最大ダメージである65535を1手で出したい


はじめに
ポケットモンスター本編のダメージ計算に関する記事です。
オーバーフローを考慮する場合、ポケモンで生じるダメージの最大は65535になります。この65535を出すことに関して、過去に以下の記事を書いていました。今回はその続編(上位互換)です。
前回記事:【ポケモン】オーバーフローを考慮した場合の最大ダメージ65535を1ターンで実現する方法
今回記事:【ポケモン】オーバーフローを考慮した場合の最大ダメージ65535を1行動で実現する方法
- はじめに
- 前提
- 最大ダメージに関する考え方
- 前回記事での成果
- 前回記事についたコメント
- 改善点
- 改善点1への回答
- 改善点2への回答
- 65535ダメージを1行動で実現する方法 概要
- 65535ダメージを1行動で実現する方法 実演
- 65535ダメージを1行動で実現する方法 ダメージ計算
- 65535ダメージを急所なし2行動で実現する方法
- 数値の組み合わせの見つけ方
- 翌週追記 急所なし1行動で65535ダメージ実現
- おわりに
前提
(1)
この記事は以下のページの情報を信じて書かれています。
ダメージ計算式 - ポケモン育成考察Wiki|最新世代(スカーレット・バイオレット)
基本的には、仕様といえばポケモンwikiですが、ダメージ計算に関しては、ポケモン育成考察Wikiのこのページが非常に充実しています。
(2)
掛け算の記号として、「*」の半角である * を用います。
割り算の記号として、/ を使います。
最大ダメージに関する考え方
ダメージ計算では、他の全ての補正計算後の値が65536以上になると、オーバーフロー(16bitオーバーフロー)が起き、値を65536で割った余りが対象に対して与えるダメージになります。整数を65536で割った余りがダメージになるので、最終的なダメージは0~65535の範囲の整数になります。
よって、オーバーフローを考慮した場合のダメージの最大値は65535です。今回は、このダメージを与える方法について扱います。
ちなみに、オーバーフローを考慮しない机上の計算だと、桁違いのダメージを考えることもできます。そのダメージを実現させようとする動きをとったのが、ノムトラさんが投稿した以下の動画です。約26億ダメージです。今回取り扱う655535の約4万倍です。
以下の記事でこの動画を詳しく解説しています。
【ポケモンSV】オーバーフロー非考慮の場合の最大ダメージの実演の内容確認 - テツポンドのブログ
こういう取り組みもとても好きですが、やはり個人的には、厳密な最大ダメージの話としては、オーバーフローを考慮していきたいと考えています。そういうわけで今回この記事を書いています。
前回記事での成果
5年前に書いた【ポケモン】オーバーフローを考慮した場合の最大ダメージ65535を1ターンで実現する方法 # 最大ダメージ学会 - テツポンドのブログでは、65535ダメージを、ダブルバトルで1ターンの間で実現しようとし、ポケモン剣盾内で実現可能な設定を見つけました。
デコレーションされた闘争心レントラー(レベル100・こうげき実数値368)が、後攻の尻尾を持って一番遅く行動し、スキルリンク不一致つららばりを受けて防御が下がりきった砕ける鎧バニプッチ(レントラーと同じ性別)に対して、サイコファングを使うと、乱数が1.00のときにダメージが65535になります。
前回記事についたコメント
前回記事を公開したのが2020/12/5 でした。その後1か月くらい経った 2021-01-03 に、記事にコメントがつきました。少し交流がある海外の仕様研究者からのコメントでした。
驚くべきことに、シングルでも65535ダメージを1ターンで実現可能だったのです。その数値設定が書かれていました。
スナイパーオクタン(レベル100・とくこう実数値335)が、先制の爪を発動させて先に殻を破るを使ったカメテテ(とくぼう実数値4)に対して、しおふきを使うと、急所に当たって乱数が0.92のときにダメージが65535になります。
改善点
シングルでも1ターンで実現できるという素晴らしい発見でしたが、まだ発展の余地があります。
2つの方向性があります。
1つ目の方向性:1手で実現する
ダブルバトルで3手使うというやり方より短いものとして、シングルバトルで2手使うというやり方が出てきたというのが、上記の発見でした。
しかし、さらに突き詰めて1手にできるのであれば、そうしたいです。
2つ目の方向性:急所補正を使わない
複数の乱数に対応できるような大きなダメージ(このリンクの記事でやっているようなこと)を1ターンで実現するのは現実的ではないので、特定の乱数のときのみ65535になる(1/16に頼る)のは仕方ないです。
しかし、急所に頼らないようにする(1/24に頼らない)ことならできそうです。
2025/12/10追記
2つの方向性を同時にクリアする方法がありました。私の考えが甘かったです(反省……)。テラスタルを使うこと+ダブルバトルにすることorポケモンGO産の進化後レベル1ポケモンを使うことによって、SVで急所補正を使わずに1手で65535ダメージを実現する方法が、他の方によって発見されました。
記事の後ろで紹介しています。
改善点1への回答
1手で実現する方法を見つけました。シングルバトルです。攻撃を受ける側は行動せず、攻撃をする側の攻撃1回のみで65535ダメージが出ます。
ハドロンエンジンミライドン(レベル98・元々とくこう実数値327)が、登場時にハドロンエンジンにより展開したエレキフィールドがある状態で、コイキング(とくぼう実数値4)に対して、イナズマドライブを使うと、急所に当たって乱数が0.94のときにダメージが65535になります。
これがこの記事の本題となるので、あとで詳しく解説します。
改善点2への回答
急所補正を使わない方法を見つけました。シングルバトルです。攻撃を受ける側がせんせいのつめによって先に行動して自分の耐久を下げた後に、攻撃をする側が行動することで、急所なしで65535ダメージがでます。
あめふらしカイオーガ(レベル95・とくこう実数値385)が、登場時にあめふらしにより展開した雨がある状態で、いのちのたまを持って、先制の爪を発動させて先に殻を破るを使ったドーブル(元々とくぼう実数値4)に対して、最大威力しおふきを使うと、乱数が0.97のときにダメージが65535になります。
65535ダメージを1行動で実現する方法 概要
記事の本題です
「改善点1への回答」として、さきほどのとおり、以下のようなことをします。
(再掲)
ハドロンエンジンミライドン(レベル98・とくこう実数値327)が、登場時にハドロンエンジンにより展開したエレキフィールドがある状態で、コイキング(とくぼう実数値4)に対して、イナズマドライブを使うと、急所に当たって乱数が0.94のときにダメージが65535になります。

もう少し詳しく、攻撃の瞬間の構成要素を並べていきながら書くと、こうです。
元々のとくこう実数値が327である
レベル98のミライドンが
エレキフィールドで強化された
弱点をつくとダメージが増える技である
イナズマドライブを
でんき弱点の
とくぼう実数値が4であるポケモン(コイキング)に対して使い、
急所に当たると、
乱数が0.94のときに
ダメージが65535になる
短縮版説明:D4コイキングへの、Lv98C327ミライドンのハドロンエンジン込みの急所EFイナドラで、乱数0.94なら65535ダメージになる
65535ダメージを1行動で実現する方法 実演
上記のミライドンとコイキングで対戦して、急所を引くだけで、実演完了になります。


ミライドンの持ち物が自由なので、ピントレンズを持ちます。これにより急所ランクが+1になり、1/24ではなく1/8の確率で急所に当たるようになります。1/8を引くまで試行を繰り返します。急所が出るのを待ちます。
本来は乱数が0.94である必要もあるのですが、乱数がなんであろうと観測結果が同じで何が出たか確かめることはできず、何回繰り返しても0.94が出たと確定するわけではないため、無視します。
実演しました。

以下投稿の動画です。ミライドンを繰り出すところからコイキングが倒れるところまで、Switchの30秒録画にうまく収まりました。
#ポケモンSV の #最大ダメージ学会 記事です。動画の状況で乱数が0.94のとき、最大ダメージ(overflow考慮)が出ます。1手でいけます。
— テツポンド (@tetspond) 2025年12月7日
(撮影協力:ノムトラさん @nom_Dre )
【ポケモン】オーバーフローを考慮した場合の最大ダメージ65535を1行動で実現する方法https://t.co/DJiYvXhXZm pic.twitter.com/MN0c4XJYGn
ノムトラさんに撮影協力していただきました(ノムトラさん、ありがとうございます!)。8回目くらいで急所が出ました。
変身関係の行動をカウントしないなら、下記記事のメタモンや野生のメタモンにコイキングに変身してもらうことでも実現できます。
【ポケモンSV】シングルバトル検証用 メタモンを使うトレーナー「研究員のオウジロウ」 - テツポンドのブログ
65535ダメージを1行動で実現する方法 ダメージ計算
どのようなダメージ計算で65535にたどり着くのかについて、書きます。
基礎ダメージの計算
ダメージの基礎部分は以下の式で計算されます。
(((レベル×2/5+2)×威力×A/D)/50+2)
※かっこ内を計算するたびに小数点以下切り捨て
<レベル関係>
ダメージ計算の中でレベルに関係する部分は、レベル* (2/5) +2 であり、
98*2/5+2 = 39.2 + 2 = 41.2
41となります。
<とくこう>
元々のとくこう実数値は、レベル98無補正112振りで実数値327になっています。
ダメージ計算時のとくこう実数値は、元々のとくこう実数値にランクに応じた倍率をかけて切り捨て、補正値/4096をかけて五捨五超入して、求めます。
今回、ランク補正はありません。
エレキフィールドがあることによりミライドンの特性ハドロンエンジンが発動するため、補正値は4096*5461/4096=5461になり、ダメージ計算時のとくこう実数値は、327 * 5461/4096 = 435.97...→小数点以下五捨五超入で436となります。
<とくぼう>
元々のとくぼう実数値は、努力値無振りで下降補正をかけることで4になっています。
とくぼうは変化せず、そのまま4です。
<威力>
イナズマドライブの元々の威力は、100です。
ダメージ計算時の威力は、元々の威力に補正値/4096をかけて五捨五超入して、求めます。
エレキフィールドがあることによりでんきタイプの技の威力が上がり、補正値は4096* 5325/4096=5325になり、ダメージ計算時の威力は、100 * 5325/4096 = 130.004...→小数点以下五捨五超入で130となります。
<全体>
((レベル×2/5+2)×威力×A/D
※かっこ内を計算するたびに小数点以下切り捨て
を計算します。
41 * 436 * 130 / 4
= 580970
(((レベル×2/5+2)×威力×A/D)/50+2)
※かっこ内を計算するたびに小数点以下切り捨て
を計算します。
580970/50+2
= 11619.4 +2
= 11621.4 →小数点以下切り捨てで11621
この11621が、このあとの各種補正の効果を受けて65535に変わります。
ダメージ補正
各種補正の効果を乗せていきます。
1つずつ見ていきます。範囲補正や天候補正や火傷補正など、関係がない補正は省略しています。
<急所補正>
今回は急所に当たっているため、急所補正を受けます。
処理:1.5倍して小数点以下五捨五超入
計算:11621 * 1.5 = 17431.5 →小数点以下五捨五超入で17431
<乱数補正>
0.85~1.00の乱数のうち、今回は0.94が選ばれたものとします。
どれが選ばれていても観測結果は一緒であるため、0.94が選ばれたかどうかを確認するすべはないのですが、それゆえ、1/16を引くための試行を重ねずに0.94が選ばれたものと仮定して話を進めても許されることにします。
処理:0.94倍して小数点以下切り捨て
計算: 17431 * 0.94 = 16385.14 →小数点以下五捨五超入で16385
<タイプ一致補正>
技の使用者のタイプと技のタイプが一致しているため、タイプ一致ボーナス1.5倍がかかります。普段は便宜上威力にかけられることが多いですが、厳密には威力と離れたところで計算されます。
処理:1.5倍して小数点以下五捨五超入
計算:16385 * 1.5 = 24577.5 →小数点以下五捨五超入で24577
<タイプ相性>
でんきタイプ→みずタイプは効果バツグンです。このタイプ相性によりダメージが倍になります。
処理:2倍
計算:24577 * 2 = 49154 →そのまま49154
<ダメージ補正値>
その他のダメージ補正値がここでかかります。今回は、イナズマドライブの効果による補正だけです。イナズマドライブは弱点をつくとダメージが増えます。
イナズマドライブの効果だけであるため、補正値は4096 * 5461/4096 = 5461になります。
処理:5461/4096倍して五捨五超入
計算:49154 * 5461/4096 = 65534.6665... →小数点以下五捨五超入で65535
このようにして、1手で65535ダメージになりました。
65535ダメージを急所なし2行動で実現する方法
「改善点2への回答」である、カイオーガによる、急所なし2行動で実現する65535ダメージについても、軽く数値を紹介します。
(再掲)
あめふらしカイオーガ(レベル95・とくこう実数値385)が、登場時にあめふらしにより展開した雨がある状態で、いのちのたまを持って、先制の爪を発動させて先に殻を破るを使ったドーブル(元々とくぼう実数値4)に対して、最大威力しおふきを使うと、乱数が0.97のときにダメージが65535になります。
レベル95カイオーガは、個体値31ひかえめC132振りで、とくこう実数値が385になります。
実数値4のポケモンがランク-1になると、4*2-3=2.66...であるため、小数点以下切り捨てで実数値2になります。このように、一桁のステータスだとランク-1で実数値が半分になるという珍事が起きることがあります。
レベル関係値40、威力150、とくこう385、とくぼう2であるため、補正前ダメージが23,102になります。
あめでみずタイプの技を使ったことによる天候補正1.5倍(五捨五超入)、
乱数補正0.97倍(切り捨て)、
みずタイプがみずタイプの技を使ったことによるタイプ一致補正1.5倍(五捨五超入)、
いのちのたまによりダメージ補正5324/4096倍(五捨五超入)を経て、
最終的なダメージが65535になります。
短縮版説明:D-1のD4ドーブルへのLv95C385オーガの雨珠潮吹きで、乱数0.97なら65535ダメージになる
数値の組み合わせの見つけ方
65535になるような数値の組み合わせを見つけるときは、ChatGPT 5.1 の力を借りました。ChatGPTのプログラミング能力と自分のポケモン知識をかけあわせて、答えにたどり着きました。
「最終的に自分で比較的簡単に検算できるけど、探すのは難しい」というこの手のタイプの問題は、生成AIとの相性が良いです。2年前のChatGPTだとこういう数値探索は無理だったと思うので、進化の速さを感じます。
最初
ダメージ計算を、「数値に対して、複数の選択肢がある数値の操作を重ねて、最終的な数値を算出する行為」と捉えて、まず以下のような指示文章を考えました。
30000以下の整数に以下の操作をして、65535を作り出したい。どのように操作すればいい?
① 1か1.5をかけて小数点以下切り捨て
② 1か1.5をかけて小数点以下切り捨て
③ 0.85、0.86、0.87、0.88、・・・0.99、1.00のどれかの小数をかけて小数点以下切り捨て
④ 1か1.5か2か2.25をかけて小数点以下切り捨て
⑤ 1か2か4をかける
⑥ 4915か5461か5324か6144をかけて4096でわって小数点以下五捨五超入
(追加指示)初期値は、42以下の整数×300以下の整数×700以下の整数/1から4の整数 の結果の小数点以下を切り捨てたあと、50でわって小数点以下切り捨てし、2を足した数である必要があります。
※それぞれの操作が、ダメージ計算の1ステップを表しています。最後の⑥の4915は「たつじんのおび(約1.2倍)」、5461は「イナズマドライブ/アクセルブレイクの効果(約1.33倍)」、5324は「いのちのたま(約1.3倍)」、6144は「スナイパー(約1.5倍)を指しています。整数を2倍にしても65535にはならないので、2倍にするダメージ補正は用意していません。
※乱数で0.85が漏れるミスをしていたのでそれを直して掲載しています。
これで出てきた数値の組み合わせを実際に実現可能かどうかを確かめながら、制約を追加していきます。例えば、実際には、ここでいう②で1.5(雨などによるダメージ増加)を選ぶことと、⑥で5461(イナズマドライブなどによるダメージ増加)を選ぶことは両立できません。そこで、「②で1.5を選ぶときは⑥で5461を選ばないで」ということを指示に付け加えます。
これを続けていき、急所なし2行動で実現するための数値の組み合わせが見つかりました。
カイオーガ
最終的に、追加制約を重ねて以下のような指示を出している状態になると、この記事で紹介した、カイオーガによる急所なし2手65535ダメージを実現する組み合わせが見つかります。
やみくもに探すよりも、ポケモン知識を使って制約を次々課していったほうが、実現できる数値に早くたどりつきやすいと思います。ここでは、整数bをカイオーガが覚えるみずタイプの技の威力に限定しました。
(カイオーガで実現することを想定した場合の良い指示の例)
以下の条件のもとで、最終結果として 65,535 を作りなさい。
ブロック1
① 用いる整数 a は 40~42 の範囲の整数 とする。
② 用いる整数 b は 50, 60, 80, 90, 110, 150 のいずれかのみ認める。
③ 用いる整数 c は 100~438 の整数 とする。
④ a×b×c を 2~5 の整数で割り、小数点以下切り捨て とする。
⑤ ④の結果を 50 で割り、小数点以下切り捨て とする。
⑥ ⑤の結果に 2 を足す。これを ブロック2の入力値 N₀ とする。
ブロック2
N₀ に対して以下の操作を順に行う。
① 1 または 1.5 をかけて小数点以下切り捨て
② 1 をかけて小数点以下切り捨て
③ 0.85 ~ 1.00 のいずれかの小数をかけて小数点以下切り捨て
④ 1 または 1.5 または 2 をかけて小数点以下切り捨て
⑤ 1 または 2 または 4 をかける
⑥ ⑤の結果に対して 4096 か 4915 か 5324 をかけ、
その後 4096 で割り、小数点以下五捨五超入 する。
※追加制約
・⑥で 4915 を選ぶ場合は、⑤で 1 は選んではならない
ちなみに、この設定だと、ブロック2を満たすN₀は23102だけ、ブロック1の結果が23102になる組み合わせも既存のものだけということで、既存の解が唯一の解のようです。(これは検算していないので、ChatGPTのpythonコードとその処理を信じます。)
少し実現できる範囲で縛りを緩めれば他の解が見つかるかもしれませんし、
急所ありでよければ、[レベル100、C416、タイプ一致雨珠急所なみのり、乱数0.95]など、いろいろな組み合わせがあります。
ミライドン
今度は、1手65535ダメージを探します。
1手ということで、相手のぼうぎょorとくぼうは、元々のとくぼうの最低値である4を使わなければいけません。2手のときのように実数値4を先制の爪殻を破るによるランク-1で実数値2にするという手段を取れないのです。
a×b×cを”4”で割ることを固定にし、調べてもらいました。
探す中で、「5461にする場合、1-2は100か120か130か156である必要があります」という条件を付しました。これは、最後のダメージ補正の5461は、ミライドンのイナズマドライブかコライドンのアクセルブレイクでしか発生しないことによるものです。
・素のイナズマドライブ
・プレートイナズマドライブ
・エレキフィールドイナズマドライブ
・エレキフィールドプレートイナズマドライブ
の4種を用意しました。
後から考えると、ものしりメガネの1.1倍も考えるべきでしたし、エレキフィールドを除去するのは難しいのでエレキフィールドは前提とするべきでした。つまり、130,143,156のどれかという指示を出すのが良かったです。
以下のような指示をすると、数値の組み合わせが出てきます。
(ミライドンのイナズマドライブで実現することを想定した場合の指示の例)
以下の条件のもとで、最終結果として 65,535 を作りなさい。
ブロック1
① 用いる整数 a は 40~42 の範囲の整数 とする。
② 用いる整数 b は 130, 143, 156 のいずれかのみ認める。
③ 用いる整数 c は 200~540 の整数 とする。
④ a×b×c を 4~6 で割り、小数点以下切り捨て とする。
⑤ ④の結果を 50 で割り、小数点以下切り捨て とする。
⑥ ⑤の結果に 2 を足す。これを ブロック2の入力値 N₀ とする。
ブロック2
N₀ に対して以下の操作を順に行う。
① 1 をかけて小数点以下切り捨て
② 1 または 1.5 をかけて小数点以下切り捨て
③ 0.85 ~ 1.00 のいずれかの小数をかけて小数点以下切り捨て
④ 1.5 または 2 をかけて小数点以下切り捨て
⑤ 1 または 2 または 4 をかける
⑥ ⑤の結果に対して 4096 か 5461 をかけ、
その後 4096 で割り、小数点以下五捨五超入 する。
※⑥で5461を選ぶなら⑤で1を選んではいけない。
指示を与えるといくつか組み合わせが出てきますが、実際にそれが実現できるかには注意が必要です。ハドロンエンジン補正後の値が整数cであるため、すべての整数を表現できるわけではなく、具体的には4n+2の整数は整数cにできません。そういうのを取り除くと、上の指示の場合、以下が残りました。
1つ目 40*130*472(※元々354)/4 の計算から補正前ダメージ12274とし、乱数0.89を使って65535にする
2つ目 40*156*503(※元々377)/5 の計算から補正前ダメージ12556とし、乱数0.87を使って65535にする
3つ目 41*130*436(※元々327)/4 の計算から補正前ダメージ11621とし、乱数0.94を使って65535にする
急所補正1.5倍とタイプ一致補正1.5倍とタイプ相性2倍とイナズマドライブ補正は共通です。
急所を出したい都合上、持ち物をピントレンズにできると急所率が1/8になって嬉しいので、持ち物枠はピントレンズに回したく、そうなると、プレートいらずの1つ目・3つ目が良いです。
ということで、以下の2案が最後まで残りました。
レベル98個体値31努力値112性格補正なしによるとくこう実数値327(今回の記事で採用したもの)
レベル95個体値31努力値132性格補正ありによるとくこう実数値354
整数aの下限をもっと下げれば、まだもういくつか見つかるかもしれません。
ここで5年前の「 スナイパーオクタン(レベル100・とくこう実数値335)が、先制の爪を発動させて先に殻を破るを使ったカメテテ(とくぼう実数値4)に対して、しおふきを使うと、急所に当たって乱数が0.92のときにダメージが65535になります。」というの組み合わせを思い出すと、上に書いたようなやり方に頼らずにこれを見つけたのすごいなーとあらためて思います。
翌週追記 急所なし1行動で65535ダメージ実現
他の方が急所なし1行動で65535ダメージを出す方法を発見しました。怠け者さんという方で、以下の記事にそれが書かれています。
<実現方法1 概要>
1手であることは変えずに、場に出すポケモンの数を増やすことで、使えるダメージ補正の幅を増やして、65535ダメージを急所なしで出していました。攻撃側のタイプ一致補正を変えるためにテラスタルを使っています。
<実現方法2 概要>
ポケモンGOでのみ手に入れることができる、"レベル進化するポケモンのレベル1個体"に攻撃することによって65535ダメージを急所なしで出していました。防御側の耐性を変えるためにテラスタルを使っています。
<実現方法2 ダメージ計算 検算>
攻撃役:Lv93C374ミライドン でんきテラス
攻撃 :エレキボール(威力150) 急所なし 乱数0.96
最終的なとくこう実数値は、ハドロンエンジンとこだわりメガネの効果で補正値が8192になるため、374*8192/4096=748となります。レベル93控えめ240振りでもともとの実数値を374にします。
最終的な威力は、エレキフィールドの効果で補正値が5325になるため、150*5325/4096=195.007.. の小数点以下五捨五超入で195となります。エレキボールの元々の技威力は、ミライドンのすばやさが防御側の4倍以上であるため、150となっています。
最終的なとくぼう実数値は、5のままです。今回の防御側に持たせたい特性を持つSVのポケモンだと、とくぼうの最低値は5です。
レベルに関する項は、93*2/5+2=37.2+2=39.2 の小数点以下切り捨てで 39となります。
基礎ダメージは、39*195*748/5 が1137708であるので、1137708/50+2 = 22754.16 +2 = 22756.16 の小数点以下切り捨てで 22756 です。
乱数補正は、0.96であるので、22756*0.96 = 21845.76 の小数点以下切り捨てで 21845
タイプ一致補正は、元タイプとテラスタイプと攻撃技タイプが一致しているため8192/4096であるので、21845 * 8192/4096 = 43690
タイプ相性は、みずタイプに対するでんきは効果バツグンであるため、43690*2 = 87380
最終ダメージ補正は、ハードロックの効果で補正値が3072となるため、87380*3072/4096 = 65535
以上により、65535ダメージとなります。
<実現方法2 実演>
記事を書いた本人とお話しして、「ミライドンはこちらで準備できるので、もしレベル1ドサイドンやレベル1バクーダが手に入り気が向いたらお声掛けください。」と言ったら、すぐ「レベル1バクーダをGTSで入手できました。やりましょう。」ということになり、やりました。
以下の動画が、実演したものです。"ミライドンの開幕の特性発動→互いのテラス→攻撃"だけです。
※今後のこの個体のミライドンの取りうるレベルの範囲を広げるため、レベル94ではなくレベル93にしています(ダメージ計算のレベルの項にはどちらでも影響はないです)。
<感想>
シングル前提で考えてしまっていたこと、ハードロックorフィルターが進化後ばかりでそこで諦めてしまっていたことが、自力で気がつけなかった原因です。反省……
ただし、テラスタルを用いない・30秒にすべてが収まるなど、ミライドンVSコイキングの強みも確かに存在はするので、完全な下位互換にはなっていません。
おわりに
1行動で実現できるかどうか分からないまま調べはじめたのですが、見つかりました。嬉しいです。5年前だと、ポケモンのプールからしても個人の探索能力からしても、見つけられなかったと思います。時の流れを感じます。ミライドン×AI で実現しているのがまさに未来!って感じです。
お読みいただきありがとうございました。
組み合わせを見つけるところは生成AIにやってもらいましたが、結局、たくさんの検算と1万字超の記事のかたちに整えるところは人力でやったので、頑張りました。
この記事が楽しかったら、以下のオーバーフロー関係の記事も楽しめると思うので、並べておきます。どれも数少ない日本語文献です。
ダメージオーバーフローの基礎
【ポケモン】今も存在するダメージオーバーフロー 16bit編 〜最小ダメージである"0ダメージ"を与える〜 - テツポンドのブログ
【ポケモン】今も存在するダメージオーバーフロー 32bit編 〜計算過程で約42億以上の値を出してダメージを小さくする〜 - テツポンドのブログ
ダメージオーバーフローの体験
【ポケモンSV】一人で簡単にできるダメージオーバーフロー実験 〜約300万ダメージを耐えてもらおう〜 - テツポンドのブログ
ダメージオーバーフローのプレイへの影響
【ポケモンSV】テラレイドバトルで意図せず発生する観測可能なダメージオーバーフロー - テツポンドのブログ
ダメージ以外のオーバーフロー
【ポケモン】てんのめぐみ+にじ+チャージビームのオーバーフロー後の追加効果発生確率はおそらく25ではなく24である理由 - テツポンドのブログ
他の方(ノムトラさん)の動画ですが、以下もダメージ以外のオーバーフローです。リンクを貼ります。ターンカウントのオーバーフローを利用して、1匹のポケモンが1ターンにクロスフレイムとクロスサンダーを使ったことにします。
(宣伝)
2週間後に仲間大会を開きます。
【 ポケモン仲間大会 開催告知 】 #かなしばり1on1
— テツポンド (@tetspond) 2025年11月30日
2025年12月20日(土) 21:00~22:59に ポケモンSV 仲間大会 「 かなしばり1on1 」を開催します!
"かなしばり"と”わるあがき”しか使えない特殊な1on1です。皆様のご参加お待ちしています! #ポケモンSV #仲間大会 pic.twitter.com/S0aAFDnd5u
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