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【ポケモン】他のどのポケモンより最初に行動するすばやさ8191ちょうどは実現可能か 8191は素数

通常時に最も準優先度が高い(一番最初に行動できる)「すばやさ8191」は実現可能か

 

 

はじめに

 

 以前、準優先度という単語を作って、すばやさの仕様について説明したことがありました。

tetspond.hatenablog.com

 その内容の一つとして、「通常時(トリックルーム中でない)にはすばやさ8191のポケモンが一番最初に行動する」というものがあります。

 このすばやさ8191という値、ピッタリ合わせるのは難しそうです。実現可能でしょうか。

 

 追記:すばやさの補正計算について海外のサイトなどを調べ回った結果、ポケモンwikiのまひ補正の計算位置が間違っていたことが判明しました(今は修正済み)。この記事のメインの証明部分の書き換えを行いました。結論は変わりません。

 

 

目次

 

 

すばやさ8191の実現が難しそうである理由

 

 以前の記事(【ポケモン】トリックルームの壁を越えるすばやさ1809以上を実現する方法 #1809現象再現編 - テツポンドのブログ)にて、すばやさ1809ぴったりは実現可能でした。

 1809の場合は因数分解すると3^3 * 67 だったので、

67 x  3 x (1.5 x 2) x (1.5 x 2) = (67*2) x 3 x 1.5 x 1.5 x 2

と変形して、すばやさ実数値134のポケモンにすばやさ4段階上昇・スカーフ・はやあし・おいかぜの補正をかければピッタリ合わせることができました。

 

 しかし、今回はそのやり方はできません。なぜならば、8191は素数だからです。この数は、「(2の累乗) - 1 」の形で表されるメルセンヌ素数の一つです(すばやさの仕様に登場する8192という数は2の13乗)。

 

 

すばやさの補正の計算式

 

 すばやさの式を使って考えて行きます。すばやさの補正は以下のようにして計算されます。ポケモンwikiすばやさ - ポケモンWiki)の要約です。

 

すばやさ

= すばやさ実数値(整数)

x ランク補正(ここまでで小数点切り捨て)

x すばやさ補正値/4096(ここまでで小数点五捨五超入)

x まひ補正(ここまでで小数点切り捨て)

 

補正値を4096でわる処理になっているのは小数を扱わないで済むという内部処理上の理由からで、今回は「すばやさ補正値/4096」はまひを除いた補正倍率と考えて問題ないです。

 

 

すばやさ8191の実現可能性

 

 すばやさ実数値の最高はレベル100最速レジエレキの548。ランク補正をかけたときの最大値は548×4 = 2192 。小数点は切り捨てられるため、全てのポケモンの「すばやさ実数値xランク補正」の値は2192以下の整数になります。

 

 まひ補正をかけたときに8191になるのは、「すばやさ実数値xランク補正xその他補正」が8191,16382,16383になるときです。8191はまひがないとき、16382と16383はまひがあるときにに、最終的にすばやさ8191になります。それぞれの値が実現可能か確かめます。

 

・8191

 まず、「すばやさ実数値xランク補正xその他補正」が8191になるかどうかを見ていきます。

 ランク補正を除くすばやさ補正の組み合わせを考えます。

 「すばやさ実数値xランク補正」の値は整数であるため、整数をかけると合成数(2つ以上の素数の積で表せる自然数素数ではない)になります。つまり、整数の補正だと素数8191になることはありません。

 また、8191/2192 = 3.736... であり、「すばやさ実数値xランク補正」が最大であったとしても3.7倍より大きい補正が必要です。 

 以上より、3.7倍より大きく整数ではない補正をかける必要があります。

 

補正の一覧はこのようになっています。

特性: 0.5(スロースタート) , 1(効果なし),  1.5(はやあし),  2(すいすいなど)

持ち物:0.5(くろいてっきゅう等),  1(なし),  1.5(こだわりスカーフ),  2(スピードパウダー)

おいかぜ状態:1(なし), 2(あり)

しつげん状態:0.25(あり), 1(なし) 

湿原状態は相手の「みずのちかい」と「くさのちかい」によって発生する状態です。

 

 この中で、3.7倍より大きく非整数の補正は1.5 x 1.5 x 2 x 1 のときの4.5倍だけです。

 

 補正倍率が4.5の場合を考えてみます。「すばやさ実数値xランク補正」に4.5をかけた値が8190.5<X≦8191.5の範囲に収まれば五捨五超入して8191になります。「すばやさ実数値xランク補正」の値は小数点が切り捨てられていて整数なので、これを整数nとして不等式に表した

8190.5 < 4.5n ≦ 8191.5 

を満たす2192以下の整数nがあれば、すばやさ8191が実現できる可能性があります。

 

 確かめます。

上の式を変形(4.5でわる)すると、

1820.111... < n ≦ 1820.333...

これを満たす整数nは存在しません。

 

 よって、「すばやさ実数値xランク補正x他の補正」は8191にはならないことが示されました。

 

・16382,16383

 次に、「すばやさ実数値xランク補正x他の補正」が16382か16383になるかを考えます。「すばやさ実数値xランク補正」の値は2192以下になるため、それを16382以上の数にするためには少なくとも16382/2192 = 7.47... 倍の補正が必要です。

 先ほどの補正一覧を見ると、7.4倍以上にする補正は8倍(持ち物特性おいかぜ全て2倍)しかないことが分かります。16382も16383も8でわりきれない数で、整数である「すばやさ実数値xランク補正」に8をかけても16382や16383にはなりません。

 よって、「すばやさ実数値xランク補正x他の補正」は16382や16383になりません。

 

 以上から、「すばやさ実数値xランク補正x他の補正」は8191にも16382にも16383にもならないことが示されました。

 

 よって、すばやさ8191は実現不可能です。

 

 

 

すばやさ8190の実現可能性

 

次にはやい8190については実現可能でしょうか。

8190は素因数分解すると2*(3^2)*5*7*13 です。4.5と6で割り切れて、8190/6=1365, 8190/4.5=1820です。1365の場合は3,3.5で、1820の場合は4でわると割り切れてかつ商が504以下になります。

 

455 × 3 × 6 = 1365 × 6 = 8190

すばやさ個体値31のようきテッカニン努力値を232振るとレベル100ですばやさ実数値455です。そこにすばやさ4段階上昇・すいすい付与&発動・スカーフ・おいかぜ。

すばやさ実数値が455以上になるのは、テッカニンデオキシスとレジエレキだけです。計算方法については、以前の記事 ( 【ポケモン】トリックルームの壁を越えるすばやさ1809以上を実現する方法 #1809現象再現編 - テツポンドのブログ ) に似た例が載っています。

 

390 × 3.5 × 6 = 1365 × 6 = 8190

すばやさ個体値31のいじっぱりテッカニン努力値を136振るとレベル100ですばやさ実数値390です。そこにすばやさ5段階上昇・すいすい付与&発動・スカーフ・おいかぜ。

すばやさ種族値128以上ならすばやさ実数値390になれます。

 

455 × 4 × 4.5 = 1820 × 4.5 = 8190

前述のすばやさ実数値455に、すばやさ6段階上昇・はやあし付与&発動・スカーフ・おいかぜ。

 

以上のように、すばやさ8190は実現可能です

 

 

 

おわりに

 

 結論は「すばやさ8191(通常時に準優先度が最高になる)は実現不可能。次点のすばやさ実数値8190は実現可能。」でした。すばやさ8190が実質的な最高準優先度を得ます。

 実用性はありません。

 

 代わりにポケモン対戦での実用的な豆知識ですが、今回登場したすばやさ補正計算の関係で、すばやさ実数値が3の倍数ではないポケモンこだわりスカーフを持っている状態ですばやさ1段階ダウンした場合、すばやさ実数値より1低いすばやさになります。ランク補正計算後の小数点切り捨ての結果、2/3と1.5で相殺とはならない場合があるので注意です。

(3n)*(2/3)*1.5 = { 6n/3 }*1.5 = (2n)*1.5 = 3n

(3n+1)*(2/3)*1.5 = { (6n+2)/3 }*1.5 = (2n+2/3)*1.5 → 2n*1.5 = 3n

(3n+2)*(2/3)*1.5 = { (6n+4)/3 }*1.5 = (2n+1+1/3)*1.5 →  (2n+1)*1.5 = 3n+1.5 → 3n+1

 

 お読みいただきありがとうございました。

 

 

 

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