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【ポケモン】どくどくの仕様を利用した必中一撃必殺の実用化考察

 どくどくをどくタイプが使うとそのターンの技が必中になる仕様を利用して一撃必殺技を必中で放ちたい!

 

 ※追記

 今回扱った、どくタイプがどくどくを使うとターン終了まで必中状態になれるという仕様は、2020/12/22のソードシールドver1.3.1へのアップデートによって修正されました。よって、この記事で扱った戦術は、現在使うことができません。

 

はじめに

 技「どくどく」は相手をもうどく状態にする技です。

 どくどく - ポケモンWiki

 第六世代以降、どくタイプのポケモンが技「どくどく」を使うと、必中になります(相手が「そらをとぶ」などで消えていても命中)。ところが、この必中効果はそのターンの間残るようなのです。

 特別な方法を使ってどくタイプのポケモンに1ターンにどくどく→他の技の順番で他の技を出させると、他の技も必中になります。

 追記:この現象は、あられ中のふぶき(必中)やスピードスター(常時必中技)では起きないことが確認されました。

 

 今回は、この現象について、実用化の考察をしていきます。

 

 追記:この仕様の情報がどのように知られていったのかについては、以下の記事をご覧ください。

tetspond.hatenablog.com

 

目次

 

 

考察① 実用性を持たせたい

 

 どくどくの必中効果を利用するためには、そのターンに他の技を出す必要があります。現在、それを可能にする方法は3つあります。

 以下すべて、どくどくを使うのはどくタイプとします。

A 技「さいはい」の効果で前のターンに使った「どくどく」を使わせてから、他の技を使う

B マジックコート状態によって、自分に対して使用された「どくどく」を反射して(どくどくを使用した扱いになる)から、他の技を使う

C 「どくどく」を使ったターンに技「みらいよち」の攻撃が起きる

 

 Cですが、みらいよちが必中であたることにはあまり実用性がありません。みらいよちの命中率は100なので、基本的には消えている相手にも当たるという恩恵しかありません。

 好きな技を必中でうちたいところです。実用性を求めるならAかBになります。

 

 Bですが、技「マジックコート」によってもマジックコート状態になることはできますが、マジックコート状態になるために自身がそのターンマジックコートを使う必要があるため、他の技を出すことができません。よって、常時マジックコート状態になる特性「マジックミラー」を用いるしか方法はありません。

 

 以上から、Aのさいはい軸か、Bのマジックミラー軸で考えていくことになりました。

 

 次に、必中で使う技をどうするかですが、必中でうつのなら…

 やはり、必中させたいのは一撃必殺技です。

 

  必中一撃必殺を放つポケモンについては、どくタイプで一撃必殺技を使えるのがニドキング系統だけなので、ニドキングまたはニドリーノ(持ち物しんかのきせき)になります。

 

  

実用化案① さいはい&トリックルーム

 ヤレユータンの専用技「さいはい」 を利用します。行動順調整はトリックルームを使います。仕様発見ツイートの動画の中で行われていた方法をもとにしました。

 

行動手順

1ターン目

ニドキング どくどく(敵Aへ)

ヤレユータン トリックルーム

 

2ターン目

ヤレユータン さいはい(ニドキングへ)

ニドキング (つのドリルを技選択)

さいはいでニドキングがどくどく(直前に使用した技)を出す。

ニドキングのつのドリルで敵(敵A以外)を必中一撃必殺で撃破

 

3ターン目

ヤレユータン まもる

ニドキング どくどく

 

以降2~3ターン目の繰り返し。

 ニドキングが倒れ次第、ニドリーノが代わりを担い、3ターン目の動きから続けます。

 もし相手が無抵抗なら、2,4,6ターン目に敵B,C,Dが必中一撃必殺で倒れ、敵Aももうどく状態によって6ターン目に倒れます。(2021/10/3 追記 5ターン目でトリックルームが終わるので行動順の関係で6ターン目は必中一撃必殺をできなかったです。訂正します。)

 

メンバー

 すべて、最遅&とりあえずHBD/(B+D)最大化にしています。実数値などは感覚をつかめるようにするための例です。

 ステータス関連は、HP・こうげき・ぼうぎょ・とくこう・とくぼう・すばやさの順になっています。

 

ヤレユータン

努力値:252-0-236-0-20-0

性格:のんき

実数値:197-x-143-110-133-58  

技 さいはい、まもる

 

ニドキング

努力値:252-0-100-0-156-0

性格:のんき

実数値:188-122-121-105-115-81

技:どくどく、つのドリル

 

ニドリーノ

持ち物:しんかのきせき

努力値:252-0-132-0-124-0

性格:なまいき

実数値:168-92-94(141)-75-100(150)-63

技:どくどく、つのドリル

 

実用性検討

 2ターンの計4回行動で相手を一体倒すわけで、その4回の行動のうちどれか1つができなかっただけで崩れるため、実用性は高くありません。

 かげふみなどの交代できない状態+フリーザーのこころのめ→必中ぜったいれいどのコンボの方が手数が少なく済みます。

 

 

実用化案② さいはい&すばやさ調整軸

 同じくヤレユータンの専用技「さいはい」 を利用しますが、行動順調整はすばやさ調整で行います。すばやさをヤレユータンニドキングにします。

 

行動手順

1ターン目

ヤレユータン まもる

ニドキング どくどく

 

2ターン目

ヤレユータン さいはい(ニドキングへ)

ニドキング (つのドリルを技選択)

さいはいでニドキングがどくどく(直前に使用した技)を出す。

ニドキングのつのドリルで敵を必中一撃必殺で撃破

 

以降1~2ターン目のくりかえし。ニドキングが倒れたらニドリーノが代わりに登場します。

 

メンバー

ヤレユータン

努力値:212-0-44-0-0-252

性格:おくびょう

実数値:192-x-106-110-130-123

 

ニドキング

努力値:252-0-92-0-116-44

性格:ようき

実数値:188-122-109-94-110-122

 

ニドリーノ

持ち物:しんかのきせき

努力値:212-0-36-0-52-204

性格:ようき

実数値:163-92-82(123)-67-82(123)-122

 

実用性検討

 先ほどの実用化案①に比べると、ヤレユータンが1ターン目にまもるを使えるのでヤレユータンが生き残りやすいという長所があります。短所は、先ほどと違い先手をとるためにはすばやさを高くしないといけないため、その分耐久が低くなっているところです。

 

 

実用化案③ マジックミラー軸 (本命①)

 特性「マジックミラー」をニドキングに「スキルスワップ」で移し、その後横からニドキングにどくどくをうち反射させます。どくどく役は最速ニドキングよりも高いすばやさにします。

 

行動手順

1ターン目 

エーフィ ニドキングスキルスワップ

ニドキング みがわり

敵の攻撃でエーフィのだっしゅつボタンが発動して、ドラピオンに交代

ニドキングのじしん・じならしで発動させる手もあり)

 

2ターン目以降

ドラピオン ニドキングにどくどく

ニドキングのマジックミラーでドラピオンに反射・どくどく使用扱い)

 ニドキング つのドリル(必中)

 

メンバー

エーフィ

特性:マジックミラー

持ち物:だっしゅつボタン

最速のすばやさ実数値178

技:スキルスワップ

 

ドラピオン

特性:カブトアーマー

努力値:252-0-0-0-76-180

性格:ようき

実数値:177-110-130-72-105-151

技:どくどく

 

ニドキング

努力値:252-0-0-0-4-252

性格:ようき

実数値:188-122-97-94-96-150

技:みがわり、つのドリル、(じならしorじしん)

 

実用性検討

 こちらは、最初の手順を踏んだあとは1ターンに一体倒すことができます。

 マジックミラー軸の場合、さいはい軸よりはまだ実用性があるように思います。

 

 

実用化案④ マジックミラー&スカーフ軸 (本命②)

 先ほどの案を改良して、ニドキングこだわりスカーフを持たせてみます。どくどく役は、どくどく没収を免れた高速ポケモンアギルダーです。

 

行動手順

1ターン目

ニドキング つのドリル(命中30%)

エーフィ ニドキングスキルスワップ

敵の攻撃でエーフィのだっしゅつボタンが発動して、アギルダーに交代

 

2ターン目以降

アギルダー ニドキングにどくどく

ニドキング つのドリル(必中)

 

メンバー

エーフィは同じなので省略

 

アギルダー

持ち物:きあいのタスキ

努力値:68-0-172-0-12-252

性格:おくびょう

実数値:164-x-82-120-82-216

 

ニドキング

持ち物:こだわりスカーフ

努力値:252-0-20-0-36-204

性格:ようき

実数値:188-122-100-94-100-143(214)

 

実用性検討

 最速ドラパルト(実数値213)を抜くことができ、2ターン目以降は毎ターン相手を行動前に一体倒すことができそうです。

 アギルダードラピオンと違ってどくタイプではないので、マジックミラーで跳ね返ってきたどくどくを無効化できないのが難点です。2ターン目には毒ダメージが入りきあいのタスキが発動しなくなるため、3ターン目には倒されそうです。

  過去作技が使用可能か第六・七世代の場合は、アギルダーの代わりに特性いたずらごころを持つポケモンにどくどくを使わせれば、ニドキングを最速(スカーフですばやさ225)にすることができます。

 

考察② 実用性はあるか(全体検討)

 

 個別の検討で書いたように、さいはい軸の場合は4回の行動で一体を倒すのでわりに合いません。しかし、マジックミラー軸の場合、1回の行動で準備をすれば、以降2回の行動で一体を倒せます。

 マジックミラー軸ならば対人戦で成功させることができる場合がありそうです。

 

 ただし、ノーガード一撃必殺の劣化にならないかは微妙なところです。ノーガード一撃必殺パーティーならば、1ターンの2回の行動で準備すると、以降1回の行動で一体を倒せます。

(ノーガードカイリキーのバレットパンチ・さまようたましいデスバーンのレッドカードスキルスワップ・2体の一撃必殺役)

 そのノーガード一撃必殺でさえも、 第七世代には「なりきり絶対零度アローラキュウコン」がいたわけですが、そこまで猛威を振るったわけではありません。 また、第八世代では、ダイマックス状態のポケモンに一撃必殺は無効であるため、 必中一撃必殺の実用性が低下しています。

 

 ロマンを求めて対人戦で再現することはできなくもないけれど、勝利を目指すのは難しい、といったところです。

 

 

考察③ バグか否か

 

 どくどくの必中効果が他の技にも及ぶのが、「製作者側が想定していない動作」であるなら、バグと言えます。

 一方、どくどくの正式な仕様が「どくタイプが使う場合、どくどく使用直前からターン終了時まで技が必中になる」であると解釈すると、他の技の必中はバグではないとも言えます。

 

 特性「ちからずく」のポケモンが道具「いのちのたま」を持って、追加効果がある技を使った場合、いのちのたまのダメージが発生しないという現象があります。この現象はバグっぽいですが、第五世代の頃から10年以上修正がありません。

 今回の現象も同じように、強すぎるわけでもないので、バグなのかどうか微妙なまま修正なしで続くのだろうと思います。

 

 バグか否かの話について興味がある方は、こちらのとも湯さんのちからずく検証動画(https://youtu.be/TmEQ2GNBgY4)のコメント欄などで議論があるので興味があれば見てみることをお勧めします。

 

 追記

 2020/12/22のアップデートで、修正されました。世代を跨がないうちに修正されたことで、公式がバグだと認識したことが明らかになりました。最近、ころがるばけのかわバグもそうですが、世代の途中で修正が入るようになりました。アップデート機能がある最近のゲームらしさがあります。

 ちからずくいのちのたまは、いまだに直されません。プログラムとして直すのが難しそうという話が上記動画のコメント欄にありました。面倒なので、他がいろいろ直されている中でも仕様としてそのままにしているのでしょうか…。

 

 

おわりに

 

 この現象が日本で話題になるきっかけとなった和訳ツイート (https://twitter.com/monja49/status/1321941675707564034 )の引用リツイート一覧を見ましたが、修正確実、バランス崩壊、ニドキングの時代など過大評価の声が多かったです。初出の英語ツイート (https://twitter.com/DaWoblefet/status/1321880702074454019)での案のように4ターンフリーで行動できる場合なら、より強い頑丈ヌケニンなども作れますし、ロマンギミックが意外と少ない手順で実現できることがあまり知られていないことを感じました。

 改善していくらか実用性は増しましたが、そこまで強いわけでもないという結果です。 

 それでも、このような新しい仕様が見つかることはワクワクします。考えるのは楽しかったです。

 

 お読みいただきありがとうございました。

 仕様の穴をつくのが好きな方はこちらもどうぞ。

tetspond.hatenablog.com 

 

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