カイオーガのしおふきで先制ワンパンして試合に勝ちたい
はじめに
ポケットモンスタースカーレット・バイオレットのダブルバトルの構築記事です。
2024年5月から、レギュレーションGが始まりました。SVにおいても禁止級伝説1匹ルールがきました。
今回は、もともとこのルールが来たらダブルではこれをやろうと決めていた戦術をしました。モルフォン&カイオーガです。
モルフォン&カイオーガ 通称モルオーガ
モルオーガ&カイオーガのコンビで実現する戦術があり、この組み合わせもしくはその戦術はモルオーガと呼ばれています。(これをもじってモルペコ&オーガポン入りの構築をモルオーガと呼んでいるのも見たことがあります)
モルフォンの技「スキルスワップ」で、モルフォンの特性「いろめがね」(タイプ相性がいまひとつのときにダメージが2倍になる特性)をカイオーガに渡して、カイオーガの「しおふき」などで、水半減の相手も倒すという構築です。
副産物として、天候が雨でない状態でスキルスワップを使えば、モルフォン側で「あめふらし」が発動します。
以下のような姉妹構築もあります。
モルオーガの歴史
モルオーガ自体は第四世代から存在していたらしいです。
第七世代で、以下の構築によって有名になりました。
【第七世代(USUM)GSダブル構築】もはや草では受けられない!色眼鏡眼鏡モルオーガ〈サンルール〉 | けだまメモ
第八世代では、モルフォンが不在でした。代役としてシンボラーなどがいましたが、ダイマックスの存在により範囲技自体が強くなかったり等倍でもHP2倍で耐えられりで、環境に合っていませんでした(ダイマ禁止ルールのときだけは環境に合っていたかもしれません)。
今作のモルオーガ
第九世代では、以下の点から、最もモルオーガの個性が活きる世代と言っても過言ではないかもしれません。
1 相手のテラスタル
相手がテラスタルで水半減のタイプに変わることがあります。以前よりもタイプ相性半減で受けられやすくなりました。よって、いろめがねの効果が発動しやすくなっています。
2 自分のテラスタル
みずテラスタルで火力強化をできるようになりました。今までの、世代限定システムはこだわりメガネと掛け合わせることができませんでしたが、今回はこだわりメガネに加えてテラスタルでタイプ一致技の火力を4/3倍にできます。
3 相手のにほんばれ
今世代では、晴れで活躍するポケモンが環境にたくさんいます、それゆえ、交換や手動にほんばれによって、カイオーガの行動直前に天候を雨から晴れに変えられてしまうことが多くあります。また、テラパゴスのテラフォーミングでも雨がやみます。
そのような動きに対して、スキルスワップで、モルフォン側で「あめふらし」が発動するのがとても強いです。
識者は、ここで「あれ?モルフォンは今作おいかぜが奪われたという弱体化もあったような……」と思うかもしれません。それについては、この後の項で書きます。
モルオーガとすばやさ操作
カイオーガは、潮吹きを使いたいです。そうなると、HPは満タンに保っておきたいです。HP満タンの状態で先制で相手を倒して、相手からの攻撃を受けないことによってHP満タンを維持するというのが理想です。
そうなると、すばやさ操作が必要になります。
カイオーガ構築は、トリックルームと組み合わせる場合もありますが、その場合
くろいてっきゅうを持つ→こだわりメガネを持てないので火力が足りない。
くろいてっきゅうを持たない→相手の鈍足ポケモンに先に動かれる
というジレンマがあります。
今回は、こだわりメガネを持ちつつ戦える、おいかぜを使うことにします。
ちょうど、最速モルフォン-1のカイオーガのすばやさが2倍になると、実数値310で、すばやさブーストのテツノツツミ+1(最速135族の1.5倍+3)になります。おいかぜミラー以外ではほぼ先手を取れそうです。
モルオーガとおいかぜ
モルフォンは第七世代まで、教え技でおいかぜを覚えました。
しかし、SVでわざマシンにおいかぜがありますが、モルフォンには使えません。
なぜか、モルフォンからおいかぜが没収されました。注目度の低いポケモンの技がおそろかにされがちな今作です。
ただ、「モルフォンのおいかぜが没収されたので今作はモルオーガが弱くなった」という声を耳にしますが、「致命的というほどではない」と思っていました。
おいかぜはモルフォンでするものではないと思っていたからです。
<考え>
モルオーガは、モルフォンと体力満タンのカイオーガが並んで初めてその力が発揮されます。
カイオーガが守れないなら、間に合わないですし、
カイオーガが守れるとしても、カイオーガがメガネを持てないという問題があり、そのうえで、サポートなしでモルフォンがおいかぜを使わないといけない
という問題があります。
よって、カイオーガが出てくる前にモルフォンがおいかぜをする必要があります。そうすると、最初にモルフォンの隣に別のポケモンを出すことになります。
このとき、モルフォンのおいかぜのサポートをした後、モルフォンを場に残したままそのポケモンだけ退場する必要があります。難しめです。
おいかぜ2ターン目にモルフォンがまもるをしている間に隣が退場するという手がありますが、おいかぜが2ターンしか残らないうえに、モルフォンの技枠も圧迫されます。おいかぜ/まもる/スキスワだと、優秀な技(いかりのこな、ねむりごな、アシットボム、むしのていこうなど)のうち1つしか入れられません。
以上のようなことから、別のポケモンでおいかぜを使うのが良いと考えています。
具体的には、エルフーンなどのいたずらごころ組でおいかぜを使い、そのターン中に隣のポケモンで大爆発して2匹とも退場します。これで、おいかぜターンを3ターン残してカイオーガとモルフォンを並べることができます。
また、爆発で相手を倒せれば、おいかぜターン中に勝負を決めきれないという事態も防ぎやすくなります。
このように、モルフォンからおいかぜが没収されても、モルオーガは戦えます。
今回の戦術
(相手にねこだまし持ちがいたら両方まもる)
エルフーンおいかぜ
ダーテングの特性かぜのりが発動してダーテングの攻撃1段階アップ
ダーテングだいばくはつ
カイオーガしおふき
以降 モルフォンは何かしらのサポート
カイオーガしおふき
勝ち
モルフォンの枠は、相手のパーティによっては変わることがあります(後述)。
パーティー
エルフーン
種族値 60-67-85-77-75-116
個体値 31-0-31(妥協)-31-31-31
努力値 0-0-0-252-4-252
性格 せっかち(すばやさアップ 防御ダウン)(妥協関連)
実数値 135-72-94-129-96-184
テラスタル フェアリー
持ち物 おんみつマント
特性 いたずらごころ
技 おいかぜ わたほうし ムーンフォース まもる
調整意図:
・最速エルフーンの挑発でおいかぜを防止される試合をできるだけ減らすために最速
・威嚇+風乗りで攻撃ランク±0になったダーテングのだいばくはつで確実に退場できる防御下げ(※本当は臆病と個体値29で十分なので妥協個体)(もしダーテングが珠を持つなら普通の臆病CSでOK)
おいかぜして爆発に巻き込まれます。
トルネロスだと、相手のエルフーンが挑発してきたときに困るので、エルフーンにしました。(トルネロスもダーテングの素爆発で倒れることはできます。)
エルフーンがいると、相手視点だとアンコールの存在によりまもるを使いにくいので、大爆発のダメージをしっかり与えやすいです。
相手にねこだまし持ちがいるときは基本両守るから入りますが、たまにそれでも動かないといけないときがあり、そういうときにねこだましがエルフーンに飛んできたらいいなということでおんみつマントを持たせています。速めのねこだまし持ちのダーテングを避けて、隠密所持率が高いエルフーンにねこだましが飛んでくることがあります。
たまに、ダーテングのねこだまし・エルフーンのムーンフォースで削りをいれてからおいかぜ爆発をします。
ダーテング
(ひとになれてるダーテング)(もともと進化前の状態で証持ちとしてガラルのBOXに眠っていました)
種族値 90-100-60-90-60-80
個体値 31-31-31-31-31-31
努力値 0-252-0-0-44-212
性格 いじっぱり
実数値 165-167-80-99-86-127
テラスタル ノーマル
持ち物 シルクのスカーフ(後述)
特性 かぜのり
技 だいばくはつ ねこだまし まもる はたきおとす
調整意図:
最速にしても最速135族*1.5の307においかぜで追いつけないので、火力重視
臆病CSハバタクカミのダブルダメージマジカルシャインを75%耐え
おいかぜで最速スカーフ100族+4
(瞬間35位達成時はシンプルなASでした)
今世代で爆弾としての地位をかなり上げたポケモンです。風に乗り爆発します。
まもるを使う場合があるため、こだわりハチマキを持てません。
本当はいのちのたま・ノーマルジュエルのほうが火力が出ますが、
いのちのたま→別のポケモンが持っている
ということでシルクのスカーフになりました。クリアチャームも候補です。
ただ、VS H252白バドでノーマルテラス大爆発をしたときに倒せる確率が
シルクのスカーフ 43.75%
いのちのたま 87.5%
ノーマルジュエル 87.5%
となることや、使っても盤面が崩れないという自信をもってねこだましを使える場面があまりなかったことから、いのちのたまを奪ってくるかノーマルジュエルを持つかしたほうがいい気もしています。
モルフォン
種族値 70-65-60-90-75-90
個体値 31-0-31-31-31-31
努力値 0-0-4-252-0-252
性格 おくびょう
実数値 145-63-81-142-95-156
テラスタル どく
持ち物 きあいのタスキ
特性 いろめがね
技 スキルスワップ ねむりごな アシッドボム いかりのこな
カイオーガにいろめがねを渡します。
水無効特性持ちにスキルスワップして特性を奪う役割も持っています。
おいかぜが切れたあともいかりのこなでカイオーガをまもり、HP満タン潮吹きを通せます。
たまに、カイオーガが倒された後にアシッドボム連打で試合に勝つことがあり、今のところこの努力値振りでいいかなと思っています。
カイオーガ
種族値 100-100-90-150-140-90
個体値 31-x-31-31-31-31
努力値 4-0-4-252-4-244
性格 おくびょう
実数値 176-x-111-202-161-244
テラスタル みず
持ち物 こだわりメガネ
特性 あめふらし
すばやさ:最速モルフォン-1(おいかぜで最速すばやさブーストテツノツツミ抜き)
本構築のエースです。しおふきで相手を4回ワンパンして試合に勝ちます。
ダブルダメージのみずテラス色眼鏡眼鏡潮吹きで確定で倒せるポケモンたち
HD特化モロバレル
HD特化ディアルガ
H252チョッキコライドン(ほぼぴったり)
HD特化チョッキゴリランダー(ほぼぴったり)
H132振りチョッキミライドン(ぴったり)
ダブルダメージのみずテラス色眼鏡眼鏡潮吹きを確定で耐えるポケモンたち
H188マルチスケイルカイリュー
H228D252無補正どくテラスディンルー
無振りチョッキどくテラスディンルー
ワンパン系戦術はいつもディンルー・ミミッキュに苦しめられています。
ハギギシリ
種族値 68-105-70-70-70-92
個体値 31-31-31-31-31-31
努力値 4-252-0-0-0-252
性格 ようき
実数値 144-157-90-x-90-158
持ち物 いのちのたま
特性 ビビッドボディ
技 ウェーブタックル サイコファング アクアジェット あまごい
このモルオーガはねこだまし・グラススライダー・じんらいなどがつらいです。
そこで、モルフォンの代わりの4匹目として選出に組み込めるポケモンとして、ハギギシリを選びました。
先制封じ組の中で、カイオーガより速いすばやさであまごいをできるのはハギギシリだけです。また、相手がワイドガードを使ってきたときに、隣の敵ポケモンが低耐久なら雨珠ウェーブタックルで倒せるところも良いです。
VS壁ではサイコファングが大活躍します。
アクアジェットは、1ターン目においかぜをせずに爆発をギリギリ耐えた相手のトルネロスをおいかぜ前に倒すときなどに活躍します。
雨が降っているときは、みずタイプに対してもサイコファングよりウェーブタックルのほうが与ダメが大きいです。
残り1枠
おいかぜ+高速伝説
水オーガポン
あたりのモルオーガ/ハギオーガで苦しい要素をどうにかできるポケモンにしたいです。
最初は、見せポケとして捕獲用エルレイドを入れていました。
その後、フェイントファスガワイガあまごいコジョンド@メンタルハーブを経て、今はレジエレキになっています。
おいかぜミラーで、黒バドより速いすばやさからのエレキネットで相手のすばやさを下げます。
また、特攻特化の磁石持ちで、でんきテラスかみなりで水オーガポンを倒せます。
ピカチュウ、エレブーなども候補です。
選出
それぞれ、以下のポケモンを見たら出したいです。
天候起動特性持ち 水無効特性持ち 水半減高耐久複数体
ゴリランダー タケルライコ 壁貼り (ガオガエンなどねこだまし使い) (カイリュー)(パオジアン)
レジエレキ
追い風+高速伝説 水オーガポン
だいたい、迷うことになります。
おおよそ体感で、モルフォン4割、ハギギシリ5割、レジエレキ1割という選出率でした。
弱み
ハイドロポンプで頑張れる場合がまれにありますが、きついです。レジエレキのところをフェイント持ちに変えるとある程度緩和されますが、モルフォン/ハギギシリを選出できていないことによって結局負けることが多いです。
ハギギシリを選出していないときの先制技
じんらいはまだいかりのこなで吸えますが、グラススライダーにいたってはゴリランダーがくさタイプのままだと吸えません。
モルフォンを選出していないときの天候書き換え+水半減
ハギギシリだと攻撃かあまごいでどちらかを対処することしかできません。
水オーガポン
先発:爆発が当たればOKですが、エルフーンのアンコールにおびえずニードルガードをされるとだいたい負けです。
後発:モルフォンの場合、いろめがねスキルスワップとちょすい没収で耐久ほぼ無振りなら倒せるという細い勝ち筋があります。
楽しい瞬間
天候を書き換えて半減貫通のしおふきで相手盤面を更地にできる瞬間
@no_TL#ポケモンSV #NintendoSwitch
— テツポンド (@tetspond) 2024年5月12日
モルフォン&カイオーガ pic.twitter.com/CziwC6ERQe
(ウネルミナモは1/4を1/2にしただけなので、いろめがね無しの火力もすごいです)
先制技を無効化して相手をワンパンする瞬間
@no_TL#ポケモンSV #NintendoSwitch
— テツポンド (@tetspond) 2024年5月12日
ハギギシリ&カイオーガ pic.twitter.com/Ru1Ql0ceJG
(相手がビビットボディを前提に動いてくれるならサイコファングの火力が上がるがんじょうあごにしたいのですが、思っていたより先制技を使われます)
戦績
マスボ上げに使ったら思ったより戦えたので、しばらく戦い続けました。
2024/5/3の18時台に一時的に35位になりました。
このときのレートは1717.887です。
シーズン17だと最終3桁ラインですが、シーズン18だと最終3桁ラインがかなり上がっていたので放置していても4桁でした。
これが最高順位で、200位付近をうろうろしていましたが、環境のカイオーガ対策が厚くなったのか、勝てなくなっていきました。
最終的に、レート1513の16616位まで落ちました。
一発屋感!
おわりに
禁止級伝説を軸にした戦い以外がやりにくくなるのでどちらかというとレギュGよりレギュFのほうが好きなのですが、レギュGもそれはそれで、今しかできない戦術、今に最も適している戦術というのがあるので、それを逃さないようにしていきたいです。
世代単位でみると、今はダイウォールまねっこの戦術が使えないのと同じように、テラスタルというシステムもおそらく今作限りなので、そこも楽しみたいです。
お読みいただきありがとうございました。
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