はじめに
「とも湯」さんは、ポケモン解説やゲーム実況の動画をYoutubeに投稿されている方です。ポケモンの仕様の検証動画も投稿されています。
すばやさの仕様(下の記事参照)が10月25日頃から話題になり、とも湯さんがそれについて解説動画を投稿されました。今回はその動画の補足記事となります。
目次
- はじめに
- 【理論編】トリックルームでも速過ぎると先攻出来てしまうバグ【ポケモンゆっくり解説小話】
- 【実践編】速過ぎるマラカッチでトリックルームを超越する【ポケモンゆっくり解説小話】
- 【補習編】素早さが10000を超えるとどうなるか【ポケモンゆっくり解説小話】(11月11日 追記)
- おわりに
【理論編】トリックルームでも速過ぎると先攻出来てしまうバグ【ポケモンゆっくり解説小話】
第四世代では、トリックルームの仕様は現在とは違う
第四世代では、トリックルーム中の行動決定の処理が第五世代以降とは違います。よって、動画内で推測されていた歴史は事実とは異なることになります。
本ブログでは、すばやさの仕様についての最初の記事( 【ポケモン】最速デオキシスがトリックルーム中に最初に行動 知られていないすばやさと行動順の仕様 #1809現象理論編 - テツポンドのブログ )を書く際に、第四世代ダイヤモンドで実機確認を行い、すばやさ2032のポケモンがトリックルーム中に一番最後に動くことを確認しました(すばやさ127のフローゼルが素早さランク最大・すいすい発動・おいかぜ状態で 127*4*2*2 = 2032)。
このことについては、とも湯さんにお伝え済みです。
第四世代のトリックルームの仕様については、ポケモンwikiにも、その海外版にあたるbulbapediaにも、書かれていませんでした。
とも湯さんとやり取りした文章の中に「ポケモンwiki」という単語が含まれていたため、ポケモンwiki編集者の方に見つけていただきました。第四世代の行動順検証の際の記録などがツイートされています。
https://t.co/XDSOApz4R9
— シタビラメのダニエル@ポケモン (@pokemon_rice) 2020年10月31日
あったあった。第四世代の行動順検証まとめ。個別検証記録はたぶんaonaのポケモン部屋の掲示板で残ってないんだな。 pic.twitter.com/bZkPSCARtc
ツイート内のサイト:ポケモン対戦考察まとめWiki - データ集/バトル中の処理の順番
https://web.archive.org/web/20141227195408/http://www18.atwiki.jp/dppokekousatsu/pages/558.html
10月31日23:12に「トリックルーム(場の状態)」に第四世代に関して追記されました。
https://wiki.ポケモン.com/w/index.php?title=トリックルーム_(場の状態)&diff=next&oldid=481122
その他、第四世代の素早さ検証に関連するツイートです。
素早さ努力値調整ツール抱えていたので、DPの検証の初っ端に全部まとめて検証しました。データは残して無かった or bowlineのBBSだけのはずです。結果はPOKeDEX 250のBBSにも書いています。
— えい (@aka_touzoku) 2020年11月1日
検証の一端は https://t.co/7hYDyAdgmi でも確認できます。
ツイート内のサイト: Bowline'sBBS
https://web.archive.org/web/20070328054911/http://cotton.fishbowl.rm.st/bowline/ubbs.cgi
すばやさ10000以上の場合は、すばやさ10000扱い
すばやさが10000を超えた場合、まずすばやさを10000にした後に、トリックルームの処理(10000-すばやさ)や8192で割った余りを出す処理をしています。これについて動画内で説明がなかったため、動画のコメント欄にもそれに関する質問が十数個ほどありました。
これに関しては、すばやさ - ポケモンWiki に書いてあります。
すばやさ10001なら計算結果が -1 になるんじゃないか!?というコメントがありましたが、計算結果は10000のときと同じ0になります。
すばやさ10001 → 10000にされる → 10000 - すばやさ = 0 → 0 (そのまま)(0 割る8192 = 0 余り0)
「8192で割った余り」はこの場合「8192以上なら8192を引く」とも表せる
これはあまり重要ではない情報です。
なぜこのように言い換えることができるかは、 【ポケモン】最速デオキシスがトリックルーム中に最初に行動 知られていないすばやさと行動順の仕様 #1809現象理論編 - テツポンドのブログ に書いてあります。
表現方法の違いなので、どちらの方が分かりやすいかは人によると思います。
※今回はすばやさ仕様の結果そうなるだけで、常に数学的にそう言い換えられるわけではありません。
ちなみに、動画内では「8191は8192未満なので割って余りを出す工程がなくなる」となっていますが、これは「8191を8192でわると0余り8191になる」とも言えます。
【実践編】速過ぎるマラカッチでトリックルームを超越する【ポケモンゆっくり解説小話】
登場ポケモンのすばやさ補正一覧
動画内でポケモンごとに解説されていましたが、すばやさ1808,1809,1810がそれぞれどのようにすばやさ補正がかかって実現しているのか比較できるように一覧にしました。
すばやさ1808担当マラカッチ
実数値113 ランク6段階上昇(4倍) ようりょくそ(2倍) おいかぜ(2倍)
113 × 4 × 2 × 2 = 1808(計算過程で小数点の発生なし)
すばやさ1809担当マラカッチ
実数値201 ランク4段階上昇(3倍) ようりょくそ(2倍) こだわりスカーフ(1.5倍)
201 × 3 × 2 × 1.5 = 1809 (計算過程で小数点の発生なし)
すばやさ1810担当レジエレキ
実数値362 ランク3段階上昇(2.5倍) おいかぜ(2倍)
362 × 2.5 × 2 = 1810 (計算過程で小数点の発生なし)
Q:動画内ですばやさ1810マラカッチは実現不可能と言っていたけど、実数値362で1810になるなら実数値181ようりょくそマラカッチでも1810になる???
A:実数値にランク補正をかけた後に小数点切り捨てしてから、他の補正、という順番なので、すばやさ181のようりょくそマラカッチの場合、1810ではなく1808になってしまいます。
181 × 2.5 = 452.5 → 小数点切り捨てで452 → 452 × 2 × 2 = 1808
上に「(計算過程で小数点の発生なし)」と書いているのもそういう理由からです。とも湯さんも、このことを考慮していて、動画では計算をまとめて書かずに一つずつ書いています。
レディアンはイオルブ
これはとも湯さんが動画に仕込んだネタですね。動画内でトリックルーム役だったレディアンと呼ばれていたポケモンは、イオルブです。
【補習編】素早さが10000を超えるとどうなるか【ポケモンゆっくり解説小話】(11月11日 追記)
日本時間 2020年11月8日午前3時頃 投稿
日をあけて、すばやさ10000超えや通常時の8192超えについて解説・実証する動画が投稿されました。
すばやさ8191が実現不可能である理由は「素数なので」では不十分
動画の流れを考えると、ここはそんなに時間を取るべきところではないので、ざっくりとした説明で仕方ないとは思います。
厳密には、すばやさの補正計算の小数処理・計算順を考えて証明すべきです。詳しい証明はこの記事に載っています。
グラフの線について
動画の中で使われたグラフで、通常時の8191と8192の間の線とトリックルーム中の1808と1809の間の線は、書くべきではないです。
この区間は両端を除いて非整数であり、すばやさは整数なので、この区間には両端を除いて点は存在しません。
正しさを欠いたとしてもこの方が分かりやすいという判断だったのでしょうか。
おわりに
1つ目の動画(【理論編】トリックルームでも速過ぎると先攻出来てしまうバグ【ポケモンゆっくり解説小話】)の説明欄に、本ブログを参考先として載せていただいています。とも湯さんの動画に貼っていただけるなんてとても光栄です。
そこからのアクセスがそれなりにあるので、役に立つと思いこの記事を書きました。情報の足しになれば幸いです。とも湯さんへのささやかなお返しでもあります。
ご覧いただきありがとうございました。
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