初めてのシングルランクマッチはゴチルアントでマスターボール級まで行きたい
はじめに
Switchを自分に解禁したので、第八世代のポケモンを4月後半からプレイしています。
初めてのランクマッチはダブルバトルでがんじょうヌケニン縛りで、ビギナー級からマスターボール級まで行きました。
シングルバトルでも同じようなことをしたいと考え、がんじょうヌケニンと同じような無敵系戦術「ゴチルアント」(説明後述)のレンタルパーティーを使ってランクマッチを戦おうと思いました。
ゴチルアントのレンタルパーティーを探しても見つからず、別の面白いレンタルパーティーがないか探していたところ、ある構築とその紹介動画を見つけました。そのレンタルパーティーの中に裏選出として偶然ゴチルアントが含まれていたので、これを使ってランクマッチを戦いました。
禁止伝説1匹ありのシリーズ8の最後の月であるシーズン17で、ゴチルアント戦術に特化した選出(シルヴァディ+アイアント+ゴチルゼル)を毎試合する縛りで戦いました。
結果、ビギナー級ランク1からマスターボール級まで上がることができました。
ゴチルアントとは
アイアントの隠れ特性「なまけ」は1回行動すると次のターンの攻撃ができなくなるという特性です(交代は可能)。
アイアントが覚える技「なかまづくり」は相手の特性を自分の特性と同じにするという技です。
ゴチルアントでは、なまけアイアントが相手のポケモンになかまづくりをします。
その後何らかの方法でゴチルゼルを出して、特性かげふみで相手を交代できなくさせます。そこから、相手が行動するターンはまもる・なまけで動けないターンは積み技を使うことでゴチルゼルの能力を6段階上昇させ、ゴチルゼルで残りの2匹を倒します。
呼び方に関してですが、「アントゴチル」や「アイアンゴチル」も存在します。アイアントが先に出てくるという登場順序から見るとこちらの方が正しいのですが、「ゴチルアント」が一番広く使われているのではないかと思っています。自分自身も登場順序の矛盾を抱えてもなお「ゴチルアント」呼びのほうを使いたいです。
使用したレンタルパーティー
この動画の10分10秒付近で掲載されているレンタルパーティーを使いました。この構築の本来のメインはバチンウニ→フワライド→オーロンゲとつなげるバトン戦術でした。裏選出にゴチルアントが組み込まれています。
オーロンゲのほうの選出もカジュアルバトルやマスターボール級に上がった後に使ったのですが、こちらもよいギミックでとても楽しかったです。ゴチルアント選出より勝率が高かったです。
行動・流れ
1. すばやさが低いポケモンが最初に出てくる読みでアイアントを出す。
または、シルヴァディで相手のすばやさをさげてからとんぼがえりでアイアントと相手を対面させる。
2. アイアントは相手に技「なかまづくり」を使う。相手の特性が「なまけ」になり、2ターンに1回しか行動できなくなる。
3.同一ターンの相手の攻撃でアイアントの持ち物でさる「だっしゅつボタン」が発動して、アイアントが手持ちに戻る(倒されるのでもOK)。ゴチルゼルを出す。特性かげふみにより相手はポケモンの交換ができなくなる。
4.相手が怠けるターンはコスモパワーでぼうぎょととくぼうを1段階アップ
5.相手が動くターンはまもる
6. 4~5を繰り返して、コスモパワーを全て積み終わったら相手が怠けるターンに攻撃する。
7. 残りの2匹と戦い、圧倒的耐久力と威力260のアシストパワーの高火力で倒す。
(能力が合計12段階上がっているとき技「アシストパワー」の威力は20+12x20で260になる)
対戦においては、いかにして2~3の動きを実現するかというところが山場です。相手が先にアイアントに攻撃するとだっしゅつボタンが先に発動してアイアントが何もできないので、そのようなことが起こらないようにします。
注意点
・なかまづくりをするターンに相手が先に行動したかどうかは、なまけのターンに関係ありません。行動した後になまけになっても、なまけになってから行動しても、次のターンは怠けるターンです。
・交代で出てきたターンに特性がなまけになった場合、次のターンは行動できます。
・ミミッキュの特性「ばけのかわ」など、なかまづくりで書き換えができない一部の固有特性があります。
・ゴーストタイプにはゴチルゼルの特性「かげふみ」が無効なので、なまけにしてゴチルゼルを出しても交代されてしまいます。
・相手のポケモンがとんぼがえり・ボルトチェンジを持っていても基本的には問題ありません。とんぼがえりで脱出ボタンが発動した場合は、脱出ボタンの効果"だけ"が発動するようになっています(この仕様に複数回助けられた)。よって、相手に逃げられずにゴチルゼルを出すことができます。この後のとんぼがえりはゴチルゼルのまもるに防がれて不発するので、ゴチルゼル対面でも相手は手持ちに戻ることができません。
ゴチルアント成功の条件 主要なもの
・相手のすばやさがアイアントより遅い
・相手が書き換え可能な特性である
・相手がゴーストタイプではない
・相手がダイマックスしない
・相手がアイアントに攻撃する
パーティーのポケモン
実数値:149-129-164-61-68-160
努力値:124-0-164-0-132
性格:ようき
特性:なまけ
持ち物:だっしゅつボタン
技:なかまづくり ハサミギロチン であいがしら メタルバースト
すばやさ実数値が160しかないことが本当に困りました。アイアントはすばやさ種族値が109なので、すばやさに特化すれば実数値は177まで上がります。すばやさ実数値160だとすばやさ種族値が95のポケモンにまで抜かれてしまいます。ウーラオス・リザードン・サンダーなどの本来ならすばやさで勝っていたポケモンが相手でも、相手のすばやさを下げた状態でアイアントと対面させる必要があります。このことによってシルヴァディの負担が大きかったです。最速なら…という試合は数多くありました。
技について。
ハサミギロチンは数回活躍しました。ちゃんと3割くらい当たってくれました。ゴチルゼルが相手の残りポケモンを倒しきれずに倒されてしまったときには、このハサミギロチンが敵を倒す主な手段になります。アイアントもシルヴァディも攻撃力と高火力攻撃技がないので普通の技では基本的に敵を倒せません。当てることができれば勝ち・外したら返しの攻撃で倒されて負けという場面で当てて勝てた試合がありました。
であいがしらも数回勝ちを掴み取りました。ゴチルゼルが敵をギリギリ倒しきれずにやられてしまい、このままではアイアントが先に相手から倒されてしまう場面で使い、先制攻撃で勝負を決めました。ほのおタイプのエースバーンに対して最低でも2割削れるので、赤ゲージなら倒せました。であいがしらで勝つ試合は総力戦という感じがして終わった後の高揚感がとてもありました。サイコフィールド上だと失敗してしまうので、ゴチルゼルをダイマックスさせるときは特に注意が必要です。
メタルバーストはあまり活躍しませんでした。だっしゅつボタンを持っているときはだっしゅつボタンが発動して手持ちに戻ってしまうので攻撃を受けてもメタルバーストを使えませんし、"だっしゅつボタンを持っていないとき = 攻撃を1回受けたとき"なのでメタルバーストで敵を倒す前に倒されてしまいます。敵を倒すことができたのはゴチルアントが失敗して、HP満タンのアイアント一匹だけが残ったときくらいです(他の手持ちがいなければ脱出ボタンは発動しない)。アイアントはすばやさが高いので優先度0のメタルバーストは失敗することも多いですし、HPが低いので反射ダメージも小さいです。この技の枠は、他に通常攻撃技が一つもないのでアイアンヘッドとかでもいいのかなと思いました。
実数値:177-67-116-161-130-85
努力値:252-0-4-252-0-0
性格:ひかえめ
特性;かげふみ
持ち物:レッドカード
技:アシストパワー 10まんボルト コスモパワー まもる
性格ひかえめのとくこう特化ですが、なまけにしたポケモンを突破した後戦うときにやはりこれくらいの攻撃力があると頼もしかったです。耐久にほとんど努力値を降っていないザシアンを2回で倒せました。とくぼう特化のポリゴン2に対して51.5~60.9%のダメージが入るので突破できます。一方、アシストパワーが効果がない耐久型あくタイプに対してはこれでも火力不足でした。ブラッキーvsゴチルゼルはゴチルゼルが負けました。
レッドカードは勝ちより負けにつながる場面が多かった印象です。
最初はなぜこの道具を持たせているのか分かりませんでしたが、なまけなかまづくりをするまでの間でやっかいな相手が居座っているときに別のポケモンを引きずり出すことに使うためなのかな、と今では思っています。シルヴァディの前でちょうのまいを複数回積んで暴走しはじめたバタフリーをみがわり貫通で相手の手持ちに戻したのが最大の活躍でした。
なまけポケモン突破後に残り2体と戦う場面では、かなり厄介な道具でした。ウーラオスに攻撃を受けた後レッドカードが発動して逃げられてしまい、再び出てきたときにもう一度こうげきを受けて倒されてしまいます。
なまけのポケモンがダイマックスしてまもるを貫通して攻撃してきたときにレッドカードは発動しますが、ダイマックス相手にレッドカードの強制交代は無効であるため、なまけのポケモンが逃げてしまうということは起こりません。この方法でレッドカードが無くなってくれると後で戦いやすかったです。
実数値:201-115-133-115-144-96
努力値:244-0-140-0-124-0
性格:なまいき
特性:ARシステム(ちなみになかまづくり無効特性)
持ち物:こうこうのしっぽ
技:こごえるかぜ でんじは とんぼがえり しっぺがえし
相手のすばやさを下げてアイアントにつなぎます。渋い活躍をしました。
耐久に関しては、こうげきが特性で一段階上がったザシアンのせいなるつるぎを15/16の確率で耐えるのが一番頼もしかったです(インファイトだと倒される)。いじっぱりザシアンのせいなるつるぎ・ようきエースバーンのとびひざげり・ようきウーラオスのインファイトは7/16の確率で耐えます。
「こうこうのしっぽ」を持っていることにより、とんぼがえりをほぼ確定で後攻で行えます。これによりアイアントの脱出ボタンの誤作動を防止することができます。また、あまり使うことがないですがしっぺがえしの威力が100になりやすいです。
相手がこうこうのしっぽ交換会をしてくるときが2~3回ありました。相手がこうこうのしっぽを持っているととんぼがえりが先制になってしまうことがありアイアントの脱出ボタン誤爆の危険が生じました。
ひかえ
バチンウニ フワライド オーロンゲ
行動について
「でんじは」か「こごえるかぜ」か
シルヴァディはすばやさを下げる技を2種類覚えているので、うまく使い分けることでゴチルアント成功確率上昇を図りました。
<でんじは>
交代されてもすばやさ低下が続く
相手のすばやさを上げる行動に対して対抗できる(ダイジェットを受けてでんじは、次のターンダイジェットで倒されても相手のすばやさは+-0)
なかまづくりをするターンに相手がしびれてしまうとせっかくの脱出ボタンが発動せず、次のターン相手に交換で逃げられてしまう
<こごえるかぜ>
交代されると効果が消えてしまう
どのタイプにも効く
天敵いちげきウーラオス
コスモパワーであげたぼうぎょを無視する急所攻撃をしてくるしアシストパワーが無効という天敵、ウーラオス(いちげきのかた)がいます。
<倒し方>
ようき+いのちのたまの火力までならダイマックスであんこくきょうだを耐えることができます。ようき+こだわりハチマキの火力だと9/16で耐えます。まず耐えます。ゴチルゼルのレッドカードは運良く無くなっていることが前提です。
とくぼうに努力値4だけ振ったいちげきウーラオス(HP175)に対して
ゴチルゼルのダイサンダーで97~115のダメージ
エレキフィールドダイサンダーで126~149のダメージ
事前にエレキフィールドを貼れている状態でウーラオスがくるなら、ゴチルゼルは倒されますがダイマックスしたゴチルゼルとアイアントでウーラオスを突破できます。エレキフィールドを貼れていなくても運が良ければ倒せます。
なかまづくりをする段階でウーラオスをなまけにするポケモンにできれば、ウーラオスを選出された対戦でも勝ちが近づきます。特性がなまけになっているので、ウーラオスの前でゴチルゼルは堂々とまもるを使うことができます。
(2021/9/5追記 ただし、キョダイイチゲキを積み切っていない段階でうたれるとまずいです。キョダイイチゲキは特性ではなく技の効果によってまもるを貫通します。確定急所技ではないのである程度積んだあとに気がついて使われた場合は問題ないです。)
余談ですが、確定急所型カモネギにも一回あたり、レッドカードによってカモネギに2回攻撃されてゴチルゼルを倒されてしまいかなりギリギリの勝利でした。
他には、バンギラス・ゼルネアスなどがつらいです。
シルヴァディ先発時の物理ポケモンの初手ダイマックスに対して
1ターン目
シルヴァディが相手の攻撃を耐える(ダイナックルはインファイトなどより威力が低下するのでインファイトなら倒される敵でもダイナックルなら耐えることが多い)・シルヴァディが相手のすばやさ下げ
2ターン目
アイアントに交代してダイマックス技2ターン目を受けて耐えて脱出ボタン発動・再びシルヴァディへ
3ターン目
だいたいシルヴァディが倒される・とんぼがえりを選択して、倒されなかった場合もアイアントに繋ぐ
4ターン目
アイアントのなかまづくり
という流れで、相手にダイジェットを連発されなければやりすごせました。
なお、特殊アタッカーの場合は、2ターン目にアイアントを出すと倒されてしまうのでかなり苦しいです。とくこう努力値0のサンダーのほうでんベースの威力130ダイサンダーでも一撃で倒されます(DSアイアントだったならひかえめCSサンダーの威力130ダイサンダーも乱数で耐え)。
なかまづくり連発
なかまづくりをしたターンに相手が変化技を使って、脱出ボタンが発動しなかったときについて。
相手がすべてアイアントより遅いなら、居座って次のターンなまけることが多かったです。次ターン(なまけるターン)に相手が交換してきても、また行動するターンですばやさが低い相手と対面して同じ構図を作れます。
相手にすばやさが高いポケモンが多かったりしたときは一か八かゴチルゼルに普通の交代をします。相手が居座っていればキャッチ成功・相手も交換して失敗したらシルヴァディに交換してもう一度挑戦します。
相手が交換を連発するときはハサミギロチンをうちました。
ヌケニンを出されたとき
シルヴァディのしっぺがえしで倒します。
アイアントはヌケニンの特性を書き換えることができますが、その後一度手持ちに戻ってからであいがしらを使わないと倒せません(ハサミギロチンは特性がなくなってもタイプ相性によりゴーストタイプに無効)
TOD
こちらが3匹全員残っている状態で、たべのこし持ちの相手をなまけにしてゴチルゼルが捕まえることができた場合。10まんボルトで少しずつ相手にダメージを与えてたべのこしのエフェクトを稼いでできるだけ時間を使ってから倒すと、時間切れ判定で勝つことができます。
相手の後ろにあくタイプがいることが予想されるときなどはこれにより安全に勝つことができます。
おわりに
戦績は45勝41敗でした。りゅうのまいやダイジェットの連発で一方的に3タテされる試合も結構ありましたが、その分ゴチルゼルでなまけポケモンをキャッチしたときの感動は大きかったです。
ゴチルアントは害悪と評されることもありますが、対戦を重ねる中で戦術・かけひきの勝負という一面がかなりあることが分かりました。ゴチルゼルがキャッチして積んでいる場面が一方的なので害悪と呼ばれるのかもしれませんが、その前後はとても楽しく、また今作では積んでいる最中にダイマックスを使ってまもる微貫通でゴチルゼルを削っておくという手段も存在するので面白いです。負けたけどいい試合だったということもありました。
今月になってから隠れ特性のゴチルゼルとアイアントをゲットできたので、自分で最速アイアントを育ててまたゴチルアントをしようと思います。デスバーンを絡めた「デス・ゴチルアント」にも興味があります。
対戦履歴の部分を無くしましたがそれでも7000字くらいの長文になりました。戦術について書くとやはり長くなります。
お読みいただきありがとうございました。
2021/11/14 追記 ゴチルアント関連記事
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