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【ポケモン】実現可能なこうげきの最大値・最小値はいくつ?

バカデカ火力・よわよわ火力が見たい

 

はじめに

 ステータス最大値最小値第二弾。

 第一弾ではすばやさの最大値最小値について扱いました。

tetspond.hatenablog.com

 

 今回は攻撃を最高と最低にしてみます。ポケモンの攻撃最大値と攻撃最小値はいったいどんな数字になるのでしょうか。

 ※形式はダブルバトルとします(2021/2/25追記)。

 

 

カミツルギで最大値実現? 

 こうげき種族値が最も高いのはメガミューツーX(190)で、メガ進化を除くとカミツルギ(181)が一番高いです。レベル100で攻撃特化のカミツルギは実数値330です。

 今回はカミツルギに様々な補正をかけていくのかというと、違います。前回同様、専用道具と実数値変更が鍵となります。

 

 

ツボツボ登場 

 鍵を握るのはツボツボです。こうげきの種族値はたったの10ですが、今回のキーポケモンです。注目するのは、ポケモン界最高のぼうぎょ種族値と技「パワートリック」「パワーシェア」です。

 

 レベル100で防御特化のツボツボはぼうぎょの実数値が614。

 ツボツボがレベルアップで覚える「パワートリック」は自分のこうげきとぼうぎょのステータスを入れ替える技です。これにより、ツボツボはこうげき実数値614になります。

 同じくレベルアップで覚える「パワーシェア」は相手と自分のこうげきととくこうの値をそれぞれの平均値にする技です。これにより、高いこうげきを他のポケモンに分け与えられます。

 

 ツボツボがパワートリック→パワーシェア→交換(能力リセット)を繰り返すことで、他のポケモンのこうげき実数値を613まで上げることができます。

 2つの技の初期PPは10ですが、10回この操作を繰り返せば613になります。

こうげき実数値4(最低)のポケモンに対しても

(4+614)/2 = 309

(309+614)/2 = 461.5 →461

(461+614)/2 = 537.5 →537

(537+614)/2 = 575.5 →575

(575+614)/2 = 594.5 →594

(594+614)/2 = 604

(604+614)/2 = 609

(609+614)/2 = 611.5 →611

(611+614)/2 = 612.5 →612

(612+614)/2 = 613 (10回目) 

以降は613.5になるので613のまま

 

 

こうげき補正

 上昇する補正は以下のものなどがあります。

 

ランク補正:最大4倍(6段階上昇)

特性:2倍「ちからもち」「ヨガパワー」

  1.5倍 「こんじょう」など

持ち物:2倍 「ふといホネ」(ガラガラ系統専用)「でんきだま」(ピカチュウ専用)

   1.5倍 「こだわりハチマキ」

サポート:1.5倍 「フラワーギフト」(味方に効果がある特性)

 

 計算順序と小数点処理は、ランク補正をかけて切り捨て、はりきり補正をかけて五捨五超入、他の補正をかけて五捨五超入 となっています(参考 : https://www.trainertower.com/dawoblefets-damage-dissertation/#attack-mods)。本当は「他の補正」の部分はもっと複雑ですが、今回は関係ないので簡略化しています。

 

 今回も専用道具の倍率の高さに目をつけます。ガラガラ・カラカラ・ピカチュウはこうげき補正が最ものります。実数値の低さはツボツボが補ってくれます。

 

 

こうげき最大値

 

・ガラガラはふといホネを持つ

・ガラガラは「はらだいこ」でこうげきランク6段階上昇。

・ツボツボが「パワートリック」「パワーシェア」交換 の動きを10回繰り返す。

スキルスワップマリルリの特性「ちからもち」をガラガラに移す(フーディンなど)。

チェリムは「にほんばれ」をして天候を「ひざしがつよい」に変えて「フラワーギフト」を発動させる。

 

 これにより、こうげき実数値613で、こうげき6段階上昇で4倍、ちからもちで2倍、ふといホネで2倍、フラワーギフトで1.5倍。

 613 x 4 = 2452

   2452 x 2 x 2 x 1.5 = 14712

 こうげき最大値は14712

 

 

最大値の実現手順

 

 味方5体、37ターンで実現します。スピードスワップのような技がないため、すばやさのときよりも時間がかかります。 

 

味方5体

ホルード(とんぼがえり) 特性ちからもち

デスバーン(スキルスワップ) 特性さまようたましい

ガラガラ@ふといホネ(つるぎのまい、にほんばれ)

ツボツボ(パワートリック、パワーシェア)

チェリム(自由) 特性フラワーギフト

 

 ガラガラのつるぎのまいのppを36まで増やしておきます。また、ガラガラのこうげき実数値は102以上にします(パワーシェアが9回で済む・102→358→486→550→582→598→606→610→612 )。

 

1ターン目  ホルードがデスバーンにとんぼがえり(接触攻撃)。デスバーンの特性さまようたましいが発動して、ホルードと特性交換。とんぼがえりの効果でホルードをガラガラに交換。デスバーンはガラガラにスキルスワップ

2ターン目  デスバーンをツボツボに交換。以降36ターン目までガラガラはつるぎのまい

3~34ターン目

以下4行の行動を1セットとして8回繰り返す

  ツボツボはパワートリック

 ツボツボはガラガラにパワーシェア

 ツボツボをデスバーンに交換

 デスバーンをツボツボに交換

35ターン目 ツボツボはパワートリック

36ターン目 ツボツボはガラガラにパワーシェア

37ターン目 ツボツボをチェリムに交換 ガラガラはにほんばれ。37ターン目でこうげき最大値

 

 

こうげき最小値

 

 最大値の際に活躍したツボツボはこうげき種族値10で、性格の下降補正がかかるとレベル1で実数値4です。こうげきランク6段階下降で1/4。特性「よわき」をスキルスワップでツボツボに渡して、ツボツボのHPを半分以下にすると、こうげき1/2。(やけど状態はこうげきが半分になるのではなくダメージが半分になる扱いのようです)

 4 x (1/4) = 1

    1 x (1/2) = 0.5 → 0 (五捨五超入)

 よって、こうげき最低値は0と言いたいところですが、他の全ての補正計算の後に1より小さくなった場合は1にする処理が入るようです(参考 : https://www.trainertower.com/dawoblefets-damage-dissertation/#attack-mods)。

 こうげき最小値は1

 

 こうげき実数値最低(4)のツボツボがこうげきランクが最低の6段階まで低下すると、それだけで攻撃最低の1になります。

 

 

トリプルバトル・マックスレイドバトルでの最大値

 (2021/2/25追記) 

 チェリムを複数体並べることができる状態では、さらに最大値を大きくすることができます。

 

トリプルバトル

 先ほどの最大値の状況にチェリム1体が加えます。その分フラワーギフト1つ分増えて、1.5倍になります。最大値は22068

 

マックスレイドバトル

 交代なし・10ターン限定という制限があります。

 攻撃特化232ホルード・ちからもち・こだわりハチマキ・ランク最大(つるぎのまい)・チェリム3体なら、9396になります。チェリム3体の場合、簡単に思いつく中ではこれが限界です。チェリム2体の場合は、上述のトリプルバトルでのチェリム2体の方が優れています。

 

 

おまけ

 

 第二世代まではこうげきは999が上限となっていて、それ以上は上げようとしても上げることができない仕様でしたが、第二世代でガラガラがふといホネを持つと1024を越えてしまってオーバーフローが起きてしまうようです。こうげき実数値129のガラガラ(ふといホネ)がはらだいこをすると、129*4*2 = 1032となり、こうげき8として扱われます。

ふといホネ - ポケモンWiki

 

 昔は処理能力の関係でオーバーフローが起きやすくいろいろ苦労があったようです。これは、ガラガラ関連で見つけた面白い記事です。

オーバーフローの知識と対策 - きんのいれば

 

  第二世代以前(prior to Gen3)はステータスを1より低くすることはできなかったという記述がBuldapediaにあります。すばやさ以外は今も同じです。

Statistic - Bulbapedia, the community-driven Pokémon encyclopedia

 

 何回か参考文献として言及していたサイトです。ダメージ計算関連の完全版と言って差し支えない資料です。

www.trainertower.com

 この資料でも言及されていた日本での検証の資料(下記URL)もあり、上の英語記事のだいたいの内容はこの日本語資料を読めば書いてあります。

http://bbs10.aimix-z.com/mtpt.cgi?room=sonota&mode=view2&f=140&no=27-29

 

 

おわりに

 

 ポケモンのこうげき最大値は14712。こうげき最小値は1という結果になりました。

 そのうち、ステータス最大値最小値第3弾をやると思います。

 

 お読みいただきありがとうございました。他の最大最小シリーズなどもご覧ください。

 

他の最大最小シリーズ

【ポケモン】実現可能なすばやさの最大値・最小値はいくつ? - テツポンドのブログ

【ポケモン】実現可能なぼうぎょの最大値・最小値はいくつ? - テツポンドのブログ

 

 

 

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【ポケモン】どくどくの必中効果の仕様についての情報の時系列整理

ニドキングがどくどく後につのドリルを必中で放つあの現象はどのように広まっていったのか、気になる

 

 ※ 追記

 今回扱う現象はアップデートで修正されました。修正までの出来事も追記しました。

 

はじめに

 

 どくタイプのポケモンが技「どくどく」を使うと、必中になります(相手が「そらをとぶ」などで消えていても命中)。ところが、この必中効果はそのターンの間残るようなのです。

 特別な方法を使ってどくタイプのポケモンに1ターンにどくどく→他の技の順番で他の技を出させると、他の技も必中になります。日本ではツイッターで少し前にちょっとした話題になりました。

 

 前回の記事で、この仕様を実戦で生かせないかと実用化考察を行いました。そちらも合わせてご覧ください。

tetspond.hatenablog.com

 

 今回は、この現象について、仕様が知られていく過程の時系列整理をしていきます。

 バグと呼ぶものなのかは議論の余地がありますが、呼びやすさのために今回はこの現象を「どくどくバグ」と呼びます。 

 

 ※ツイートなどの引用は著作権に問題がない形で行っています。

 

 

この仕様についての時系列

 

第六世代がスタートする

2013年10月12日(ポケモンX・Yの発売日)

  第六世代から、どくタイプが技「どくどく」を使った場合、必中するという仕様が追加されました。このときから、どくどくバグが存在します。

 

 

どくどくの必中効果に関する不具合のツイートが投稿される

2019年12月9日

  レイドバトルでどくタイプのどくどくが外れる現象が報告されました。この他にも定期的にこのようなツイートはされています。動画付きのツイートも中にはあります。

 この現象について、現在でもしっかり解明されているわけではありませんが、こちらの方の考察が参考になります。今回のどくどくバグとも関連がある可能性があります。

 

 

bulbapediaのどくどくのページにどくどくバグが追記される

日本時間2020年10月30日 2:28  ?

bulbapediaの他のページに時刻として表示されていたUTCなら、上記時間ですが、ページに載っている「10月29日 17:28」どこの時刻なのかは不明です

Difference between revisions of "Toxic (move)" - Bulbapedia, the community-driven Pokémon encyclopedia

 bulbapediaは海外版ポケモンwikiです。

 どくタイプのどくどく必中効果の後ろに、「もしポケモンが同じターンにどくどくの後追加の行動に成功した場合(さいはい・おどりこを介してのみ可能)、必中になる」と書かれました。約一時間半後に「さいはい・おどりこを介してのみ可能」が「さいはいによってなど」に変更されました。

 

 

初のどくどくバグ確認ツイートが投稿される

日本時間10月30日 3:24

 どくどくバグを再現した動画を載せてどくどくバグを報告する英語のツイートが投稿されました。

  「toxic Horn Drill」や「toxic OHKO」などでTwitter検索しても、このツイートより前のどくどくバグについてのツイートは見当たりませんでした。このツイートが初出だと思われます。

 

 

前述のツイートの和訳ツイートが投稿される

日本時間10月30日 7:27

  前述の英語のツイートを引用する形で、どくどくバグの存在を日本語で知らせています。

 

 

みらいよちも必中になること・第六世代から存在することを確認した動画がTwitterに投稿される

日本時間10月30日10:11

 ポケモンwiki編集者Zaggyoさんのすばやい確認です。

 

 

ポケモンwikiのどくどくのページにどくどくバグが追記される

日本時間10月30日 10:18

wiki.xn--rckteqa2e.com  「どくどくを使用したどくタイプのポケモンが、同じターンにさいはいの効果で別のわざを使用したり、みらいよちの攻撃を行った場合も必中になる」と追記されました。

 

 

マジックミラーでもどくどくバグが起きることがポケモンwikiに追記される

日本時間10月30日 13:09

https://wiki.ポケモン.com/w/index.php?title=どくどく&diff=next&oldid=480690

  編集はZaggyoさんです。

 

Twitterにどくどくバグ再現動画がついた日本語ツイートが投稿される

日本時間10月30日18:45

  確認できる中では、日本で最古の再現動画ツイートです。

 

 

日本で初めてどくどくバグの動画がyoutubeに投稿される

日本時間10月30日17:34頃

(twitterの動画投稿告知時刻が17:34)

https://twitter.com/syaronalex/status/1322094407902851072

www.youtube.com

 少し前半部分の説明に間違いがありますが、全体的に検証動画としての質は高いです。

 トリックルームの1809現象とどちらが対戦に影響があるかについて、動画内で語られていましたが、興味があればこちらの記事を読み比べてみてください。

【ポケモン】対トリックルーム最終兵器 〜すばやさ1808を超えれば先制〜 #1809現象実戦編 - テツポンドのブログ

【ポケモン】どくどくの仕様を利用した必中一撃必殺の実用化考察 - テツポンドのブログ

 

 

チャンネル登録4桁以上の投稿者によりどくどくバグの動画が投稿される

日本時間10月30日午後 (19時頃か?)

https://www.youtube.com/watch?v=FHqGepZKF4s

  話題になったツイートの手順をまねしていますが、元ツイートと違いつのドリルの対象が消えていない(あなをほるなどで隠れることで通常ならつのドリルが当たらないような状態にすることをしていない)ので、本当に必中効果があるのか示せていないため、検証の質は低いです。また、つのドリル使用者と対象者にレベル差があることで、通常の場合のつのドリルの命中(命中=30+使用者のレベルー対象者のレベル)も上がっているため、この点からも検証としては良くないです。

 11月11日時点で4桁以上の再生がされているどくどくバグ関連動画は日本ではこの動画だけです。

 

 

bulbapediaにマジックミラーでも起きることやその他詳細が追記される

日本時間10月30日23:58 ?  (bulbapediaの時刻がUTCの場合)

https://bulbapedia.bulbagarden.net/w/index.php?title=Toxic_(move)&diff=next&oldid=3269539

 どくタイプのどくどく必中効果の文章の後に、「これは1ターン続く一時的なフラグを作ることで成り立ちます。」という文が追加されました。また、「このフラグは、どくどくが普通に選択されたか、さいはいによって繰り返されたか、マジックミラー持ちどくタイプの反射で跳ね返されたかに関係なく、行動の途中で設定される」「はがねタイプであったり既にどく状態であったりしてどくどくが失敗し続けた場合でもフラグは立つが、かなしばり・ちょうはつ・ふういんでどくどくが妨げられた場合はフラグは立たない」と書かれました。

 

 

 

海外でマジックミラー軸の案がツイートされる

日本時間 10月31日1:27

 

 下記の記事と似た発想です。海外には先駆者がいたようです。

【ポケモン】どくどくの仕様を利用した必中一撃必殺の実用化考察 - テツポンドのブログ

 

 

マジックミラー軸の動画が投稿される(おそらく世界初)

日本時間2020年11月1日0:32

www.youtube.com

 下記の記事の実用化案③と同じ要領で実戦を行っています。この動画では、どくどく役はクロバットです。

【ポケモン】どくどくの仕様を利用した必中一撃必殺の実用化考察 - テツポンドのブログ

 すべてを聞き取れていませんが、5戦やって4戦は失敗したと言っているように聞こえました。現地時間ではハロウィンなので、ハロウィン企画としてやったようです。良い小ネタです。

 

 

日本でマジックミラー軸の案が書かれる(おそらく初)

日本時間 2020年11月4日

tetspond.hatenablog.com

  どくどくバグの実用化についてマジックミラー軸も入れて考察した日本で唯一の文章です。

 

 

以下 2020年12月23日追記

 

どくどくバグを主軸とした構築記事が書かれる(おそらく世界初)

2020年12月13日

luzilla.hatenadiary.jp

 このブログの記事を読んでくださったアインズさんが、より実用性を持たせたパーティーを考えてくださりました。 参考資料として載せていただいていてとても嬉しいです。

 トリックルームを絡めてナットレイをどくどく役にすることで、どく無効化と最後の詰めやすさを両立しています。対人戦でしっかり勝利を目指せるように戦略が練られています。

 

 

どくどくバグを戦術とした動画が投稿される(おそらく日本初)

2020年12月13日

www.nicovideo.jp

 上述のアインズさんの構築記事を参考にしたパーティーを使った動画です。具体的な勝ちパターンや仕様や動きの説明が丁寧で、分かりやすい動画です。

 

 

アップデートでどくどくバグが修正される

2020年12月22日 

 ポケモンソードシールドがVer1.3.1にアップデートされました。このアップデートで、どくタイプのどくどくの必中効果はどくどく使用時点で消えるようになりました。よって、必中効果を利用して他の技を必中で当てることができなくなりました。

 アップデートの公式の内容説明にこのことは記載されておらず、後述のようにユーザー側の実験によって明らかになりました。

 

 

どくどくバグ修正を示す動画がTwitterに投稿される

日本時間2020年12月22日

   その日のうちに日本語の要約ツイートもいくつか投稿されています。

 

 

 おわりに

 

 この現象は発見から2週間が立つ今ではほとんどツイートされなくなりました。この現象の実用性の無さが現れているようです。前回の記事での予想通り、「修正確実」「バランス崩壊」のような意見は間違いであったことが分かります。

 

 この実用化考察の後半の案ならロマン砲としてはいけそうですが、日本でこの案を実行する人はいるのでしょうか……?

【ポケモン】どくどくの仕様を利用した必中一撃必殺の実用化考察 - テツポンドのブログ 

 

 仕様の穴をつくのが好きな方はこちらもどうぞ。

tetspond.hatenablog.com 

 

 2020/12/23追記 

 記事公開からアップデートでの修正までの出来事を追加しました。

 アインズさんの構築記事は、本ブログ初のブログ被掲載だったので嬉しかったです。ブログへの投稿を始める前にアインズさんの記事をいくつも読んでいたので、今回の件で関わりを持ち始められたことも嬉しかったです。

 修正はされましたが、この件で生み出された記事や動画の価値がなくなるわけではないと思っています。例えばフリーフォール(バグ多発技・今は廃止)の仕様を利用した構築記事があれば私は読んでみたいと思いますし、これらの記事なども同様のものとして、興味がある人に楽しんでもらえたらいいなと考えています。

 

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(約5000字)(+追記 約1500字)

【ポケモン】どくどくの仕様を利用した必中一撃必殺の実用化考察

 どくどくをどくタイプが使うとそのターンの技が必中になる仕様を利用して一撃必殺技を必中で放ちたい!

 

 ※追記

 今回扱った、どくタイプがどくどくを使うとターン終了まで必中状態になれるという仕様は、2020/12/22のソードシールドver1.3.1へのアップデートによって修正されました。よって、この記事で扱った戦術は、現在使うことができません。

 

はじめに

 技「どくどく」は相手をもうどく状態にする技です。

 どくどく - ポケモンWiki

 第六世代以降、どくタイプのポケモンが技「どくどく」を使うと、必中になります(相手が「そらをとぶ」などで消えていても命中)。ところが、この必中効果はそのターンの間残るようなのです。

 特別な方法を使ってどくタイプのポケモンに1ターンにどくどく→他の技の順番で他の技を出させると、他の技も必中になります。

 追記:この現象は、あられ中のふぶき(必中)やスピードスター(常時必中技)では起きないことが確認されました。

 

 今回は、この現象について、実用化の考察をしていきます。

 

 追記:この仕様の情報がどのように知られていったのかについては、以下の記事をご覧ください。

tetspond.hatenablog.com

 

目次

 

 

考察① 実用性を持たせたい

 

 どくどくの必中効果を利用するためには、そのターンに他の技を出す必要があります。現在、それを可能にする方法は3つあります。

 以下すべて、どくどくを使うのはどくタイプとします。

A 技「さいはい」の効果で前のターンに使った「どくどく」を使わせてから、他の技を使う

B マジックコート状態によって、自分に対して使用された「どくどく」を反射して(どくどくを使用した扱いになる)から、他の技を使う

C 「どくどく」を使ったターンに技「みらいよち」の攻撃が起きる

 

 Cですが、みらいよちが必中であたることにはあまり実用性がありません。みらいよちの命中率は100なので、基本的には消えている相手にも当たるという恩恵しかありません。

 好きな技を必中でうちたいところです。実用性を求めるならAかBになります。

 

 Bですが、技「マジックコート」によってもマジックコート状態になることはできますが、マジックコート状態になるために自身がそのターンマジックコートを使う必要があるため、他の技を出すことができません。よって、常時マジックコート状態になる特性「マジックミラー」を用いるしか方法はありません。

 

 以上から、Aのさいはい軸か、Bのマジックミラー軸で考えていくことになりました。

 

 次に、必中で使う技をどうするかですが、必中でうつのなら…

 やはり、必中させたいのは一撃必殺技です。

 

  必中一撃必殺を放つポケモンについては、どくタイプで一撃必殺技を使えるのがニドキング系統だけなので、ニドキングまたはニドリーノ(持ち物しんかのきせき)になります。

 

  

実用化案① さいはい&トリックルーム

 ヤレユータンの専用技「さいはい」 を利用します。行動順調整はトリックルームを使います。仕様発見ツイートの動画の中で行われていた方法をもとにしました。

 

行動手順

1ターン目

ニドキング どくどく(敵Aへ)

ヤレユータン トリックルーム

 

2ターン目

ヤレユータン さいはい(ニドキングへ)

ニドキング (つのドリルを技選択)

さいはいでニドキングがどくどく(直前に使用した技)を出す。

ニドキングのつのドリルで敵(敵A以外)を必中一撃必殺で撃破

 

3ターン目

ヤレユータン まもる

ニドキング どくどく

 

以降2~3ターン目の繰り返し。

 ニドキングが倒れ次第、ニドリーノが代わりを担い、3ターン目の動きから続けます。

 もし相手が無抵抗なら、2,4,6ターン目に敵B,C,Dが必中一撃必殺で倒れ、敵Aももうどく状態によって6ターン目に倒れます。(2021/10/3 追記 5ターン目でトリックルームが終わるので行動順の関係で6ターン目は必中一撃必殺をできなかったです。訂正します。)

 

メンバー

 すべて、最遅&とりあえずHBD/(B+D)最大化にしています。実数値などは感覚をつかめるようにするための例です。

 ステータス関連は、HP・こうげき・ぼうぎょ・とくこう・とくぼう・すばやさの順になっています。

 

ヤレユータン

努力値:252-0-236-0-20-0

性格:のんき

実数値:197-x-143-110-133-58  

技 さいはい、まもる

 

ニドキング

努力値:252-0-100-0-156-0

性格:のんき

実数値:188-122-121-105-115-81

技:どくどく、つのドリル

 

ニドリーノ

持ち物:しんかのきせき

努力値:252-0-132-0-124-0

性格:なまいき

実数値:168-92-94(141)-75-100(150)-63

技:どくどく、つのドリル

 

実用性検討

 2ターンの計4回行動で相手を一体倒すわけで、その4回の行動のうちどれか1つができなかっただけで崩れるため、実用性は高くありません。

 かげふみなどの交代できない状態+フリーザーのこころのめ→必中ぜったいれいどのコンボの方が手数が少なく済みます。

 

 

実用化案② さいはい&すばやさ調整軸

 同じくヤレユータンの専用技「さいはい」 を利用しますが、行動順調整はすばやさ調整で行います。すばやさをヤレユータンニドキングにします。

 

行動手順

1ターン目

ヤレユータン まもる

ニドキング どくどく

 

2ターン目

ヤレユータン さいはい(ニドキングへ)

ニドキング (つのドリルを技選択)

さいはいでニドキングがどくどく(直前に使用した技)を出す。

ニドキングのつのドリルで敵を必中一撃必殺で撃破

 

以降1~2ターン目のくりかえし。ニドキングが倒れたらニドリーノが代わりに登場します。

 

メンバー

ヤレユータン

努力値:212-0-44-0-0-252

性格:おくびょう

実数値:192-x-106-110-130-123

 

ニドキング

努力値:252-0-92-0-116-44

性格:ようき

実数値:188-122-109-94-110-122

 

ニドリーノ

持ち物:しんかのきせき

努力値:212-0-36-0-52-204

性格:ようき

実数値:163-92-82(123)-67-82(123)-122

 

実用性検討

 先ほどの実用化案①に比べると、ヤレユータンが1ターン目にまもるを使えるのでヤレユータンが生き残りやすいという長所があります。短所は、先ほどと違い先手をとるためにはすばやさを高くしないといけないため、その分耐久が低くなっているところです。

 

 

実用化案③ マジックミラー軸 (本命①)

 特性「マジックミラー」をニドキングに「スキルスワップ」で移し、その後横からニドキングにどくどくをうち反射させます。どくどく役は最速ニドキングよりも高いすばやさにします。

 

行動手順

1ターン目 

エーフィ ニドキングスキルスワップ

ニドキング みがわり

敵の攻撃でエーフィのだっしゅつボタンが発動して、ドラピオンに交代

ニドキングのじしん・じならしで発動させる手もあり)

 

2ターン目以降

ドラピオン ニドキングにどくどく

ニドキングのマジックミラーでドラピオンに反射・どくどく使用扱い)

 ニドキング つのドリル(必中)

 

メンバー

エーフィ

特性:マジックミラー

持ち物:だっしゅつボタン

最速のすばやさ実数値178

技:スキルスワップ

 

ドラピオン

特性:カブトアーマー

努力値:252-0-0-0-76-180

性格:ようき

実数値:177-110-130-72-105-151

技:どくどく

 

ニドキング

努力値:252-0-0-0-4-252

性格:ようき

実数値:188-122-97-94-96-150

技:みがわり、つのドリル、(じならしorじしん)

 

実用性検討

 こちらは、最初の手順を踏んだあとは1ターンに一体倒すことができます。

 マジックミラー軸の場合、さいはい軸よりはまだ実用性があるように思います。

 

 

実用化案④ マジックミラー&スカーフ軸 (本命②)

 先ほどの案を改良して、ニドキングこだわりスカーフを持たせてみます。どくどく役は、どくどく没収を免れた高速ポケモンアギルダーです。

 

行動手順

1ターン目

ニドキング つのドリル(命中30%)

エーフィ ニドキングスキルスワップ

敵の攻撃でエーフィのだっしゅつボタンが発動して、アギルダーに交代

 

2ターン目以降

アギルダー ニドキングにどくどく

ニドキング つのドリル(必中)

 

メンバー

エーフィは同じなので省略

 

アギルダー

持ち物:きあいのタスキ

努力値:68-0-172-0-12-252

性格:おくびょう

実数値:164-x-82-120-82-216

 

ニドキング

持ち物:こだわりスカーフ

努力値:252-0-20-0-36-204

性格:ようき

実数値:188-122-100-94-100-143(214)

 

実用性検討

 最速ドラパルト(実数値213)を抜くことができ、2ターン目以降は毎ターン相手を行動前に一体倒すことができそうです。

 アギルダードラピオンと違ってどくタイプではないので、マジックミラーで跳ね返ってきたどくどくを無効化できないのが難点です。2ターン目には毒ダメージが入りきあいのタスキが発動しなくなるため、3ターン目には倒されそうです。

  過去作技が使用可能か第六・七世代の場合は、アギルダーの代わりに特性いたずらごころを持つポケモンにどくどくを使わせれば、ニドキングを最速(スカーフですばやさ225)にすることができます。

 

考察② 実用性はあるか(全体検討)

 

 個別の検討で書いたように、さいはい軸の場合は4回の行動で一体を倒すのでわりに合いません。しかし、マジックミラー軸の場合、1回の行動で準備をすれば、以降2回の行動で一体を倒せます。

 マジックミラー軸ならば対人戦で成功させることができる場合がありそうです。

 

 ただし、ノーガード一撃必殺の劣化にならないかは微妙なところです。ノーガード一撃必殺パーティーならば、1ターンの2回の行動で準備すると、以降1回の行動で一体を倒せます。

(ノーガードカイリキーのバレットパンチ・さまようたましいデスバーンのレッドカードスキルスワップ・2体の一撃必殺役)

 そのノーガード一撃必殺でさえも、 第七世代には「なりきり絶対零度アローラキュウコン」がいたわけですが、そこまで猛威を振るったわけではありません。 また、第八世代では、ダイマックス状態のポケモンに一撃必殺は無効であるため、 必中一撃必殺の実用性が低下しています。

 

 ロマンを求めて対人戦で再現することはできなくもないけれど、勝利を目指すのは難しい、といったところです。

 

 

考察③ バグか否か

 

 どくどくの必中効果が他の技にも及ぶのが、「製作者側が想定していない動作」であるなら、バグと言えます。

 一方、どくどくの正式な仕様が「どくタイプが使う場合、どくどく使用直前からターン終了時まで技が必中になる」であると解釈すると、他の技の必中はバグではないとも言えます。

 

 特性「ちからずく」のポケモンが道具「いのちのたま」を持って、追加効果がある技を使った場合、いのちのたまのダメージが発生しないという現象があります。この現象はバグっぽいですが、第五世代の頃から10年以上修正がありません。

 今回の現象も同じように、強すぎるわけでもないので、バグなのかどうか微妙なまま修正なしで続くのだろうと思います。

 

 バグか否かの話について興味がある方は、こちらのとも湯さんのちからずく検証動画(https://youtu.be/TmEQ2GNBgY4)のコメント欄などで議論があるので興味があれば見てみることをお勧めします。

 

 追記

 2020/12/22のアップデートで、修正されました。世代を跨がないうちに修正されたことで、公式がバグだと認識したことが明らかになりました。最近、ころがるばけのかわバグもそうですが、世代の途中で修正が入るようになりました。アップデート機能がある最近のゲームらしさがあります。

 ちからずくいのちのたまは、いまだに直されません。プログラムとして直すのが難しそうという話が上記動画のコメント欄にありました。面倒なので、他がいろいろ直されている中でも仕様としてそのままにしているのでしょうか…。

 

 

おわりに

 

 この現象が日本で話題になるきっかけとなった和訳ツイート (https://twitter.com/monja49/status/1321941675707564034 )の引用リツイート一覧を見ましたが、修正確実、バランス崩壊、ニドキングの時代など過大評価の声が多かったです。初出の英語ツイート (https://twitter.com/DaWoblefet/status/1321880702074454019)での案のように4ターンフリーで行動できる場合なら、より強い頑丈ヌケニンなども作れますし、ロマンギミックが意外と少ない手順で実現できることがあまり知られていないことを感じました。

 改善していくらか実用性は増しましたが、そこまで強いわけでもないという結果です。 

 それでも、このような新しい仕様が見つかることはワクワクします。考えるのは楽しかったです。

 

 お読みいただきありがとうございました。

 仕様の穴をつくのが好きな方はこちらもどうぞ。

tetspond.hatenablog.com 

 

次の記事

【ポケモン】どくどくの必中効果の仕様についての情報の時系列整理 - テツポンドのブログ

 

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【ポケモン】とも湯さんのすばやさ仕様解説動画の補足(第四世代のすばやさ仕様/すばやさ10000超え 他)

 はじめに

 

 「とも湯」さんは、ポケモン解説やゲーム実況の動画をYoutubeに投稿されている方です。ポケモンの仕様の検証動画も投稿されています。

 すばやさの仕様(下の記事参照)が10月25日頃から話題になり、とも湯さんがそれについて解説動画を投稿されました。今回はその動画の補足記事となります。

tetspond.hatenablog.com

 

目次

 

【理論編】トリックルームでも速過ぎると先攻出来てしまうバグ【ポケモンゆっくり解説小話】

(日本時間 2020年10月31日午前4時頃 投稿)

 

youtu.be

 

第四世代では、トリックルームの仕様は現在とは違う

  第四世代では、トリックルーム中の行動決定の処理が第五世代以降とは違います。よって、動画内で推測されていた歴史は事実とは異なることになります。

 本ブログでは、すばやさの仕様についての最初の記事( 【ポケモン】最速デオキシスがトリックルーム中に最初に行動 知られていないすばやさと行動順の仕様 #1809現象理論編 - テツポンドのブログ )を書く際に、第四世代ダイヤモンドで実機確認を行い、すばやさ2032のポケモントリックルーム中に一番最後に動くことを確認しました(すばやさ127のフローゼルが素早さランク最大・すいすい発動・おいかぜ状態で 127*4*2*2 = 2032)。

 このことについては、とも湯さんにお伝え済みです。

 

 第四世代のトリックルームの仕様については、ポケモンwikiにも、その海外版にあたるbulbapediaにも、書かれていませんでした。

 とも湯さんとやり取りした文章の中に「ポケモンwiki」という単語が含まれていたため、ポケモンwiki編集者の方に見つけていただきました。第四世代の行動順検証の際の記録などがツイートされています。

 ツイート内のサイト:ポケモン対戦考察まとめWiki - データ集/バトル中の処理の順番

https://web.archive.org/web/20141227195408/http://www18.atwiki.jp/dppokekousatsu/pages/558.html

 

  10月31日23:12に「トリックルーム(場の状態)」に第四世代に関して追記されました。

 トリックルーム(場の状態)の編集履歴

https://wiki.ポケモン.com/w/index.php?title=トリックルーム_(場の状態)&diff=next&oldid=481122

 

 その他、第四世代の素早さ検証に関連するツイートです。

  ツイート内のサイト: Bowline'sBBS

https://web.archive.org/web/20070328054911/http://cotton.fishbowl.rm.st/bowline/ubbs.cgi

 

 

すばやさ10000以上の場合は、すばやさ10000扱い

 すばやさが10000を超えた場合、まずすばやさを10000にした後に、トリックルームの処理(10000-すばやさ)や8192で割った余りを出す処理をしています。これについて動画内で説明がなかったため、動画のコメント欄にもそれに関する質問が十数個ほどありました。

 これに関しては、すばやさ - ポケモンWiki に書いてあります。

 すばやさ10001なら計算結果が -1 になるんじゃないか!?というコメントがありましたが、計算結果は10000のときと同じ0になります。

 すばやさ10001 → 10000にされる → 10000 - すばやさ = 0 →  0 (そのまま)(0 割る8192 = 0 余り0)

 

 

「8192で割った余り」はこの場合「8192以上なら8192を引く」とも表せる

 これはあまり重要ではない情報です。

 なぜこのように言い換えることができるかは、 【ポケモン】最速デオキシスがトリックルーム中に最初に行動 知られていないすばやさと行動順の仕様 #1809現象理論編 - テツポンドのブログ に書いてあります。

 表現方法の違いなので、どちらの方が分かりやすいかは人によると思います。

 ※今回はすばやさ仕様の結果そうなるだけで、常に数学的にそう言い換えられるわけではありません。

  ちなみに、動画内では「8191は8192未満なので割って余りを出す工程がなくなる」となっていますが、これは「8191を8192でわると0余り8191になる」とも言えます。

 

 

【実践編】速過ぎるマラカッチトリックルームを超越する【ポケモンゆっくり解説小話】 

(日本時間 2020年10月31日午前4時頃 投稿)

 

youtu.be

 

 登場ポケモンのすばやさ補正一覧

  動画内でポケモンごとに解説されていましたが、すばやさ1808,1809,1810がそれぞれどのようにすばやさ補正がかかって実現しているのか比較できるように一覧にしました。

 

すばやさ1808担当マラカッチ

 実数値113 ランク6段階上昇(4倍) ようりょくそ(2倍) おいかぜ(2倍)

 113 × 4 × 2 × 2 = 1808(計算過程で小数点の発生なし)

 

すばやさ1809担当マラカッチ

 実数値201 ランク4段階上昇(3倍) ようりょくそ(2倍) こだわりスカーフ(1.5倍)

 201 × 3 × 2 × 1.5 = 1809  (計算過程で小数点の発生なし)

 

すばやさ1810担当レジエレキ

 実数値362 ランク3段階上昇(2.5倍)  おいかぜ(2倍)

 362 × 2.5 × 2 = 1810  (計算過程で小数点の発生なし)

 

Q:動画内ですばやさ1810マラカッチは実現不可能と言っていたけど、実数値362で1810になるなら実数値181ようりょくそマラカッチでも1810になる???

A:実数値にランク補正をかけた後に小数点切り捨てしてから、他の補正、という順番なので、すばやさ181のようりょくそマラカッチの場合、1810ではなく1808になってしまいます。

 181 × 2.5 = 452.5 → 小数点切り捨てで452 → 452 × 2 × 2 = 1808 

 上に「(計算過程で小数点の発生なし)」と書いているのもそういう理由からです。とも湯さんも、このことを考慮していて、動画では計算をまとめて書かずに一つずつ書いています。

 

 

レディアンはイオルブ

 これはとも湯さんが動画に仕込んだネタですね。動画内でトリックルーム役だったレディアンと呼ばれていたポケモンは、イオルブです。 

 

 

【補習編】素早さが10000を超えるとどうなるか【ポケモンゆっくり解説小話】(11月11日 追記)

日本時間 2020年11月8日午前3時頃 投稿

www.youtube.com

 日をあけて、すばやさ10000超えや通常時の8192超えについて解説・実証する動画が投稿されました。

 

すばやさ8191が実現不可能である理由は「素数なので」では不十分 

 動画の流れを考えると、ここはそんなに時間を取るべきところではないので、ざっくりとした説明で仕方ないとは思います。

 厳密には、すばやさの補正計算の小数処理・計算順を考えて証明すべきです。詳しい証明はこの記事に載っています。

tetspond.hatenablog.com

 

グラフの線について

 動画の中で使われたグラフで、通常時の8191と8192の間の線とトリックルーム中の1808と1809の間の線は、書くべきではないです。

 この区間は両端を除いて非整数であり、すばやさは整数なので、この区間には両端を除いて点は存在しません。

 正しさを欠いたとしてもこの方が分かりやすいという判断だったのでしょうか。

 

 

おわりに 

 

 1つ目の動画(【理論編】トリックルームでも速過ぎると先攻出来てしまうバグ【ポケモンゆっくり解説小話】)の説明欄に、本ブログを参考先として載せていただいています。とも湯さんの動画に貼っていただけるなんてとても光栄です。

  そこからのアクセスがそれなりにあるので、役に立つと思いこの記事を書きました。情報の足しになれば幸いです。とも湯さんへのささやかなお返しでもあります。

 ご覧いただきありがとうございました。

 

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【ポケモン】すばやさ仕様(第五世代以降)についての情報の歴史 後編 (第八世代)

第五世代以降のすばやさの仕様はどのようにして知られていったのか知りたい

 

はじめに

 この記事は

ポケモン】すばやさ仕様(第五世代以降)についての情報の歴史 前編 (〜第七世代)

の続きとなっています。

tetspond.hatenablog.com

 

 前回は第五世代から第七世代にかけての歴史を扱いました。今回は第八世代になってからの流れです。仕様が日本で知られるようになっていきます。

 

 補足:「1809現象」は トリックルーム中にすばやさ1809以上のポケモンが先攻になる現象を指しています。本ブログでの呼称です。以下の記事で詳しく解説しています。

【ポケモン】最速デオキシスがトリックルーム中に最初に行動 知られていないすばやさと行動順の仕様 #1809現象理論編 - テツポンドのブログ

 

  ※ツイートなどの引用は著作権に配慮して行われています。

目次

 

 

歴史

2019年11月15日 第八世代スタート

 ポケモンソード・シールドが発売されました。

 

2019年12月17日 日本語で1809現象に言及するツイートが投稿される③

  ツイート内のURLはポケモンwikiトリックルーム(技)のページです。

 本ブログの1809現象解説記事の投稿を知らせるツイートが行われるまで、「すばやさ 1809」でTwitter検索して表示されるのはこのツイートと前編に登場したツイートの2つだけでした。

 

 

2020年3月25日 英語版ポケモンwiki bulbapediaの「ステータス」のページに全て(補正計算順は除く)のすばやさ計算処理が記載される

bulbapedia.bulbagarden.net

 編集履歴から、変更された日時を見つけました。意外と最近でした。

 トリックルーム時の処理の他、8192超えと10000超えの場合についても載っています。

 

 

2020年7月18日 13:58 ポケモンwikiの「トリックルーム(技)」のページから1809現象についての記述が削除される

https://wiki.ポケモン.com/w/index.php?title=トリックルーム&diff=prev&oldid=465053

  編集者は Zaggyo さん。後述の記載に伴って削除したのだと思います。

 

 

2020年7月18日 14:08,22:24 ポケモンwikiの「トリックルーム(場の状態)」のページに1809現象について記載される

https://wiki.ポケモン.com/w/index.php?title=トリックルーム_(場の状態)&diff=prev&oldid=465054

  • ランク補正/まひ/特性/もちもの/おいかぜ/しつげん状態による効果を全て加味した上でのすばやさで行動順が決定される。
    • 第五世代以降では、トリックルームは10000からこれら効果を加味したすばやさを引き、さらに213(=8192)で割った余りが大きい順から行動する効果になっている。すばやさが0~1808までの範囲では、すばやさが高くなるに従い余りが1808から0へ少なくなっていくため、すばやさの低いポケモンほど早く行動できることになる。すばやさが1809のポケモンは余りが最大の8191になるため、これ以外のすばやさのポケモンよりトリックルーム下で早く行動する。すばやさが1810以上だと余りは8190以下に少なくなっていく。

  編集者は Zaggyo さん。14:08に上のように書かれたあと、22:24に下のように詳しく書かれました。この時点で、2020年11月1日現在での記述とほぼ同じです。

 

 

2020年8月31日  ポケモンwikiのすばやさのページに仕様の詳細が記載される

https://wiki.ポケモン.com/w/index.php?title=すばやさ&diff=470341&oldid=470184

 編集者は Zaggyo さん。すばやさの仕様について、10000超え,8192超えの場合やトリックルーム中の処理について書かれました。すばやさ補正の適用方法についても詳しくまとめられています。

 

 

2020年9月5日 すばやさ仕様についての解説動画が投稿される(おそらく世界初)

(11月11日追記)

www.youtube.com

 動画内では、2つの実験が行われています。前半が8191超え、後半はトリックルーム中の1808超えについての実験です。ポケモンのバトル仕様研究の第一人者の一人であるDaWoblefet氏が関わっている動画です。

 前半では、すばやさ8208のポケモンがすばやさ15とすばやさ17の間で行動することが示されています。 

 何を言っているかを完全に理解しているわけではないのですが、解説も丁寧に行われている印象です。

  動画内では、【ポケモン】対トリックルーム最終兵器 〜すばやさ1808を超えれば先制〜 #1809現象実戦編 - テツポンドのブログと同じ手段ですばやさを上げていますが、この記事を書いた時点ではこの動画を発見していなかったため、記事の方法は自力考案です。

 

 2021年1月16日 追記

 2018年7月25日にすばやさ16128を再現している動画が投稿されていたことをSadisticMysticさんから教えていただきました。これは前編に追記しました。この動画はすばやさ8191超えの動画としては世界初ではないことが分かりましたが、依然として確認している中で最古の解説動画なので、項目のタイトルを「すばやさ8191超えの動画が投稿される(おそらく世界初)」から今のものに変更しました。

 

 

2020年10月20日 すばやさとトリックルームの仕様についての日本語のブログが投稿される(おそらく初)

tetspond.hatenablog.com

 本ブログの記事のことです…。同日中に投稿を知らせるツイートも行われました。

 日本語では、すばやさ・トリックルームの仕様を解説する文章は、ポケモンwiki以外はこのときまでありませんでした。

 

 

2020年10月22日 1809現象を対人戦で実現する方法が投稿される(おそらく初)

tetspond.hatenablog.com

 これも本ブログの記事になります…。手前味噌になってしまいますが、これも日本での1809現象の歴史の上では記すべき投稿記録です。

 

 

 2020年10月23日 10時頃 ダウンロードコンテンツ冠の雪原 配信開始

  ポケモンソード・シールドのエキスパンションパスの第二弾である冠の雪原が配信開始されました。すばやさ種族値の最高を大きく更新する、すばやさ種族値200のレジエレキが登場しました。

 

10月24日 22:29 レジエレキで1809現象を再現した英語ツイートが投稿される

   動画付きのツイートです。時間は日本時間の10:29だと思われます。

 「トリックルームのすばやさオーバーフローが、今VGCでわずかに可能になりました」と言っていますが、意味は不明です。また、1809現象はオーバーフローとは少し異なります。

 

10月24日 23:00頃 上述ツイートの和訳ツイートが投稿される

 一番最初のツイートは消されているようです。上二つのツイートはその消されたツイートと同じスレッドになっています。上のツイートは23:11、下のツイートは23:35の投稿です。

 

 

10月25日 1:29頃 Youtubeに日本語の1809現象再現動画が投稿される(おそらく初) 

  動画を投稿した告知をしているツイートの投稿時間が1:29でした。

 

10月25日 1:59 日本での再現動画がTwitterに投稿される

 

10月25日 5:05  すばやさ仕様について解説する日本語動画がYoutubeに投稿される(おそらく初)

www.youtube.com

しざよ on Twitter: "レジエレキの最速バグvsイバンの実ではどちらが速く行動する!?
気になりすぎて眠れませんでした…

 告知ツイートの投稿時間が5:05でした。

 

10月25日 11:56 ぽけりんに1809現象の記事が投稿される

【時空乱れる】レジエレキ、あまりに速すぎて限界突破 「トリックルーム下でも全ポケモンに先制可能」と判明【特定条件下で発生】 - ぽけりん@ポケモンソードシールド(剣盾)まとめ

 記事内での一番最初のコメントは10月24日23:29になっています。

 

10月25日 23:10 登録者4桁以上の人の1809現象の日本語動画の投稿(おそらく初)

【ポケモン剣盾】すばやさを極限まで高めるとトリックルームの効果を無視できる - YouTube

 登録者4桁の方の動画が11月1日時点で23万回再生されていて、この現象の話題性の高さを感じます。

 

 

10月25日 23時半頃 登録者5桁以上の人の1809現象の日本語動画の投稿(おそらく初)

【バグ検証】最速レジエレキはトリックルーム下でも先制攻撃できる?他の130族抜きポケモンもできる?!【冠の雪原/ポケモン剣盾有料DLC】 - YouTube

 

 

10月27日 すばやさ8191超えの日本語の検証動画が投稿される(おそらく初)

www.youtube.com

 すばやさが8191を超えた場合について撮影された動画は、2020年11月1日時点ではこの動画以外見つかりませんでした(追記:海外では9月に投稿されているのを後に見つけました)。同じ動画がニコニコ動画にも投稿されています。

 この動画を投稿したおりはるさんは、おそらく僕以外で初めてこの現象についてブログを書いた方です。

 10月27日以降、すばやさについて複数の記事をお書きになっています。

レジエレキのスピードを受け継いだ超神速メタモンは、オーバーフローの更に向こう側へ行けるのか - orihal's diary

仮説:レジエレキの素早さを用いて、新たな形のオーバーフローを起こせるか - orihal's diary

 

 

10月31日 3:58頃 1809現象の解説に特化した動画が投稿される(おそらく世界初)

www.youtube.com

 質の高い仕様検証動画を投稿することに定評のある、とも湯さんの動画です。10月26日にリプライを送ったところ、本ブログを読んでいただくことができました。動画の説明欄に参考先として載せてくださっています。光栄です。

  この動画について、補足記事を書いています。

tetspond.hatenablog.com

 

 

10月31日 3:58頃 1809現象が起きる境界が1808と1809の間であることを確かめる動画が投稿される(おそらく世界初)

www.youtube.com

 すばやさ3,1808,1809,1810のポケモンをそれぞれ用意して、トリックルーム中の行動順が1809→1810→3→1808であることを確かめています。

 この動画についても、上にも載せた 【ポケモン】とも湯さんのすばやさ仕様解説動画の補足(第四世代のすばやさ仕様/すばやさ10000超え 他) - テツポンドのブログ  で触れています。

 

 

2020年11月8日 すばやさ10000超えについて検証する動画が投稿される(おそらく日本初) 

(11月11日追記)

youtu.be

 こちらもとも湯さんのもので、すばやさ10000超えと8192超えについて解説する動画です。

  すばやさ1,8190,8192のポケモンを用意し、8190→1→8192の順番で動くことを確認しています。また、すばやさ1807,1809,10248のポケモンを用意し、1809→10248→1807の順番で動くことを確認しています。

 すばやさ10000以上のポケモンを用意する動画は、今まで探していた範囲ではこの動画だけです。ゆえに、すばやさ10000以上のポケモンがすばやさ1809とすばやさ1807の間で行動することを示したのもこの動画だけです。また、最終的なすばやさ(準優先度)を0にする動画も、今まで探していた範囲ではこの動画だけです。

 

 2021年1月16日 追記

 2018年のすばやさ10000超えの実験動画があったので、タイトルを世界初ではなく日本初に変更しました。

 

 

 

おわりに

 

 前編と後編と合わせて制作10時間・約1万字の大作になりました。すばやさ仕様の歴史についてまとめた文章は日本語ではおそらく他にないので、唯一無二の調査資料となれると思います。ニッチな情報すぎて需要は少ないですが……。

 何か追加すべき情報がありましたら、Twitterやコメントでご連絡ください。

 

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前編

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