったのかな、と考えています。
今までの傾向から見て1920くらいあれば最終3桁に残せるというのが分かっていた(結果的にはレート1914なら最終3桁)のですが、最終3桁は以下の構築で取れているので保存をせずに戦いました。
この戦術でどこまでいけるのだろうというのを試したいという気持ちや、相手の攻撃でみがわりが割れなかったときの相手の長考がとても楽しいことから、戦いを継続しました。
この戦術で戦った感想
戦術成功時の理想は、相手にステルスロックをまけている状態で、みがわりを盾に2回りゅうのまいをできた状態です。
最速ブーストエナジーハバタクカミなどは抜けませんが、みがわりが壊れても体力マックスの壁カイリューが残っているわけなので、攻撃を耐えて返しでワンパンしていけます。
みがわりを残した状態で突破するのか、みがわりを消費してさらにもう一度りゅうのまいを使うのか、さらにマルチスケイルを消費してさらにさらにりゅうのまいを使うのか、という判断を毎試合求められました。
H振りテラスウーラオス・ガチグマをワンパンするためには2回りゅうのまいが必要で、コンセプト上2回りゅうのまいを使うことはうまくいけばそんなに難しくないので、2回使う試合が多かったです。
アンコールなどがうまく決まりりゅうのまいを4回使えると、最速ブーストハバタクカミも抜けます。
りゅうのまいした次のターンの上からのアンコールがきつそうに見えて、実は、アンコールの後の攻撃2回ををみがわりとマルスケで耐えきれるので、苦しくありませんでした。アンコールでハメたつもりでも、化け物カイリューがすくすく育ちます。
下からのアンコールはちょっときついときもありました。
選出する3匹がどくびし耐性をもっているので、どくびし展開が全く苦にならないのが良かったです。
頻出のきつかった要素
ふきとばしディンルー(ほかの2匹をひんしにしてカイリューでりゅうまいしにいきますが、ほぼ負け)
サーフゴー(特にHBでんじは系とわるだくみ系)
同じ選出固定の展開構築でも、他にレート1900にのった重力ガブや噴火コータスはもっと行動が固定されていたので、この構築は比較的頭を使いました。
明らかなプレイングミスで負けた試合が10試合くらいあり、たぶん普通のポケモンシングル対戦に力を入れている人が扱ったらもっと勝てると思います。
あと、この戦術はレギュA(旧称シリーズ1)でも使える戦術です。そのときなら、ディンルーもオーガポンもウーラオスもいないので、もっと勝てていたかもしれません。レギュAでどれくらい戦えるのか試してみたかったです。
環境がインフレする一方だとこういう悔しさが生じるときがあります。
おわりに
今回の戦術を思いついて実行している人がいないかTwitterで検索しましたが、いませんでした。しっぽきり+カイリュー自体、つぶやきが少なかったです。カイリューはしっぽきりと一番相性がいいと思うので意外です……
この構築で戦っているときに、初手モトトカゲがしっぽきりでカイリューに繋ぐ構築には当たりました。
もう1つ、カイリューが重要な役割を果たすシングルの構築を後で記事にします。
条件を満たすポケモンがたまたまメジャーポケモンだった例として、他に、以下の構築のウーラオスがいます。
今回は、作った構築がそこそこやれたので高順位を目指しましたが、「他の人がいろいろ考えてコンテンツを提供してくれている通常の対戦の通常の戦い方には注力せず、その分ほかの部分に注力する」という基本姿勢は変わらない予定です。
今年初めての記事でした。
お読みいただきありがとうございました。
今年もよろしくお願いします。
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