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【ポケモン】控えのポケモンの並び順が対戦に影響を与える事例2選(ふくろだたき+防御変動特性/イリュージョン)

控えのポケモンの並び順が対戦に影響を与える事例を紹介したい

 

 

サワムラーを3番目にする理由が明らかになります

 

 

はじめに

 

 ポケットモンスター本編の対戦についての記事です。小話みたいな回です。

 スカーレット・バイオレットを例に出して説明しますが、他の世代にも通用する内容です。

 

 手持ちのポケモンの先発以外の順番は対戦に全く影響しない、そう思っていませんか?

 だいたいの場合、実際にそうなのですが、例外があります。

 

 

 

控えのポケモンの並び順

 

 通常のシングルバトルでは、6匹のパーティーの中から、先頭に出すポケモン1匹と控えのポケモン2匹を選んで、戦います。

 また、通常のダブルバトルでは、6匹のパーティーの中から、先頭に出すポケモン2匹と控えのポケモン2匹を選んで、戦います。

 

 控えのポケモンをどういう順序で並べても、場のポケモンが倒れたときに次のポケモンを出すときや交換をするときは、自由にポケモンを選ぶことができます。

 また、ほえる・ドラゴンテールなどの強制交代技・レッドカードの強制交代効果で手持ちのポケモンを引き釣り出されるときは、出てくるポケモンはランダムで決まります。

 これらのことから、一見、控えのポケモンの並び順は対戦に影響しないように思えます。

 

 ほとんどの場合、実際に控えのポケモンの並び順は対戦に影響しないのですが、控えのポケモンの並び順が対戦に影響を与えるケースが稀に存在します。

 今回はそれについて書いていきます。

 

 

 

事例1 ふくろだたきと防御変動

 

 ふくろだたきは、手持ちの状態異常ではないポケモンの数だけ攻撃する技です。威力が低めのあくタイプの連続攻撃技として、味方殴りに使われることが多いです。

 

ふくろだたき 味方殴りでエフェクトが出る技は珍しい

 

ふくろだたきの詳細

 

 詳しく仕様を見てみます。

ふくろだたき - ポケモンWiki

 手持ちのポケモンそれぞれに対応した威力で、手持ちの数だけ攻撃を行います。ただし、技の使用者以外の味方が状態異常・ひんしになっている場合、そのポケモンは除外されます。威力は各手持ちポケモンの攻撃種族値の10分の1+5になります。

 

 そして、今回のテーマにかかわる重要な仕様があります。

 攻撃は、手持ちのポケモンそれぞれに対応した威力で行われるわけですが、その攻撃の順番は、手持ちの並び順になります。

 

 

 ここまでの内容を具体例で説明します。 

 ダブルバトルで、エルフーンテラキオンリザードン、霊獣ランドロスという順番で並んでいるとします。エルフーンテラキオンが場に出ています。

 このとき、エルフーンがふくろだたきを使うと、

1回目 威力11(攻撃種族値65のエルフーンの分)

2回目 威力17(攻撃種族値129のテラキオンの分)

3回目 威力13(攻撃種族値84のリザードンの分)

4回目 威力19(攻撃種族値145の霊獣ランドロスの分)

となります。威力が11,17,13,19と変動する連続攻撃技になります。

 控えのリザードンと霊獣ランドロスの順番を入れ替えると、3回目の攻撃が威力19・4回目の攻撃が威力13になります。

 

 

事例外 せいぎのこころ

 

 ふくろだたきとして一番有名なのは、エルフーンのふくろだたきでテラキオンのせいぎのこころ(悪攻撃被弾時攻撃上昇特性)を複数回発動させるギミックです。

 

 しかし、このギミックにおいては、並び順は関係ありません。

 上述のエルフーンテラキオンリザードン、霊獣ランドロスと並んでいる事例で、ふくろだたきの威力がどの順番になろうと、合計ダメージは変わりません。もしダメージを減らせる並び順があるのであれば、テラキオンのHPをより多く残せるのでそうしたほうがいいのですが、どういう並び順でもテラキオンの残りHPは変わりません。

 

 なお、アッキのみは連続攻撃技に対しては連続攻撃終了時に発動するため、テラキオンにアッキのみを持たせる場合も、同様です。

 

 

 

事例1-1 くだけるよろい

 

 これから書くのが、この記事を書くきっかけになった事例です。

 

<戦術>

 以下の記事でメイン戦術としている、くだけるよろいふくろだたきという戦術があります。公式大会で106位を取れたギミックです。

tetspond.hatenablog.com

 エルフーンのふくろだたきで、ポットデスのじゃくてんほけんを発動させ、同時にポットデスのくだけるよろいも4回発動させ、威力220のアシストパワーを使える特攻2段階上昇すばやさ6段階上昇のポットデスを生み出すギミックです。

 

くだけるよろい ふくろだたき

 

<理論>

 このギミックをするとき、ふくろだたきの攻撃のたびにポットデスのくだけるよろいの効果でポットデスの防御が1段階ずつ下がっていくので、後の攻撃のほうがダメージを受けやすくなります。

 これにより、できるだけ攻撃種族値が高い順に前から並べて、後の攻撃になるにつれて威力が低くなるような並び順にすると、ポットデスの被ダメージを抑えることができ、対戦において得です。

 

 理解しやすいように少し大げさな具体例で考えます。20,30,40,50の威力の攻撃を自由な順番で受けられるとして、2回目は威力が実質1.5倍、3回目は2倍、4回目は2.5倍になるとします。

 このとき、実質威力の合計が最も低くなるのは、50,40,30,20という順番で、実質威力50,60,60,50(合計220)の攻撃を受けたときです。

 ちなみに、逆の順番にすると、実質威力20,45,80,125(合計270)になります。

 これと同じようなことが、砕ける鎧叩きで起きます。

 

 

<具体的な計算>

 この構築では、エルフーン・ポットデスを先発に、サワムラーファイアローを後発にするのが基本選出になっています。

 エルフーンとポットデスは攻撃種族値がともに60台であるためふくろだたきの威力は11で変わりませんが、サワムラーは攻撃種族値が120、ファイアローは81であり、サワムラーを3番目にしておくのが良いです。

 

 サワムラー3番目の場合とファイアロー3番目の場合をダメージ計算で比較してみます。

ふくろだたきの計算が可能な理にかなったダメージ計算ツールに、エルフーンの攻撃実数値64とポットデスの防御実数値108を入力し、それぞれのふくろだたき攻撃の威力とその時点のポットデスの防御ランクを入力します。

  エルフーンの分の攻撃が最高乱数以外6ダメージ、防御1段階下降で受けるポットデスの分の攻撃が最高乱数以外10ダメージであるところまでは共通です。

 

サワムラーが3番目

 防御2段階下降の状態でサワムラーの分の威力17の攻撃を受けます。16の乱数のうち、上1つと下5つを考えなければ、ダメージは18になります。

 次に、防御3段階下降の状態でファイアローの分の威力13の攻撃を受けます。16の乱数のうち、上1つと下5つを考えなければ、ダメージは18になります。

 ダメージの合計は、6+10+18+18で52になります。

 

ファイアローが3番目

 防御2段階下降の状態でファイアローの分の威力13の攻撃を受けます。16の乱数のうち、上1つと下3つを考えなければ、ダメージは14になります。

 次に、防御3段階下降の状態でサワムラーの分の威力17の攻撃を受けます。16の乱数のうち、上1つでダメージ26、下8つでダメージ22、それ以外でダメージ24となります。ここではダメージ24とします。

 このとき、ダメージの合計は、6+10+14+24で54になります。

 

 以上のように、乱数によって影響がなくなることもある程度の少しの差ではありますが、控えのポケモンの並び順によってギミック後のポットデスの残り体力が変わります。

 ポットデスの残り体力を確保するため、控えのポケモンは攻撃種族値が高いほうを3番目にしましょう。

 

 

<ポットデス以外の鎧叩きの場合>

 今回は、エルフーンもポットデスも攻撃種族値が60台でふくろだたきの威力が11で変わらないため、2匹の並び順(=先発で左右の配置をどうするか)は気にする必要がありませんでした。ポットデスをグレンアルマ(攻撃種族値60)に変える場合でも同様です。

 しかし、ギミックとしての強さは落ちそうですがソウブレイズ(攻撃種族値125)を叩くなどする場合には、ソウブレイズを1番目に選出する必要があります。

 

 

 

事例1ー2 じきゅうりょく

 

 先ほど紹介した以下記事には、ブリジュラスにふくろだたきを使うルートもありました。

【ポケモンSVダブル】エルポット叩きパ(弱点保険砕ける鎧袋叩き)withトリル下先制サワムラー(すばやさ1809以上) ブルーベリープロローグ最終106位レート1752 - テツポンドのブログ

 弱い攻撃を4回ブリジュラスに使うことで、ブリジュラスのじきゅうりょくを4回発動させ、物理技に強くしながら防御4段階上昇ボディプレスで攻撃していきます。

 

じきゅうりょく ふくろだたき

 

 先ほどとは逆で、攻撃を受けるたびに防御が上がっていきます。

 よって、できるだけ攻撃が低い順に前から並べて、後の攻撃になるにつれて威力が高くなるような並び順にすると、ブリジュラスの被ダメージを抑えることができる場合が多く、対戦において得です。

 

 控えのポケモンの並び順の話の前に、先発のポケモンの並び順について書きます。

 先発のエルフーン・ブリジュラスの並び順について考えます。威力11→威力15か、威力15→威力11かです。エルフーンの攻撃実数値を64、ブリジュラスの防御実数値を166とします。

 威力11→威力15の場合、最高乱数を除くと、2+2で合計4ダメージです。

 威力15→威力11の場合、最高乱数を除くと、3+2で合計5ダメージです。

 エルフーンを1番目にしておくと、防御が上がっていない状態で受ける1回目の攻撃も2ダメージに抑えることができ、得になります。

 

 では、控えのポケモンの並び順についての例を出します。

 控えをカポエラー・テラパゴスとします。ふくろだたきの威力計算はボールから最初に出てきたときのフォルムの種族値を見るという仕様であるため、テラパゴスもノーマルフォルムで考えることとすると、攻撃種族値65により威力11になります。カポエラーは攻撃種族値95なので威力14です。

 防御が2段階以上上がっている状態であれば、威力11の攻撃は最高乱数以外1ダメージになります。つまり、テラパゴスの分の攻撃は3回目でも4回目でもダメージが変わりません、

 一方、威力14の攻撃は、防御2段階上昇だけだと最高乱数以外2ダメージですが、防御3段階上昇であれば最高乱数以外1ダメージになります。カポエラーの分の攻撃を4回目に回すと1得します。

 よって、テラパゴスを手持ちの3番目にするのが良いということになります。

 

 

 ただ、くだけるよろいのケースと違って1桁台のダメージの話なので、絶対に攻撃種族値が低い順に並べるべきというわけでもなさそうです。

 具体的な例は見つけていませんが、「攻撃種族値が高いほうのポケモンを3回目にしても4回目にしてもダメージが変わらないけど、低いほうのポケモンを3回目ではなく4回目に回せばダメージが減るので、そうしたほうが得」というケースがありそうです。

 

 

まとめ

 

 ふくろだたきを、攻撃を受けるたびに防御ランクが変化する特性を持つポケモンに対して使う場合、控えのポケモンの並び順によって、受けるダメージが変化する。

 

 

 

事例2 イリュージョン

 

 防御変動特性持ちへの袋叩き以外に、控えのポケモンの並び順が対戦に影響を与える事例がないかなと考えたら、イリュージョンがありました。ゾロアーク系統専用特性です。

 

イリュージョン - ポケモンWiki

 特性イリュージョンのポケモンは、登場時、手持ちの一番後ろのポケモンに化けて登場します。

 控えの並び順において、イリュージョンの化け先にしたいポケモンは一番後ろにする必要があります。

 

 これも、控えのポケモンの並び順が対戦に影響を与える事例でした。

 

 

 

番外編 かわりもの

 

 控えのポケモンの並び順ではないですが、先発で出すポケモンの並び順が対戦に影響を与える事例があるので紹介します。

 

 メタモン隠れ特性かわりものは、場に出たときに相手にへんしんします。

 ダブルバトルでは、この特性は正面の位置にいるポケモンに対して発動します。相手2匹のうちランダムに発動とかではありません。

 

 最初に場に出たときに、狙いのポケモンメタモンの正面に来るかどうかは、じゃんけんみたいなものなので、選出時点で並び順単体でこうしたほうがいいというものが決まっている物事ではないです。

 メタモンを控えにする場合に、試合が始まってから、狙いのポケモンの正面のポケモンがひんしになるような展開を作ることくらいならできます。

 

 

 なお、

・ダウンロードは相手2匹の防御・特防それぞれの合計値を参照して発動します。

・トレースは相手2匹のうちランダムに選ばれたどちらかを対象として発動します。

・いかくなどは相手2匹に発動しますダブルバトルを何も知らない人の気持ちになって考えると威嚇が対面にだけ影響するというのもあって良さそうな話で、いかく弱体化案としてもありそうですが、現実ではそうはなっていません)

 

 

 

ふくろだたき関連の雑記

 

 これはよく言われている話ですが、ふくろだたきで味方殴りをするとき、殴られるポケモンは1回自分で自分を殴っていることになります。

 

 

 味方殴りをするとき、普通はエフェクトはありません。ただ、打撃音とともにダメージを受けるだけです。

 例 ↓

 しかし、ふくろだたきは味方を攻撃するときもポカポカポカというエフェクトがあります。

 なぜでしょうか。もう味方殴り用の技として公式からも認められているのでしょうか……

 

 

 ふくろだたきは非接触です。

 非接触技の中で屈指の接触している感がある技です。

 

 

 ふくろだたき関連で一番好きな動画はこれです。一撃ウーラオスがあくタイプの確定急所3回連続攻撃をするというコンセプトが面白いです。

第三の型!一撃で連撃なマスターウーラオスを爆誕させて勝ちたいランクマ実況【ポケモン剣盾】 - YouTube

 ※「まもる対策もバッチリ」のところは、ふくろだたきが非接触でふかしのこぶし非対応なので間違いです。

 

 

 

おわりに

 

 ポットデス叩き(エルポット)の構築記事に今回の内容を書くと記事が大きくなりすぎるので、切り離して書きました。ちょうど面白いテーマとして成立するのでちょうど良かったです。

 

 そういえば、エルポットで今月の初レギュFのマスボ上げをしようとしたら、ランク9ゲージ3/4から25勝32敗で57試合かかりました。ランクバトルの環境では弱いということがよく分かりました。

 

 

 お読みいただきありがとうございました。

 

 もし漏れがあったら教えていただきたいです。よろしくお願いします。

 

 

嬉しい反応

(この知識を有効になる構築は少ないですけどね)

 

 

 

 

 

 

 

 

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