ダブルバトルでもゴチルアントをしたい
はじめに
ポケモンのシングルバトルにおいて、ゴチルアントと呼ばれるなまけアイアントとかげふみゴチルゼルを組み合わせたトラップ系ギミック構築があります。無敵系戦術が好きなのでこのブログではよく登場しています。
一方、ダブルバトルにおいて「ゴチルアント」というと、かげふみゴチルゼルとはりきりアイアントの組み合わせのことを指すようです。剣盾初期環境あたりにいたらしいです。
今回は、ダブルバトルにおいて、なまけアイアントのほうのゴチルアントをするという記事です。
概要
ゴチルゼルのねこだましや、脱出クッション性能がある控えポケモンなどでサポートして、アイアントが2回なかまづくりを使い、場に出ている相手の特性をどちらもなまけにします。これでロックが成立です。
そのあと、ゴチルゼルのかげふみで相手が逃げられない間に、まもると積み技を繰り返してこちらのエースポケモン(今回はジャラランガとします)の能力ランクを上げまくります。こうして最強ポケモンを作り出します。
その後、片方をなまけで放置したまま1匹ずつ敵を倒していき、勝ちます。
(実は敵が同士討ちや味方すてゼリフなどをするとロックが壊れてしまうという抜け道があります。ただし、一部の人しかそれに気がつけないようで、それをされるのは2割程度でした。)
ねこだまし及びなかまづくりがダイマックスには効かないことから、ダイマックスなしのルールでないと非常に遊びにくいです。
何種類か方法があるので、それを紹介していきます。
完全にうまくいった場合の流れについて書きます。実際にはどちらかしかなまけにできないことがあり、その場合は臨機応変に戦う必要があります。
戦術A だっしゅつパックオニゴーリ入り
だっしゅつパックを持ちの特性ムラっけのオニゴーリ
動き
相手のポケモン:出てくる順にa,b,c,d
1ターン目 ゴチルゼルはねこだまし アイアントは敵aになかまづくり
アイアントとのすばやさ関係にかかわらず、敵aはこのターンは行動できる(ねこだましを受けていなければ)
ゴチルゼルのねこだましにより行動できるのは敵aと敵bのどちらか
2ターン目 アイアントをオニゴーリに交換 ゴチルゼルはコスモパワー
このターン、敵aはなまけで行動不能
ターン終了時にオニゴーリのムラっけが発動して何らかの能力が下がり、オニゴーリが持っている脱出パックが発動 アイアントを出す
3ターン目 ゴチルゼルはまもる アイアントは相手敵Bになかまづくり
このターン、敵aと敵bはどちらも行動する
4ターン目 アイアントをジャラランガに交換 ゴチルゼルはコスモパワー
このターン、敵aと敵bはどちらもなまけで行動不能
このターン、敵aと敵bはどちらも行動するが、まもるで防ぐ
以降、偶数ターンはジャラランガのソウルビートとゴチルゼルのコスモパワーorいやしのはどう、奇数ターンは両者まもる
積み終わったら
2nターン目 ジャラランガは敵Aを倒す ゴチルゼルはコスモパワー
敵bはなまけで行動不能
敵bと敵cは行動するが、まもるで防ぐ
2n+2ターン目 ジャラランガは敵cを倒す
敵bはなまけで行動不能
敵bと敵dは行動するが、まもるで防ぐ
2n+4ターン目 ジャラランガは敵dを倒す
敵bはなまけで行動不能
敵bは行動するが、まもるで防ぐ
2n+6ターン目 ジャラランガは敵bを倒す
勝ち
解説
アイアント自身も特性なまけの効果で2ターン目に動けなくなってしまうので、その隙をカバーするためにオニゴーリを採用しました。
脱出パックは能力が下がったときに手持ちに戻るという効果の持ち物であり、オニゴーリの特性ムラっけはターン終了時にどれかの能力が2段階上がってどれかの能力が1段階下がるという効果です。これにより、交換して出してそのターンの終わりに手持ちに戻ってくるという動きができます。1ターンアイアントの身代わりになるという感じです。
オニゴーリは、まもる+かげぶんしん+ムラっけで、ジャラランガの代わりもできます。
1ターン目のねこだましと2ターン目の敵のなまけによって、1~2ターン目の相手の行動回数は2回のみなので、ゴチルゼルはオボンを持たせておけば生き残りやすいです。アイアントは相手よりすばやさが高いなら1ターン目の相手の攻撃1回だけを耐えればいいので、きあいのタスキかこだわりスカーフを持たせます。
アイアントが無傷で、ゴチルゼルのほうが倒されやすそうなときは、ゴチルゼルをオニゴーリと交換します。この場合も3ターン目開始時に"ゴチルゼルと動けるアイアント"という並びになります。
ジャラランガについては、「本戦術のエースについて」の項で詳しく書きます。
戦術B だっしゅつボタンマタドガス入り
だっしゅつボタン持ちの特性かがくへんかガスのマタドガス
動き
相手のポケモン:出てくる順にa,b,c,d
1ターン目 戦術Aと同じ
アイアントとのすばやさ関係にかかわらず、敵aはこのターンは行動できる(ねこだましを受けていなければ)
ゴチルゼルのねこだましにより行動できるのは敵aと敵bのどちらか
2ターン目 ゴチルゼルをマタドガスに交換 アイアントは敵bになかまづくり
マタドガスが場に出ることにより、化学変化ガス発動
アイアントはなまけの効果がなくなるため行動可能で、敵bもなまけに変える
敵aもなまけの効果がなくなるため行動可能で、敵aと敵bのどちらかはかげふみロック解除のためゴチルゼル方向を狙うことが多いので、マタドガスが攻撃されて、脱出ボタン発動 ゴチルゼルを出す
マタドガスが場からいなくなり、化学変化ガスの効果が切れる これにより、このターン行動していたアイアントと敵aと敵bは次のターンなまけで行動できなくなる
3ターン目 アイアントをジャラランガに交換 ゴチルゼルはコスモパワー
敵aと敵bはどちらもなまけで行動不能
以降の流れは、ターンの偶奇だけ異なるものの、上記の戦術Aと同じ
解説
アイアントのなまけの隙を特性無効化によってカバーするため、マタドガスを入れました。
脱出ボタンは攻撃を受けたときに手持ちに戻る持ち物であり、かげふみロック解除のためにゴチルゼルに飛んできた攻撃を受けて発動します。特性により相手のなまけも無視されるため、どちらか一方は攻撃してくれることが多いです。
化学変化ガスが切れるターンに特性なまけのポケモンが行動していた場合、次のターンそのポケモンはなまけます。この仕様のおかげで、敵aと敵bの行動ターンが統一されるのでロックが成立します。
相手の行動回数は1ターン目の1回と2ターン目の2回の合計3回。ゴチルゼルの被弾回数は、2ターン目にマタドガスが集中攻撃されていた場合は2回、そうでなければ1ターン目の1回のみ。今回も、アイアントのすばやさが相手よりも高い場合は相手の攻撃1回を耐えられればいいです。
戦術C だっしゅつボタンいえき入り
だっしゅつボタンを持ち、「いえい」を覚えるポケモン
いえき使いはアーゴヨンとします(剣盾ではいえき持ちで最速)
動き
相手のポケモン:出てくる順にa,b,c,d
1ターン目 アーゴヨンはアイアントにいえき アイアントは敵aになかまづくり
いえきでアイアントは特性の影響を受けなくなる
2ターン目 アイアントまもる (ゴチルゼル敵bにねこだまし)
いえきのおかげでアイアントは行動可能
3ターン目 ゴチルゼルまもる アイアントは敵bになかまづくり
相手は両方行動
4ターン目 アイアントをジャラランガに交換 ゴチルゼルはコスモパワー
相手は両方なまけで行動不能
以降は同じ
解説
アイアントのなまけの隙を特性無効化によってカバーするため、「いえき」を使えるポケモンを入れました。
アイアントがいえき状態になると、なまけが発動しなくなります。いえき状態であっても特性は持っている扱いにはなっているため、なかまづくりで相手をなまけにすることはできます。
相手2匹のなまけのタイミングを統一させなければならない関係で、上のように一度まもるを挟む動きになります。
ゴチルゼルにねこだましの技枠を割いていて他の動きもうまくいった場合は2ターン目にアイアントがまもる必要がないので、ただの脱出ボタン持ちで良くなりいえきの意味がなくなります。しかし、アイアントの連続行動か可能になることで相手のまもるに対していくらかどうにかできるようになるなど、いえきの良いところもあります。
いえき前に脱出ボタンが発動してしまっても2ターン目にアイアントを生き残らせやすいという点で、戦術Cにおいてもゴチルゼルのねこだましはあると便利です。
本戦術のエースについて
エースポケモンの技構成は、まもるがこの戦術において必須であることから以下のどちらかになります。
「まもる 積み技 攻撃技 攻撃技」
「まもる 積み技 積み技 攻撃技」
今回は最強のポケモンを作り出そうというコンセプトにそって、耐久と火力と素早さを全て上げたいので、そのようなポケモンを探します。
(1)
「まもる 積み技 積み技 攻撃技」の使い手としては、以下のポケモンが考えられます。
りゅうのまい+コスモパワー:日食ネクロズマ レックウザ など伝説幻のみ
攻撃技が一つだけですが、無効化されないタイプ一致技を上に挙げた全ポケモンが持っているので、戦えそうです。
(2)
「まもる 積み技 攻撃技 攻撃技」の使い手としては、以下のポケモンが考えられます。
ソウルビート:ジャラランガ
(3)
すばやさは上げないなら、
てっぺき+ドわすれ+ボディプレス:コータス レジスチル など
ビルドアップ+ドわすれ:ラグラージなど
てっぺき+めいそう:カプ・レヒレなど
など
(4)
他に、
コスモパワー+アシストパワー:ピクシー ネイティオ ルナトーン ソルロック ネンドール シンボラー ゴチルゼル(ゴチミルは覚えない) オーベム 各種ネクロズマ
かげふみゴチルゼルにくろいまなざしを覚えさせるということをすれば、あらかじめにげられない状態にすることではいすいのじんを連打可能になるタイレーツも候補に上がります
このようにいろいろいるわけですが、ジャラランガの良いところ悪いところはこんな感じです。
良いところ
特性ぼうおん:ほろびのうた・ほえる・ハイパーボイス耐性が優秀
ステータスが高い
1ターンに4匹が行動するぶん、シングルに比べてロック成功時にも時間切れ判定負けに注意しなければならないが、積み技の回数が6回で済む(=12ターンあればいい)
悪いところ
片方しかなまけにできずソウルビート1~2回の場合、やはりフェアリーがきつい
タイプ一致技に無効タイプがある
ソウルビートを使う関係で、ゴチルゼルにはいやしのはどうが必須になり、技枠の関係でゴチルゼルがコスモパワー+アシストパワーをする選択肢は取れない
技は、タイプ一致+フェアリーに抜群になるタイプの技の組み合わせにして、いろいろ試しました。
全能力アップにしてみたいという欲求が、ジャラランガを選んだ理由として一番大きいかもしれません。
滅びの歌を使われたときは、ゴチルゼルと相手が倒れるまではソウルビートを積み続け、滅びカウントが0になったあとは相手2匹をジャラランガが倒します。
成績
全てエース枠はジャラランガ
ランクバトル
ダイマックス禁止禁止伝説ありシリーズ10のシーズン22最終日(10/1)
最高8575
1万位あたりから使って、1万位付近をうろうろ
残っていたメモ↓
ソウルビート積まず勝ち 0回
ソウルビート積まず負け 2回
ソウルビート少し積んで勝ち 2回
ソウルビート少し積んで負け 4回
味方とんぼで負け 1回
癒しと徹底で退場からのルリバーンで負け 1回
味方倒しで負け 1回
ロック完成して途中で味方殺しされるが勝ち 1回
ロック完成して降参されて勝ち 8回
ロック完成して切断されて勝ち 1回
ロック完成して負け 0回
ロック完成して積み切って切断されて勝ち 1回
ロック完成して積み切って全部倒して勝ち 2回
仲間大会
6/19 スパイク市街戦(ダイマックス禁止ダブル)
9勝4敗 レート1567 9位
1/23 Reまる杯(上位30禁止ダイマックス禁止ダブル)
脱出パックオニゴーリ・いえきデンチュラ軸(見せポケ:シザリガー)
2勝13敗 レート1377 最下位
ダイマックス禁止の仲間大会で過去に二度戦いましたが、結果が全然違いました。
2回目のほうはトノグドラがめちゃくちゃ多くてそれに対してとても弱かったのが原因の一つではありますが、それだけでは説明がつかないくらい負けました。
関連資料
今回の内容は、ヒトツキ入り必中零度パーティーと違ってパデックさんの動画に影響を受けたわけではなく自力考案なのですが、なまけを絡めてゴチルゼルがキャッチしつつジャラランガが全能力アップするというのはパデックさんが既に動画を投稿されています(https://www.youtube.com/watch?v=z054LiOkr2E)。
違うところは、こちらはアイアントで2回なかまづくりをするところに固執していて、脱出系アイテムを駆使してまでそれをサポートしているところです。汎用性の観点から、パデックさんの動画内の構築のほうが強いと思います。特に、ダイマックスありルールにおいては。
なまけの仕様、まだ覚えきれていないです。
ここに書かれている化学変化ガス関連の仕様を今回利用しました。
おわりに
この記事は昨年6月頃からいつか書くと言ってずっと書いていませんでした。ランクバトル ダイマックス禁止ルールが終わって数ヶ月が経ちましたが、このタイミングでやっと書きました。
ダイマックス禁止ルールに適応したダブルの使用済みギミック構築はこれでだいたい各一回は記事を書いた気がします。
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上3つは他人作の構築を使ってみました系記事でした。ダイマックス禁止ルールの頃にどれも自作バージョンで戦ってはいて、ふしぎなまもりポリゴン2構築は自作のほうが改善されている自信があったりなどするのですが、一度記事を書いた後だと他の内容の記事を優先させがちなので、今後しばらくはこれらについては書かないと思います。
そういえば、ギミックは要素で捉えると根本はそう変わらずいくつかに分類できるという文章をどこかで見たことがあるのですが、なまけ絡みのギミック、特にともえなげループって、分類できるんですかね……
お読みいただきありがとうございました。約6700字でした。
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