ランクバトルで、わるあがきで3タテするというのをやってみたい!
はじめに
ポケットモンスタースカーレット・バイオレットの対戦(レギュレーションC)についての記事です。
ポケモンのわざの一つに「わるあがき」があります。
他の普通のわざと違い、このわざは覚えることはできません。覚えているわざをどれも使えなくなったときに、「たたかう」を選ぶと、自動的に出てくるのがこの「わるあがき」です。
かなり好きな技であり、このブログの今までの153のポケモン記事のうち、27の記事がわるあがきカテゴリの記事となっています(初代の151匹のポケモンのうちのどくタイプの割合よりも多い!と書こうとしたら、初代にどくタイプが33匹もいて負けました……多すぎる……)。
わるあがき カテゴリーの記事一覧 - テツポンドのブログ (hatenablog.com)
わるあがきカテゴリに含んでいないものでも、仲間大会振り返り記事の中にわるあがきと関連性が高い大会の参加記録がまぎれこんでいたりもするので、実態はそれ以上です。
ある日、ふと、ランクバトル(通称:ランクマ)で、相手をわるあがきで3タテしたいと思いました。
今回はそれを実現して、ついでにハイパーボール級からマスターボール級へ上がれてしまったことについて書く記事です。
目指していたもの
今回目指していた「わるあがきで3タテ」は、以下のようなものです。
・わるあがき以外の技では攻撃しない(「わるあがきで」なので)
・こちらの1匹のポケモンが相手3匹を倒す(「3タテ」なので)
・ランクバトルの戦いで、行う
当初は、これを満たすのはかなり難しいと考えていたので、1回だけ勝つことを目標としていました。
考察に移ります。
作戦
方針
以下、3タテをするポケモンを「エース」と呼びます。
エースが3タテするためには、エースが先制で相手を一撃で倒していく必要があります。ただでさえ、反動ダメージでHPが削れていくので、相手からの攻撃を受けていたのでは無理であるためです。
そのため、普通に考えると、攻撃とすばやさを上げた状態でわるあがきをする必要があります。先制することについては、トリックルームなどの方法もありますが、今回は置いておきます。
戦術模索
りゅうのまい+バトンタッチ、つるぎのまい+こうそくいどうバトンタッチを検討しますが、数回積み技を使う必要があり、普通にやっていたら無理です。
普通じゃない状況を作らなければならないということで、ディンルーをくろいまなざし+ちょうはつorアンコールではめながら積むというのを考えましたが、バトンタッチも覚えている必要があることから積み技を1種類しか持てないという問題がありました。
ルチャブルがりゅうのまいを覚えていたら、「くろいまなざし、アンコール、りゅうのまい、バトンタッチ」という構成にできたのですが、実際にはつるぎのまいをするしかありません。
りゅうのまい+バトンタッチが使えるポケモンとしてドラパルトがいて、「かげぶんしん、みがわり、りゅうのまい、バトンタッチ」で頑張るかーと考えていたとき、回避バトンの可能性に気がつきました。
フワライドで回避アップをバトンした状態なら、積み技を複数回使うことができます。
そして、フワライドといえば、最近Twitterで関わっているぴらんさんという方が空振り保険フワライドでランクバトルを戦っていました。
このフワライドは理想展開ではすばやさ2段階もバトンできるため、今回のコンセプトにあっています。
ちなみに、このフワライドのバトン成功率の計算について、面白い記事をぴらんさんが書いているのでご紹介しておきます。記事公開後のミスの修正などで筆者もこの記事に少しだけ関わっています。
戦術決定
以下、今回は一回勝つことができればいいので、すばやさ1.5倍のブーストエナジーハバタクカミなどは考慮しないことにします。
エースは、すばやさ実数値104を確保すれば、最速テツノツツミをすばやさ2段階上昇で抜けます。そのため、すばやさ2段階上昇を前提とすると、これ以上のすばやさランク上昇はなくても、なんとかなるものと考えることができます。
そうなると、あとは攻撃を上げるだけです。
つるぎのまい+バトンタッチができるポケモンとして、ハッサムを選びました。他だとリーフィア、ウェーニバルなども候補です。
回避アップと相性がいいみがわり+まもるを覚えさせ、「つるぎのまい、まもる、みがわり、バトンタッチ」のノーウェポン構成にします。
エースには、現在初手わるあがき火力1位のゲップテクニシャンストリンダー(こだわりハチマキ持ち)を据えます。
わるあがきの方法は【ポケモン】初手わるあがきの方法まとめ - テツポンドのブログで書いているとおり、変化技だけを覚えてとつげきチョッキを持つ方法もありますが、こだわりハチマキを持てるぶん、ゲップだけを覚えるやり方のほうが火力がでます。
剣盾の頃から、ストリンダーがわるあがき火力王です。
これで完成です。
理想的な試合展開
1ターン目
相手の攻撃を、テラスタルを駆使してフワライドが耐える。
フワライドのさいみんじゅつ!
2ターン目~
フワライドがさいみんじゅつ、みがわり、ちいさくなるを駆使して、回避アップ・すばやさアップをバトンタッチ
バトンタッチ後
ハッサムが先制でみがわり、まもるを繰り返し、相手の攻撃を避けてみがわりが残るたびにみがわりを盾につるぎのまいを使い、こうげきアップ
こうげき6段階上昇後
みがわりが残った状態でストリンダーに回避アップ・すばやさアップ・こうげきアップをバトンタッチ
バトンタッチ後
ストリンダーがわるあがきを連打して、わるあがき3タテ達成
メンバー
3匹固定選出です。
見せポケには、ゴチルゼル、マリルリ、キノガッサを入れていました。
フワライド
ゴースト・ひこう
種族値 150-80-44-90-54-80
個体値 31-7-31-0-31-31
努力値 0-0-244-0-236-28
性格 ずぶとい(攻撃ダウン 防御アップ)
実数値 225-79-104-95-104-104
テラスタル:あく
特性 かるわざ
持ち物 からぶりほけん
技 さいみんじゅつ ちいさくなる みがわり バトンタッチ
先発ポケモンです。テラスタルを使うことで、相手の攻撃は基本的に1回は耐えることができます。
変化技・眠りを特性で無効化してくる相手はきつめです。
使っていて初めて知った仕様なんですが、相手のみがわりの催眠術無効判定よりも命中判定のほうが先にあるため、相手がみがわりを置いていても、催眠術が外れれば空振り保険を発動できます。
狙えるようなら狙っていき、みがわり相手に催眠を連打する、相手からすると不可解な行動をとります。
ハッサム
むし・はがね
種族値 70-130-100-55-80-65
個体値 31-31-31-31-31-31
努力値 252-4-12-0-92-148
性格 しんちょう(特防アップ 特攻ダウン)
実数値 177-150-122-67-123-104
テラスタル:ほのお
特性:テクニシャン
持ち物:たべのこし
技:つるぎのまい みがわり まもる バトンタッチ
バトン中継ポケモンです。
ほのお弱点を消すためだとみずテラスが採用されがちですが、必中技のトリックフラワーをテラスタル後も半減にするという利点があります(ただし、レギュレーションCはこれでよかったですが、現行のレギュレーションDでもし同じことをするなら連撃ウーラオスを考えてみずテラスにすべきです)。
最初は、攻撃技を覚えていないため、特性むしのしらせ・攻撃個体値そのまま・攻撃下降性格にしていましたが、ちょうはつを受ける機会があったため、そのときに高火力わるあがきができるようにしました。
ハッサムは、「変化技だけを覚えている状態でちょうはつを受けた後の持ち物なしわるあがき」の火力が一番高いポケモンです。今回ストリンダーがエースを務めるのはゲップを覚えるからで、ハッサムにとつげきチョッキではなく技で初手わるあがきをする方法があれば、ハッサムがエースでした。
ストリンダー
でんき・どく
種族値 75-98-70-114-70-75
個体値 31-31-31-x-31-31
努力値 212-252-4-0-4-68
性格:いじっぱり(攻撃アップ・特攻ダウン)
実数値:173-165-91-120-91-104
(テラスタイプ:ひこう)
特性:テクニシャン
持ち物:こだわりハチマキ
技:ゲップ
「たたかう」を押した瞬間、行動選択が終了するため、テラスタルを使うことは不可能です(きのみをトリックされてそのきのみを食べ、ゲップを選択できるようになるという珍事が発生しなければ)。
戦術の項に書いたとおり、攻撃技をゲップだけにすることで初手わるあがきをすることができます。
HPを4n+1にしたときだけわるあがきの反動が最大HPの25%未満になるため、4n+1にして、5回目のわるあがきを使えるようにしています。
攻撃6段階上昇わるあがきは、火力指数74250で、HB特化ロトムすら確定で一撃で倒すくらいの火力です。
絶対にタイプで半減・無効化されることがない高火力の攻撃なので、状況が整えばちゃんと強いです。
実際の試合
負けまくることが想定されたため、ランクが下がることがないハイパーボール級で戦いました。当時は6月だったため、レギュレーションCシーズン7のランクバトルシングルです。
以下は、わるあがきを使った試合のうち印象に残った試合を主に挙げています。
このほか、回避バトンを受けたハッサムがつるぎのまいを連打した時点で降参されることが何回かあり、1回もわるあがきをせずに勝ちました。2試合目に早くもそれで初勝利を飾りました。
印象的な試合1 初めてのわるあがきによる勝利
未来パラドックス統一との戦いでした。
試合は理想どおりに進んだものの、テツノカイナはわるあがきで倒せるかどうかは乱数でした。そこで急所が出て、一撃で倒せました。テツノワダチも倒し、テツノドクガが出てきたところで降参されました。
初めてわるあがきで勝利しましたが、最後の1匹を倒す前に降参されてしまったため、3タテは達成できませんでした。
印象的な試合2 総合時間切れで勝利
ストリンダーが2匹を倒したところで倒れてしまった試合です。こちらに残っているのは、攻撃技がないフワライドとハッサムで、相手のラスト1匹はアマージョでした。
フワライドから入りましたが、倒されてしまって回避バトンからの数的有利維持に失敗したため、ハッサムがHP割合でどうにか有利をとるしか方法はありませんでした。
まず、この試合でまだ使っていなかったまもるを使い、とびひざげりを防いでアマージョのHPを残り半分にし、HP割合で有利になりました。これ以降、相手はとびひざげりを使わなくなりましたが、残りの技が「パワーウィップ」「くさわけ」「じゃれつく」であり、ハッサムのみがわりを1回の攻撃で割れないため、まもるとみがわりを繰り返すことで時間を稼げました。
無事、時間がきて、判定勝ちできました。
今回のテーマと関係がない発見です。
剣盾では、残り0.5秒で試合が終わるタイミングで自分が技選択を完了させると、ラグの関係かそのまま試合が終了していたのですが、今作はラグが少なく、残り0.4秒程度のところで技選択を終了しても試合が1ターン続きました。
@no_TL
— テツポンド (@tetspond) 2023年7月22日
#ポケモンSV #NintendoSwitch
通信ラグと時間切れ判定 pic.twitter.com/MuDOrGDB1E
他の試合で、ゴツゴツメットのせいで2匹しか倒せなかった試合でデカヌチャン相手にまもみがして勝ったこともありました。
印象的な試合3 初めての3タテ
ゆびをふる統一との戦いでした。
理想どおりの試合展開となり、3タテを達成しました。
ただ、ガチパ相手に勝ちたかったため、プロジェクトを継続しました。
印象的な試合4 実質初めての3タテ
24試合目に、サーフゴー、マルチスケイルカイリュー、タスキハバタクカミをわるあがきで3タテしました。カイリューとハバタクカミに対しては2回攻撃が必要だったため、最後はHP1の状態でのわるあがきで決着がつきました。
ストリンダーが攻撃しているところでは、カイリューの1回目のしんそくでみがわりを壊されてしまったため、2回目のしんそくとハバタクカミのムーンフォースは裸の状態で回避することになりました。
最終ターンは、こちらのストリンダーがハバタクカミの上をとっていたので勝ち確定の状態でしたが、最後まで降参されなかったため、3タテを達成できました。
この試合、前半で相手がみがわり相手にトリックをするというミスをしているのですが、トリックを回避すると「しかし うまくきまらなかった!」という表示ではなく技が外れたときのメッセージが出るため、みがわりにトリックが効かないと気がつけないという発見がありました。
印象的な試合5 マスターボール級到達
楽しいので、戦いを続けていたら、2連勝、負け、2連勝と急に勝ちが重なり、勝てばマスターボール級という試合がきました。
相手の初手はロトムです。ハバタクカミへの素交換に対して、こちら催眠術がヒットしました。そのままハバタクカミが居座り、4ターン目に中速起きして攻撃してきますが、ちいさくなる1積みみがわりフワライドに攻撃が当たらず、相手が萎えたのか降参をもらいました。
マスターボール級に到達できてしまいました。
対戦成績
ハイパーボール級
xoxxo oxxxx xxxox xxxxo oxoox xxxoo xxxxx xxxox xxxoo xooo
16勝33敗(49試合)
勝率 32.7%
わるあがきで1回でも3タテできたらいいなーと思って始めただけなので、まさかハイパーからマスターに到達できるとは思いませんでした。
自分でも驚きました。
ハイパーボール級だと、ランクが下がることがないので、大幅に負け越してもどこかで一時的に連勝すればいいんですよね。
今回は、連勝した後、負けでゲージが少し下がりつつも3連勝で一気にいきました。
<チームの振り返り>
戦術はこれでよかったと思っています。今回の戦術を応用すれば、ラブカスが相手を3タテすることなども実現できそうです。
ロトムなどのトリックが辛かったので、見せポケ枠にサーフゴーを置いて変化技の一貫を切るべきだったかもしれません(変化技の一貫を切るという事象が成立する時代……)。
まとめ
2匹がかりでサポートすることで、わるあがきでも3タテをすることができました。
ついでに、ハイパーボール級スタートでマスターボール級に上がることができました。
おわりに
やりたかったことをまた一つクリアできて嬉しいです。
なぜ、こんなにもわるあがきが好きなのか、自分でもよく分かっていません。普遍的でありながらも特殊な感じに惹かれているのでしょうか。
お読みいただきありがとうございました。
今回のチームの戦いを振り返ると、2匹しか倒せずハッサムでTODした試合が一番印象に残っています。遊戯王5D'sでいうところの眠れる巨人ズシンを倒された後のチーム太陽のような、あるいは、「科学のアルバム - アゲハチョウ」のあとがきに出てきた退化した前足を使って歩くアゲハチョウのような、メインとしていたものが崩れてしまってもなんとか前へ進もうとする「まだだ!」という熱さを感じて、良い試合でした。
もしかしたら、ポケモンの技としての「わるあがき」が好きなのは、単純に「悪あがき」が好きだからかもしれないと、書きながら思いました。
(7/27追記)
興味深いツイートを見かけたので、ここで紹介しておきます。たしかに、今回の記事のサムネイルにしている画像だと、技を出しているタイミングなのに「様子を見る」が表示されていますね。たまにこうなるのは知っていましたが、わるあがきが原因なのでしょうか。
ポケモンSV、
— 脳が溶けてる。 (@a3131316) 2023年3月4日
修正されただろうから言うんだけどランクマ中に
わるあがきすると、戦闘ターン中も画面下に
「様子を見る」が出るのは既知だろうけど、
その状態で戦闘ターン終わる直前からYと+ボタンを同時押し(連打でいい)すると割と簡単に戦闘中にメニューバグらしきもの起こせたんですよね
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6657字(追記後6964字)