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【ポケモン剣盾ダブル】トリックルーム(の常識)破壊ルチャブル 〜すばやさ1808を超えてトリックルーム中に先制シザークロス!〜

すばやさ1809以上になってトリックルームを無視して先制攻撃したい!

ゲームでもルチャブルトリックルームを突破したい!

 

すばやさが1808を超えているルチャブルトリックルーム中)

 

 

はじめに

 

 ポケットモンスターソードシールド ダブルバトル

 

 トリックルームの計算式の都合で、とてもすばやさが高いポケモントリックルーム中に一番最初に行動するという面白い現象があります。

 これを実戦で起こそうとしたパーティー「対トリルギミック "次元突破ルチャブル"」の構築記事です。

 

 

 

 

 

前提知識 アニメのルチャブルトリックルーム

 

 第六世代の頃のアニメポケモンポケットモンスターXY」第74話のクノエジム戦の回にて、ルチャブルトリックルームをシザークロスで破壊するということが起こりました。

 検索すると当時それを取り上げたサイトがいくつか出てくる程度には有名です。

 

 このように、アニメでトリックルームおよびトリックルームは壊せないという常識を破壊したルチャブルが、今回ゲームでトリックルームの常識を破壊します。

 

 

 

コンセプト

 

トリックルームがあってもなくても先制するすばやさ1809~8191の範囲に到達して、相手を驚かせよう!

 

アニメでルチャブルトリックルームを破壊した事件をゲーム上で再現しよう!

 

 

今回注目する仕様について

 

 トリックルーム(以下トリル)中は「"10000 - すばやさ"を8192で割った余り」が大きい順に行動するという処理になっています。

 この仕組みの結果、「すばやさ10なら1798 すばやさ200なら1608」というように値が計算されて、この場合は前者が先に行動します。このようにして、トリル中は普通"通常時のすばやさ"が遅い順に行動します。

 しかし、すばやさが1808を超えて1809以上になると、10000からすばやさを引いた値が8192を下回るようになり計算結果の値が大きくなります(すばやさ1812なら8188)。このように、トリル中でもすばやさ1809~8191だとすばやさ0(計算結果1808)のポケモンより先に行動します。

 つまり、「めっちゃすばやさを上げればトリックルームがあっても一番最初に行動できる」というわけです。このブログではこれを「1809現象」や「次元突破」などと呼んでいます。

 これを実戦でやってみます。やり方は次の項で。

 

 ちなみに、1808を境に行動順が変わるこの現象は一部の人によってオーバーフローとして広められていますが、(オーバーフロー=桁溢れとするなら)オーバーフローではないです

 この現象が話題になったとき、オーバーフローではないというツイートがいくつかありましたが、焼け石に水。オーバーフローという言葉のインパクトとともに情報が発信されることが多く、トリックルームオーバーフローとして多くの人の目に止まってしまいました。

 むしろ通常範囲内のすばやさでのトリル計算のほうがオーバーフローっぽい感じが。

 

 

理論的な話などを過去にいくつか記事書いてます

tetspond.hatenablog.com

 

 一番詳しくこの仕様について説明している記事は、本ブログの初投稿記事である下記記事です。

【ポケモン】最速デオキシスがトリックルーム中に最初に行動 知られていないすばやさと行動順の仕様 #1809現象理論編 - テツポンドのブログ

 

 

 

 

やり方

 ギミックの手順・仕組みを書きます。

 

 

手順1:エルフーンがポットデスに「ふくろだたき」

ポットデスの特性「くだけるよろい」が発動して防御4段階下降すばやさ6段階上昇

ポットデスの持ち物「じゃくてんほけん」が発動して攻撃2段階上昇特攻2段階上昇

 

手順2:ポットデスがルチャブルに「バトンタッチ」

ルチャブル攻撃特攻2段階上昇すばやさ6段階上昇が引き継がれる

ルチャブルの持ち物「しろいハーブ」が発動して、防御4段階下降がなくなる

ルチャブルの特性「かるわざ」が発動して、持ち物を消費したのですばやさが2倍になる

 

ここまでが1ターン目のこちらの動き

ここで相手が「トリックルーム」を使ってくると想定

ここからが次のターン(2ターン目)

 

手順3:エルフーンが「おいかぜ」

味方がおいかぜ状態になり、ルチャブルすばやさが2倍になる

 

 

それではこのルチャブルのすばやさを計算してみましょう。

 

計算1 元の値

ルチャブルの元々のすばやさ実数値は139

 

計算2 ランク補正

すばやさランク6段階上昇 4倍

139 * 4 = 556 

 

計算3 その他補正

かるわざ 2倍

おいかぜ 2倍 合計4倍

556 * 4 = 2224

 

計算4 まひ補正

まひではないのでそのまま

 

ルチャブルのすばやさは「2224」

 

 

手順4:ルチャブルが攻撃

ルチャブルのすばやさは2224なので、"10000 - すばやさ"を8192で割った余りは10000-2224=7776<8192より7776

相手の場にすばやさ0のツボツボ(参照【ポケモン】実現可能なすばやさの最大値・最小値はいくつ? )がいたとして、"10000 - すばやさ"を8192で割った余りは10000-0=10000,10000を8192で割ると1余り1808なので1808

7776 > 1808。相手の場にいる鈍足ポケモンより値が大きいので、トリックルーム中にルチャブルが一番最初に行動する

ルチャブルダイマックスして攻撃2段階上昇かつ先制攻撃で相手を倒していく

 

 

一度エフェクトを見てみたくてギミック成功時に放ったルチャブルのシザークロス



 

パーティー

 

禁止級伝説一匹採用可能ルール 剣盾シリーズ8,11

ギミックに関わるポケモンは3匹です。

 

エルフーン

採用理由:ふくろだたき&先制おいかぜの両立

 

135-64(-)-105-129(252)-96(4)-184(252+)

きあいのタスキ

ふくろだたき おいかぜ ムーンフォース まもる

 

<調整・技>

攻撃技であるふくろだたきを速く使うためにA0最速タスキ

まもるはポットデスと一緒に使うことでねこだまし対策になる

トリックルーム中にも先制でおいかぜを使えることが今回の戦術において地味に重要

 

 

ポットデス

採用理由:くだけるよろい&(連続技での弱点保険発動)&バトンタッチ両立

 

167(252)-85-128(252+)-154-135(4)-81(-)

じゃくてんほけん

バトンタッチ シャドーボール ふいうち まもる

 

<調整・技>

くだけるよろいが1回発動しただけではエルフーンを抜かない(敵の攻撃ですばやさが上がることによるバトンタッチ事故の防止)

 

 ふくろだたき成功時はアシストパワーでダイマックスリザードンをワンパンできますが、今回はパーティーの全体の勝率よりも目的の現象を起こした場合の勝率を高めることが大事にしたかったので、能力が上がったとき用の技はバトンタッチのみにして、ルチャブルの隣でとどめを刺していくのに便利なふいうちを入れていました。

 

 

ルチャブル

採用理由:かるわざ&ポットデスとの弱点被りなし&一定の攻撃性能

     アニメにおいてトリックルーム対策として縁がある

 

177(188)-158(252+)-96(4)-x(-)-91(60)-139(4)

しろいハーブ

インファイト ブレイブバード あなをほる シザークロス

 

<調整・技>

ギミック失敗時でかるわざ発動で最速レジエレキ抜きできるのですばやさ4振りになる5箇所振り

シザークロスは、ルチャブルトリックルームといえばシザークロスという理由だけで採用(サンダーなどに技が通るようにストーンエッジなどを入れたほうが強い)。トリックルーム構築に入りがちなエスパータイプに対して効くという理由づけは可能。

 

 

ルチャブルについての語り>

 

・シザークロス

 トリックルーム中なのにシザークロスベースのダイワームで「弱点保険用にミミッキュのかげうちを受けてちょっと削れた白バドレックス」を行動前に倒したのがハイライトでした。H252振り白バドレックスに対して攻撃特化+2 威力130 ダイワームが87.9~104.3%、25%の確率で倒せます。

 

ミカルゲと攻撃種族値が一緒という衝撃

 ルチャブル種族値は、78-92-75-74-63-118です。

 それから、ダイナックルの威力が低く、ルチャブルのA+2ダイナックルは種族値130のポケモンがタイプ一致威力150技とほぼ同じ火力です。

 

・ダイジェット

 ギミック成功時は既にすばやさMAXなので追加効果なしです。

 しかし、トリル中にダイジェットを使ってもデメリットがないという利点がありました。

 

・サトシのルチャブル

 第六世代のアニメポケモンにてサトシの手持ちにいたルチャブル。アニメのサトシのルチャブルは麻痺した描写があるので、特性はかるわざかかたやぶりらしいです。トリックルームを破壊するあたり、かたやぶりっぽいです。

 

 

 

その他

 

ムゲンダイナ

 

・ギミック要員が3体なので単体完結が求められる

ルチャブルが威嚇を受けないようできれば特殊

ダイマックスはルチャブルが使うのでダイマックスしない

あたりの理由からそこそこ良さそうだと思い採用しました。

 

 ゴチルゼル目的でソードを購入したもののいまだにエンディング後のストーリーを最後まで進めていないのでザシアンがいなくて、レイド用ムゲンダイナを連れてきたのが始まりでした。

 

 

 

びびりノコッチとがんじょうあごウオノラゴン

 

びびりにふくろだたきですばやさ4段階上昇

それをバトンタッチして鉢巻頑丈顎エラがみ連打

 

 しろいハーブ&かるわざと組まず、すばやさも300程度あれば良いのであれば、防御が下がらないこちらのほうが良いです。

 トリックルームを使わない相手と当たったときに選出する用です。超速からの超火力エラがみは爽快感あふれます。

 

 

 

 

レンタルパーティー

 

トリル次元突破ルチャブル構築 レンタルパーティー

 

 基本戦術に絡まないウオノラゴンは、「寝言ワンウェポンの空きには寝言で出ない技入れよう委員会」の委員として、技4つを持ちつつねごとで確定エラがみをする構成にしてみました。

 

 

 

戦績

 

  戦績はダメダメでした。かなり弱かったです。禁止級伝説1匹環境でマスターボール級に上げることができないくらい弱かったです。

 

 「1ターン目に相手に何もしないギミックは弱い」というような言葉をどこかで聞いたことがありますが、まさにそれでした。

 相手に好き放題されるし、好き放題された結果として初手のこちらのどちらかの行動が成功しなかったり倒れたりするとその時点でギミック失敗となってしまいます。エースとなるはずのルチャブルがバトンを受けて出てきた後大きく削られてしまうor一撃で倒されてしまうということが頻発するのも弱いです。

 

 ポケモンたちの名誉のために書いておきますが、この動きに拘っているから弱くなっている側面が大きく、ギミックパーティーにしてはそこまで型が歪んでいないので、同じメンバーで自由に戦ったらさすがにもう少し強いです。おそらくマスターボール級には上げることができる程度には。

 

 たまに相手の攻撃で赤ゲージになったポットデスにエルフーンがとどめをさすことがあり、面白かったです。

 

 

 トリックルームメタなら他の方法を取ったほうが良さそうです。この方法は現状のこの構築だとエンターテイメントに留まっているという印象です。

 

 

 

関連

 

 一昨年の10月にはポットデス叩きバトン+ハーブ軽業にたどり着いていて、記事は書いていました(【ポケモン】対トリックルーム最終兵器 〜すばやさ1808を超えれば先制〜 #1809現象実戦編)。

 次元突破に興味を示していたTwitterのFFのシオリさんにこの記事を紹介したところ、昨年1月にアレンジした構築で動画を投稿してくださりました。現状だと、実戦でのこの現象の発生を記録した動画は動画投稿サイトの中でこれだけなのではないかと思います。

 

www.nicovideo.jp

 

 動画内ではアローラライチュウのサーフテール&おいかぜを使っています。おいかぜのターンにすぐ動けない・おいかぜの次のターンも固定行動を強いられる・Aライチュウの耐久が低いあたりは本構築と比べた場合の欠点ですが、火力の面で見ると

端数無視単純かけ算の火力指数比較で

ルチャブルの特化威力140+2ダイジェット 66360

ルチャブルの特化威力95+2ダイナックル 45030

Aライチュウの特化威力220+2アシストパワー 106260

Aライチュウの特化威力150+2フィールドエレキボール 94185

と明らかに優れていて、爽快感がありそうです。

 

 

 当時は剣盾を持っておらず実践ができなかったため、実践してくれる人がいてとても嬉しかったです。

 

 

 

おわりに

 

 ブログの投稿を始めた頃はほぼ全てこの現象について記事を書いていたので、1809現象は特別思い入れがある現象です。このパーティー自体も昨年秋の時点で既にほぼ出来上がっていたのですが、特別な記事すぎてなかなか書き進められず、原案を考えてから20ヶ月くらい経ってしまいました。

 今回完成して良かったです。

 

 これは予告ですが、これのトリプルバトル版の机上論記事を書いて、TwitterのFFのトリプルトレーナーであるアインズさんに投げて実戦をやっていただく予定が最近できました。鎧叩きバトンができない世代でどの戦術を取るのか……いくつか方法は思いついているのですがどれにするか現在検討中です。

 

 

 お読みいただきありがとうございました。

 

 

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