ゆびをふる限定大会で初手わるあがきをしたい!
はじめに
ポケットモンスタースカーレット・バイオレットの特殊ルールにおける特殊行動についての記事です。
本記事は、2023/7/9時点、ポケモンHOME解禁後・DLC前のパルデア入国ポケモンのプールで考えて書かれています。
ゆびをふる限定大会は、特殊ルールのポケモンバトルの定番の一つです。ゆびをふるだけを覚えたポケモン同士で戦うというルールです。
ゆびをふるだけを覚えているポケモンで参加するというルールを守りながら、開始1ターン目から「ゆびをふる」ではなく「わるあがき」を使う方法があります。今回はそれについて書きます。
- はじめに
- 初手わるあがき
- 各ポケモンの初手わるあがきの火力
- 初手わるあがきの実用性
- 初手わるあがきをする意味
- 本記事の大規模修正について(2023/7/10追記)
- 初手わるあがきヒスイドレディア育成論
- おわりに
初手わるあがき
まず、「わるあがき」は、場に出ているポケモンが自身が覚えている技を何らかの理由で全て選択できないとき、「たたかう」を押すと自動的に繰り出される技です。
威力50のタイプ相性判定なしの接触物理技です。タイプ一致ボーナスはありません。使うと自身のHPの1/4の反動を受けます。
開始1ターン目から「わるあがき」を使う方法として、一番一般的なものは、
「とつげきチョッキを持ち、覚えているわざを変化技だけにする」
というものです。
とつげきチョッキを持っていると変化技を選択できないため、最初からわるあがきの条件を満たします。
なお、とつげきチョッキを持つ必要があるため、こだわりハチマキなどの火力アップアイテムを持つことはできないことには注意が必要です。
また、とつげきチョッキを持つことを禁じられているゆびをふる限定大会は多く、そのようなルールがあれば初手わるあがきができないことにも注意が必要です。
各ポケモンの初手わるあがきの火力
めぼしいポケモンの火力指数を出しました。なお、特性すてみは、わるあがきには適用されません。はりきり・テクニシャン・かたいツメなどは適用されます。
火力を分かりやすくするため、無振りゲンガー(HP135,防御80)へのダメージ割合を載せています。
<特性強化なし>
白馬バドレックス
攻撃種族値165
238 * 50 = 11900
無振りゲンガーに41.4~49.6%
※禁止級伝説であるため、通常は参加不可
ケッキング
攻撃種族値160
233 * 50 = 11650
無振りゲンガーに41.4~48.8%
テツノカイナ・ガチグマ
攻撃種族値140
211 * 50 = 10550
無振りゲンガーに37.7~44.4%
<特性強化あり 2.0倍>
特性ヨガパワー
攻撃種族値60
246 * 50 = 12300
無振りゲンガーに42.9~51.1% 5%乱数2発
特性ちからもち
攻撃種族値50
224 * 50 = 11200
無振りゲンガーに39.2~46.6%
<特性強化あり 1.5倍>
ヒスイドレディア
特性はりきり
攻撃種族値105
258 * 50 = 12900
無振りゲンガーに45.1~53.3% 33%乱数2発
ストリンダー
特性テクニシャン
攻撃種族値98
165 * 75 = 12375
無振りゲンガーに43.7~51.8% 11%乱数2発
<特性強化あり 1.3倍>
ニャイキング
特性かたいツメ
攻撃種族値110
178 * 65 = 11570
無振りゲンガーに40.7~48.1%
火力指数順に並べてみました。
12900
ストリンダー 特性テクニシャン 攻撃種族値98
12375
12300
白馬バドレックス 攻撃種族値165
11900
ケッキング 攻撃種族値160
11650
ニャイキング 特性かたいツメ 攻撃種族値110
11570
11200
テツノカイナ・ガチグマ 攻撃種族値140
10550
ヒスイドレディアが火力指数トップとなりました。特性はりきりのこうげき1.5倍+攻撃種族値105により、ゆびをふる大会初手わるあがき選手権1位に輝きました。
なお、ヒスイドレディアはSVでゆびをふるを新規習得しました。
初手わるあがきの実用性
ゆびをふる限定大会で初手わるあがきすることの戦術的価値について考えます。
<前提知識>
わるあがきの反動は自分の最大HPの1/4ですが、これは小数点以下四捨五入です。HPが4n+1の場合のみ4回の反動を受けてもHPが1残ります。つまり、HPを調整すれば最大で5回攻撃できます。
わるあがきで相討ちになった場合、攻撃した側が勝ちます(フレアドライブなどと一緒)。
耐久が低いポケモンを倒せるか、みていきます。攻撃役はヒスイドレディアです。
<仮想敵1>
ゆびをふる限定大会によく出てくるポケモンの中で一番耐久が低いのは、のろわれボディ組(ゲンガー、ポットデス、ジュペッタ)です。
のろわれボディ代表に、物理耐久が一番高いジュペッタを選びます。攻撃も一番高いので(ゆびをふるでは物理技が出やすい)、たぶん、適性が一番高いのはジュペッタです。
努力値が252-4-244-0-4-4、性格いじっぱりのジュペッタに対して、攻撃特化チョッキはりきりヒスイドレディアのわるあがきは、24.5~29.2%の99.93%の乱数4発です。
4回目のわるあがきまでできれば相手をほぼ確実に倒せますが、4回目の攻撃を行うためには、3回目までの自身のわるあがきの反動ダメージを引いた残りの体力で、相手の攻撃を3回耐える必要があります。
よって、相手の攻撃3回での被ダメージが最大HPの1/4以下である必要があります。
無振りのいじっぱりジュペッタの「はたく」2回ですら、B252ヒスイドレディアのHP1/4が削りとられてしまうので、相手が無意味な技を引き続けないと厳しそうです。
さらに、のろわれボディ組は回復アイテムかゴツゴツメットを持っているのが普通です。
ゴツゴツメットの場合、3回目のわるあがきをしたときにドレディアが倒れてしまいます。
回復アイテムの場合、5回攻撃する必要が出てきて、下の仮想敵2と同様の結果となります。
ドレディアが勝つのは難しいです。
<仮想敵2>
H236B20コノヨザルには、17%の乱数4発であり、4回ではほぼ倒せません。5回攻撃する必要があります。
しかし、ドレディアが5回目の攻撃を行うより前にコノヨザルは4回行動します。その中でドレディアのHPを1でも削られていると、ドレディアは5回目の攻撃より前に倒れてしまいます。
相手が無意味な技を出し続けなければ、ドレディアが順当に倒されます。
<結論>
初手わるあがきをしても、勝てるわけではありません。
ゆびをふることと比較して、わるあがきは1回の行動で得られるダメージレースアドバンテージの期待値がとても低いです。
初手わるあがきをする意味
初手からわるあがきをするという面白さ、です。
だいたいの大会はとつげきチョッキが禁止されているので、なかなか使う機会がないですが、ポケモンHOME解禁前の2023/5/7に禁止されていないゆびをふる1on1の仲間大会を見つけたので、わるあがきストリンダーで遊びました。6勝19敗 94人中90位 レート1371.579でした。
でも、もしかしたら、ポケモン指定のゆびをふる1on1で、低耐久のポケモンが指定されていて、とつげきチョッキが禁止されていないなら、考察に真面目に入ってくるかもしれません。
本記事の大規模修正について(2023/7/10追記)
本記事公開の翌日に、記事公開ツイートに対して、
はりきりも補正乗ったはずなので
— #141414くらい (@334_shirimasen) 2023年7月10日
ヒスイドレディアという選択はありませんか?
というリプライをいただきました。
やってしまった!となりました。
火力トップを当初の記事ではストリンダーとしていましたが、本当はヒスイドレディアでした。
本記事は、元々ポケモンHOME解禁前にほぼ書き終えていました。それを記事公開当日に完成版に仕上げて公開したのですが、ポケモンHOME解禁で新たに使えるようになったポケモンをチェックするときに、ヒスイドレディアを見落としてしまっていました。
白馬バドレックス・ガチグマは見落とさず、ゆびをふる使いの攻撃種族値順並べ替え結果(『ゆびをふる』の効果と覚えるポケモン|ポケモン図鑑SV|ポケモン徹底攻略)をストリンダーあたりまで見てはいたのですが、ドレディアのはりきりに気がつけませんでした。今までゆびをふるとはりきりを両立するポケモンがトゲキッス系統(トゲキッスの攻撃種族値は50)しかいなかったため、はりきりへの注意が薄くなっていたことが原因の一つとして考えられます。
誤った情報を一度公開してしまい申し訳ございませんでした。
火力トップのポケモンを間違えていたため、記事全体を大幅に修正しました。
記事タイトルも修正しました。
旧記事タイトル
【ポケモンSV】ゆびをふる限定大会の初手わるあがき(ストリンダーVSチャーレムの火力トップ争い・実用性)
新記事タイトル
【ポケモンSV】ゆびをふる限定大会の初手わるあがき(火力トップのヒスイドレディア・実用性)
初手わるあがきヒスイドレディア育成論
2023/7/10追記
種族値 70-105-75-50-75-105
努力値 220-252-28-0-4-4
個体値 31-31-31-31-31-31
性格 いじっぱり(攻撃アップ 特攻ダウン)
実数値 173-172-99-63-96-126
テラスタイプ 不問
特性 はりきり
持ち物 とつげきチョッキ
技 ゆびをふる
まず、コンセプトにより、攻撃特化にしています。
HPは4n+1として、わるあがき反動以外のダメージを受けなければわるあがきを5回使えるようにしています。ゆびをふるでは物理技が出やすいことから、残りの努力値はほぼ防御に回しています。なお、これは、受けるダメージの物理:特殊が58:42のときの総合耐久最大の配分でもあります(https://yakkun.com/tool/hbd.htm)。
とくこう個体値は、はたきおとす・トリックなどを受けた場合の「ゆびをふる」使用を想定して31としていますが、わるあがきを継続できる場合のみを考慮対象として相手のパワーシェアからの特殊技による攻撃のダメージを軽減するため0とする考えもあります。
今世代特有の要素としてテラスタルがありますが、このドレディアは「たたかう」を押した瞬間に行動選択が終了するため、テラスタルを選択することができません。そのため、相手が原因でとつげきチョッキを失うことがないかぎりは、テラスタルを使うことがありません。
ストリンダーと種族値を比べると、
ストリンダー 75-98-70-114-70-75
ヒスイドレディア 70-105-75-50-75-105
で、耐久微増、火力増、すばやさ大幅増となっています。ポケモンHOME解禁前はストリンダーが火力トップでしたが、上位互換が現れました。
とつげきチョッキを使用可能な仲間大会があったら、このヒスイドレディアでわるあがきしてこようと思います。
おわりに
先週書いたこの記事で触れていた内容を今回書きました。
お読みいただきありがとうございました。
今シーズンのランクバトルは、シングルは化身ランド重力パ、ダブルはメレラキで戦ってみています。ラッキーはちいさくなる没収が痛いです。まねっこちいさくなるも使いにくいです。
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