トリプルバトルでもすばやさ1809以上になってトリックルームを無視して先制攻撃したい!
はじめに
ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア(ORAS)のトリプルバトルの机上論記事です。
すばやさ1809以上になることでトリックルーム中で、すばやさ1のポケモンより先に行動できるという現象が存在します。
以前、ポケモン剣盾でそれを実戦で実現するパーティーを組んでみました。
※この現象の説明なども書いているので、この現象(「1809現象」と勝手に呼んでいます・「次元突破」とか言われたりも)について知らない場合はまずこちらからお読みください。
アインズさんというトリプルバトルトレーナーと、これのトリプル版をするという話が上がっていました。本ブログで構築記事を書く→アインズさんが実際にそれで対戦という計画です。
この記事で、いくつかのすばやさ1809以上実現ギミックを書きます。
構築記事を書くということになっていましたが、構築記事っぽく書くと膨大な量になってしまうので、ギミックの根幹の部分だけを取り出していくつか書いていきます。
前提知識
<わざ>
いかり:自身がいかり状態になる。いかり状態で攻撃を受ける度攻撃1段階アップ
ふくろだたき:味方の状態異常orひんしになっていないポケモンの数だけ攻撃するあくタイプの連続技。トリプルバトルでは最大6回攻撃になる。
おいかぜ:4ターンの間、味方のすばやさ2倍。ランクの変化ではないため、ランク変化や特性との重ねがけが可能。
<とくせい>
びびり:あく・むし・ゴーストタイプの技を受けるとすばやさ1段階アップ。
くだけるよろい:物理技を受けると、防御1段階下降のかわりにすばやさ1段階アップ(2段階上昇になるのは第七世代から)。
かるわざ:持ち物を消費するとすばやさ2倍。ランクの変化ではないため、ランク変化との重ねがけが可能。
天候倍速特性:今回勝手に使う言葉。すいすい(雨)、ようりょくそ(晴れ)、すなかき(砂嵐)の、対応する天候ですばやさが2倍になる特性。ランクの変化ではないため、ランク変化との重ねがけが可能。
<その他>
第六世代ではすばやさは即時反映されません。例えばおいかぜを使った場合、効果が出るのは2ターン目からです。
今回のこちらの都合による前提として、トリックルームは相手が発動してくるものとします。
案1A びびり暗示(雨)
一番最初にメモした動きです。
→ジーランスすばやさ1824
<解説>
選出
裏にニョロトノ
ノコッチはグランブルでも良いが、すばやさが変わらずノコッチのほうが耐久が高いためノコッチ
すばやさ実数値
ノコッチ 117 個体値31かつ努力値100かつスカーフ (116は実現不可)
1ターン目
ノコッチは「いかり」を使います。
エルフーンは「ふくろだたき」をノコッチに使います。ノコッチはあくタイプの技を6回受けることになります。ノコッチの特性は「びびり」なので、あくタイプなどの攻撃を受けることですばやさランクが1ずつ上がっていきます。また、「いかり」の効果により、攻撃も上がります。
結果、攻撃・すばやさ6段階上昇のノコッチが誕生します。
ジーランスは「じこあんじ」でそのランク変化をコピーします。
2ターン目
ノコッチをニョロトノに交換します(このターン中にノコッチが倒れるなら居座り、倒れた後にニョロトノを出すのでもOK)。特性「あめふらし」で雨がふり、ジーランスの特性「すいすい」が次のターン以降有効になります。
ジーランスは「まもる」を使います(第八世代ならすばやさ即時反映なので、このターンも動けるのですが……)。
エルフーンは「おいかぜ」を使います。
ここまでで、ジーランスは、すばやさ6段階上昇ですばやさ4倍、おいかぜですばやさ2倍、すいすいですばやさ2倍となっています。
114*4*2*2 =1824で、ジーランスのすばやさは1824。これで、3ターン目からトリックルームであってもそれにかかわらず先制できるようになります。トリックルームがない場合も普通に先制できます。
攻撃6段階上昇かつ雨の火力がトリックルームがあってもなくても先制してくるという状態が完成します。いわなだれ・じしん・たきのぼりなど
目安
攻撃252振りランク+6ダブルダメージいわなだれで、鉢巻ファイアローの特化ブレイブバード耐え調整のニンフィアを確定で倒せます。
攻撃252振りランク+6雨たきのぼりで、半減でもH振りニョロトノを確定で倒せます。
物理範囲技を覚える天候倍速ポケモンとしては他にダーテングがいます(いわなだれ・はっぱカッター)。ニョロトノをキュウコンに・ゴルダックをダーテングにすることでダーテングverも作れます(ファイアローにすぐ倒されそう)。
案1 考察
びびり+いかり 両立
かるわざ+じこあんじ 両立
すいすい+じこあんじ 両立
ゴルダック系統(物理範囲技なし)
ようりょくそ+じこあんじ 両立
ナッシー系統(すばやさ114実現不可)
ワタッコ(物理範囲技なし)
モジャンボ(すばやさ114実現不可)
モンジャラ(物理範囲技なし・モジャンボは覚えるじしんなどを覚えない)
すなかき+じこあんじ 両立
なし
ゆきかき
第6世代にはまだない
ふくろだたき+おいかぜ+すばやさ115実現可能
メガリザードンYを用いれば、エルフーンとニョロトノの枠を圧縮することで攻撃6段階上昇のいかりびびりポケモン(ノコッチorグランブル)を手持ちに戻すというもったいないことをしなくて済むということに気がつきました。
しかし、ノコッチorグランブルはスカーフを持っていたので、居座っても威力20の技しか使えませんでした。没。
ただ、いかりを諦めさえすれば、スカーフで別の技を使っても問題ないですし、そもそもふくろだたきより先に行動する必要もなくなるので、スカーフを持つ必要もありません。
怒りの使用を諦めて、リザードンのサポートを受ける特殊アタッカーのすばやさを上げてみます。
案1B びびり叩き(晴れ)
<解説>
選出
すばやさ実数値(個体値は31)
ノコッチ 自由
1ターン目
メガリザードンYにメガシンカします。特性ひでりでダーテングの特性ようりょくそが発動します。
リザードンはグランブルに「ふくろだたき」をします。グランブルのすばやさだけ6段階上昇します。
ダーテングはグランブルに「じこあんじ」を使います。すばやさ6段階上昇をこれでコピーします。
グランブルは自由に行動します。
2ターン目
ダーテングは「まもる」を使います。グランブルは自由に行動します。
リザードンは「おいかぜ」を使います。
ここまでで、ダーテングは、すばやさ6段階上昇ですばやさ4倍、おいかぜですばやさ2倍、ようりょくそですばやさ2倍となっています。
114*4*2*2 =1824で、ダーテングのすばやさは1824。これで、3ターン目からトリックルームであるにもかかわらず先制できるようになります。
ただし、火力は上がっていないことに注意です。
案2 びびりバトン
エルフーン叩き 弱点保険レディババトン パンプジンハロウィン
エルフーン追い風 天候倍速特性のエースまもる パンプジンを天候起動ポケモンに交換
<解説>
びびり+バトンタッチを両立するのはレディバのみです。
1ターン目
パンプジンでレディバにゴーストタイプを付与します(レディバが別のテントウムシポケモンみたいにむし・エスパーだったらこの手順は要らなくてファスガ要員とか置けたのに……)。
エルフーンはレディバにふくろだたきを使います。弱点保険を発動させつつ、レディバの特性びびりによってすばやさを6段階上昇させます。
レディバはバトンタッチですばやさ実数値114以上の天候倍速特性持ちポケモンに能力ランクを引き継ぎます。
2ターン目
天候倍速特性持ちポケモンがまもっている間に、エルフーンのおいかぜと天候起動ですばやさを上げます。
これですばやさが16倍になって1809以上になります。
案1と比較したときの利点
・エースが被弾しない
レディバの低いすばやさ(最遅で実数値54)からのバトンタッチにより、後続が安全に着地できます。
・エースが自由
じこあんじを覚えなくてもいいので、キングドラ・メガラグラージなど自由に天候エースを採用できます。
・倍率の上がり方
物理の場合は倍率が4倍から2倍になってしまうのが案2の欠点ですが、一方特殊の火力を上げられるという点では利点です。
弱点保険発動をしないなら、パンプジンの枠を猫騙し・ファストガードなどを使う枠に変更できます。
案2 考察
びびり+バトンタッチ
くだけるよろい+バトンタッチ
両立なし(剣盾ならポットデス)
レディバしかいないという事実が面白いです
びびり+スキルスワップorなかまづくり
両立なし
くだけるよろい+スキルスワップorなかまづくり
両立なし
ということで、任意のあく弱点バトンタッチ役の特性を書き換えることもできません。
他の案
以下に出てくる「目標達成」はすばやさ1809以上で行動できるという意味です。
(1)弱点保険鎧叩き暗示
これは微妙です。
1ターン目
中央のくだけるよろいのポケモンにハロウィンでゴーストタイプ付与(あく弱点の鎧が第六世代にはいない)
くだけるよろいのポケモンをエルフーンが叩く A+2 C+2 S+6
くだけるよろいのポケモンはみがわりか何かで生き残る
2ターン目
くだけるよろいのポケモンまもる
パンプジン爆発退場
エルフーン追い風
3ターン目
くだけるよろいのポケモンまもる
かるわざのポケモンじこあんじ(まもる・みがわり貫通)
しろいハーブ発動 防御ダウンをリセットしつつかるわざ発動
4ターン目
目標達成
かるわざ+じこあんじ 両立
(2)からやぶ鎧叩き
1ターン目
オムスターがからをやぶる A+2 B-6 C+2 D-1 S+6
かるわざエースがじこあんじ
しろいハーブ発動 A+2 C+2 S+6 防御特防ダウンをリセットしつつかるわざ発動
2ターン目
かるわざエースまもる
エルフーンおいかぜ
3ターン目
目標達成
(イワパレス・マグカルゴはすばやさが低いため、115以上を実現できるオムスターにしかできない)
かるわざ+じこあんじ 両立
(3)単純ジオコン暗示
1ターン目
中央ドーブルはパワフルハーブでジオコントロール C+4 D+4 S+4
天候倍速特性持ちエースがじこあんじ
2ターン目
ネイティオおいかぜ
ドーブルは天候起動特性持ちにバトンタッチ
エースはまもる
3ターン目
目標達成
(4)単純ジオコンハートスワップ
1ターン目
1匹はサポート
中央ドーブルはパワフルハーブでジオコントロール C+4 D+4 S+4
2ターン目
サポートを天候倍速特性エースに交換
ドーブルはエースにハートスワップ(自分と相手の能力変化を入れ替える・第六世代までマナフィの専用技)
ネイティオおいかぜ
3ターン目
エースまもる
天候起動
4ターン目
目標達成
(5)びびり叩きスキスワ
微妙です。
1ターン目
ニューラグランブル叩き
グランブルニューラを倒す
2ターン目
グランブルはどうにかして守らずに耐える
3ターン目
目標達成
天候倍速特性+スキルスワップはナッシー系統のみ
考察の残骸
あまのじゃくに両端からこわいかお
↓
あまのじゃく+バトンタッチは第六世代では両立するポケモンなし(剣盾ならカラマネロ)
でんきエンジンに対してそうでん連続技
↓
発動は1回だけ
余談
ニンフィアのファイアローの特化鉢巻ブレイブバード耐え調整の話があったので
トリプルwikiには、H191(164振り)-B92(52振り)というのがファイアローの特化鉢巻ブレイブバード耐え調整として載っています。
ここでは努力値を216も使っていますが、ブレバを耐えるだけなら努力値152で実現できます。H173(20振り)-B102(132振り)です。
<余談の余談>
追加で、171(4)-104(148)でも耐えられるけど……という話
以下、便宜上、例えばH191(164振り)-B92(52振り)をD4振りの実数値151も加えて
191(164)-92(52)-151(4) と表します。
努力値152を用いたブレバ耐え一覧
173(20)-102(132)-151(4) 総合耐久指数HBD/(B+D)は10531.8
172(12)-103(140)-151(4) 総合耐久指数HBD/(B+D)は10532.0
171(4)-104(148)-151(4) 総合耐久指数HBD/(B+D)は10530.9
総合耐久指数HBD/(B+D)の話は下記のある方の記事参照(ドリュウズの耐久調整 ―― 過去記事の補足・耐久編 - 机上論は強い)。ダメージ計算式の+2部分の関係で実際は理論値よりHPが高いほうが良いというのがあるので、H20振りになりました。
<さらに余談の余談>
ちなみに、
172(12)-103(140)-151(4) 総合耐久指数HBD/(B+D)は10532.0 は
152を耐久に回す際に最も硬くなる配分です。
しかし、相手に威嚇が一回入っている前提なら、181(84)-68(94)-151(4)のほうが硬くなります。ただし、環境で物理:特殊=1:1という前提で計算した場合なのであくまで理論値です。
このへんの計算は耐久調整ツール|ポケモン徹底攻略がやってくれます。
ORASの両立の調べ方
ポケモン徹底攻略の「詳細検索」で検索できますが、これは第八世代版です。過去のものも第七世代版しかないようなので、一工夫必要です。
「覚える技」の検索対象で「過去作で覚える技」のチェックをつける
「表示順とフィルター」で「剣盾のみ」のチェックをはずす
yakkun.com
そして、検索結果で、どこからどの世代でその技を覚えることができるかというのを表示してくれるので、その中に第六世代が含まれているかを調べます。
(追記)
第六世代版もありました。教えていただきました。ちゃんと調べようとすればすぐに見つかったので、調べミスです。
一応、検索機能で第八世代版にしかないものもあるので、基本はこちらを用いつつ用途によって使い分けるのが良さそうです。
おわりに
この話が上がってから記事を書くまで2か月経ってしまいましたが、書き終わりました。書いているうちにも、新しくギミックを思いついたり記述のためにポケ徹の詳細検索で確認しにいったらより良いポケモンを発見したりと、良かったです。
剣盾バトンだとくだけるよろい弱点保険ポットデスを叩いてかるわざにバトンタッチするルートが今のところ一強の感じがありますが、今回は多彩でした。
この現象関連の記事は
にまとまっています。
お読みいただきありがとうございました。
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