メガゲンガーがいない世界でも、滅びの歌だけで勝ちたい
はじめに
ポケットモンスタースカーレット・バイオレット(ポケモンSV) ランクバトルシリーズ2シーズン3 シングルバトルの特殊戦術構築記事です。
ほろびのうたという技があります。
効果:場に出ているすべてのポケモンをほろびのうた状態(なったターンの3ターン後のターン終了時にひんしになる・交代で解除できる)にする。
このほろびのうたという戦術で相手を倒すことを戦術としたパーティーは滅びパと呼ばれ、中でも勝ち筋をそれに絞っているものは純正滅びと呼ばれます。
ダブルバトルにおいては、SV発売後の第九世代においても、純正滅びパが存在しています。シングルにおいても、かつては、かげふみとほろびのうたを両立できるメガゲンガーがいたことから、メガゲンガー+ソーナンス+モロバレルなどの脱出ボタン持ちのような純正滅びが存在していたようです(シングルだと「純正滅び」という呼び方は使われていなかったかも)。
しかし、メガゲンガーがいなくなったあと(第八世代〜)のシングルバトルでは、純正滅びは死滅していました。
そんな中、第九世代SVにて、サケブシッポの登場により、ある程度の勝率を確保可能なシングルの純正滅びができることを発見しました。
「全ての試合において、ほろびのうたで相手3匹を倒す」というコンセプトのもと実際に戦い、マスターボール級に到達することができました。
概要
サケブシッポの脱出ボタンからのゴチルゼルのかげふみキャッチで1匹、
サケブシッポの歌ってからの退場からのゴチルゼルのかげふみキャッチで1匹、
最後1on1をチルタリスが制して1匹、
と相手を倒して勝ちます。
裏選出などは用意せず、全ての試合に、この「ほろびのうたで相手全員を倒す」という布陣で臨みます。
理想の動き
1ターン目
サケブシッポ ほろびのうた
相手ポケモン 攻撃 サケブシッポ脱出ボタン発動
ゴチルゼル登場
相手滅びカウント3
2ターン目
相手ポケモン 100%ひるみ 行動不可
相手滅びカウント2
3ターン目
ゴチルゼル まもる
相手滅びカウント1
4ターン目
サケブシッポに交換
相手ポケモン 攻撃 サケブシッポ耐える
相手滅びカウント0 倒れる
あと2匹倒せば勝ち
5ターン目
サケブシッポ ほろびのうた
相手ポケモン 攻撃 サケブシッポ倒れる
ゴチルゼル登場
6~7ターン目
3~4ターン目と同じく、ねこだまし→まもる
8ターン目
相手滅びカウント0
あと1匹倒せば勝ち
9ターン目
ゴチルゼル ちょうはつ
チルタリスを出す
10ターン目
チルタリス ほろびのうた
相手滅びカウント3
11ターン目
チルタリス まもる
相手滅びカウント2
12ターン目
相手滅びカウント1
トリックルーム終了
13ターン目
相手滅びカウント0
勝ち!
<まとめ>
滅び脱出 ねこ まもる シッポだし 滅び退場 ねこ まもる トリル 退場 滅び まもる 飛翔 着地
パーティー
レンタルパーティーを公開します。見せポケは出すことを想定していません。
チームID 2PSBG7
2023/12/03
公開枠の関係でレンタルパーティーの公開を停止しました。もし必要であればTwitterなどでご連絡ください。
耐久の努力値は
を使って総合耐久が最大になるように配分しました。
サケブシッポ
種族値 115-65-99-65-115-111
個体値 31-x-31-x-31-31
努力値 252-0-4-0-0-252
性格 おくびょう(すばやさup 攻撃down)
実数値 222-x-120-x-135-179
テラスタイプ ノーマル
特性 クォークチャージ
持ち物 だっしゅつボタン
技 ほろびのうた まもる アンコール ねがいごと
総合的な耐久を上げた結果、だいたいこのくらいの耐久
物理:陽気ガブリアスのアイアンヘッド2回をテラスタルなしで確定耐え
特殊:すばやさ上げ調整テツノドクガの毒テラスヘドロウェーブ2回をテラスタル込みで99%耐える
相手の攻撃2回を耐えることが現実的に可能である高速ほろびのうた使いという、シングル純正滅び界の救世主です。
シリーズ2から、使えるようになりました。
アンコールとねがいごとは他に変えても良さそうです。
テラスタイプについては、耐久が高いため、半減で受けることより弱点をつかれないことを重視してノーマルにしました。弱点の格闘は元タイプだと1/4で、相性がいいです。
ゴチルゼル
種族値 70-55-95-95-110-65
個体値 31-x-31-31-31-0
努力値 252-0-196-0-60-0
性格 ずぶとい(防御up 攻撃down)
実数値 177-62-154-115-138-70
テラスタイプ フェアリー
特性 かげふみ
持ち物 ナモのみ(悪半減)
特性かげふみによって、ゴーストタイプ以外の交換を封じます。
すばやさ個体値0ですが、カバルドンの上から挑発を使ってほえる/ふきとばしを防ぐために、性格の下降補正をかけないということに落ち着きました。
ゴチルゼルの弱点は、ゴースト、むし、あく。
ゴースト技を被弾する状況は相手がゴーストタイプであることが多く負け濃厚、とんぼがえりを被弾する状況もキャッチに失敗しているので負け濃厚、とんぼがえり以外のむし技は少ない、ということで、勝ちを拾いにいけるのは悪タイプ半減だと思い、ナモのみを持たせました。
ゴチルゼルのねこだましは、シングルでは全然見ず、ダブル限定のようなところがありますが、今回の戦術においてはとても優秀です。ゴーストにはとおりませんが、元々負け濃厚なので実質問題なしです。
チルタリス
種族値 75-70-90-70-105-80
個体値 31-x-31-31-31-0
努力値 252-156-0-100-0
性格 のんき(防御up すばやさdown)
実数値 182-84-143-90-138-76
テラスタイプ ノーマル
特性 しぜんかいふく
持ち物 オボンのみ
技 ほろびのうた まもる そらをとぶ ほのおのうず
理想の動きだけを考えるなら、きあいのタスキなどのほうが良い(つららばりを考えるとそうでもないかも)かもしれないですが、理想のままに運ぶ試合というのはわずかであるため、それ以外の場合で耐久をあげるため、オボンを持たせました。
進化前チルットがノーマルタイプであるため手に入れやすいノーマルテラスタルは、弱点技を受けないことを重視するならチルタリスと相性がいいです。そのため、ノーマルテラスタルにしました。
最遅にしてもそこそこの速さになってしまいます。ラス1勝負で遅いポケモンが相手だと、滅びの判定が先になり、先に倒れたという判定で負けてしまうことに注意です。
当初、この枠はマリルリ(今作うずしおを覚えない)でした。しかし、イレギュラーな展開が多発するなか、耐性が劣ってでも交換封じができるポケモンが必要だと考えました。
くろいまなざしとゴーストダイブを覚えて、持ち物考慮で同程度の耐久を持つムウマも候補ですが、弱点が重なり気味だったり、パーティー全体のゴーストのとおりが良くなりゴーストを呼びやすいので、チルタリスになりました。
見せポケ
ゴーストタイプ、特に初手のゴーストタイプを牽制するため、このような悪3匹を入れました。ゾロアークとサケブシッポの相性は悪くないです。
テクニック
(1)交換連打対応
相手の2匹目に対してサケブシッポ(以下、サケシとします)がほろびのうたを使ったとき、相手がサケシを倒してくれず交換を繰り返すときがあります。
そのときは、構わずほろびのうたを連打します。サケシが滅びで倒れるターン、サケシが行動できているなら相手のポケモンに滅びが入っているはずです。そのままゴチルゼルを出して理想の動きに持ち込めます。
(2)サケシ消耗対応
1匹目を滅ぼすとき、サケシがかなり削れてしまい、ゴチルゼルからサケシに交代できない場合があります。
そのときは、チルタリスを経由します。チルタリスが素で相手に滅びを入れた後、サケシに交代します。相手が攻撃以外ならサケシを場に出せますし、攻撃でサケシが倒れてもゴチルゼルで滅びキャッチできるので本来の目的は達成できます。
(3)トリルターン管理
チルタリスに残ったトリルターンが2ターンであれば、ほろびのうたの直後に飛びます。
弱み
・ゴーストタイプ
かげふみ・ほのおのうずにより交代封じが効かず、交代され滅びを解除されてしまいます。基本的に勝ち目はないです。
ただ、そのことを相手が気がつかなかったり、テラスタルしてくれたり、最後の1匹だったりすると、勝てる場合があります。ゴーストタイプを1匹選出された試合でも何回か勝っています。
サーフゴーはほろびのうた自体が効かないので、本当に無理です。初手でサーフゴーを見て降参を選ぶレベルです。おかしすぎる特性です。
・交代技
脱出ボタンに相手1匹目のとんぼがえりなどが当たった場合はボタンのみが発動してキャッチできますが、その後ねこだましの次にまもるを2回成功させないといけません。確率1/3。1匹目はこれでたまに倒せますが、2匹目の交代技は無理です。
バトンタッチなら滅びカウントを引き継ぐのでOKです。知らない人もそれなりにいるので、滅び最終ターンにゴーストタイプにバトンタッチしてくれてとても助かった試合もありました。
・サケシ何もせず脱出
サケシは、より速いポケモンに攻撃されると何もせずに退場してしまいます。これによってイレギュラーな展開になる試合が本当に多かったです。チルタリスのほのおのうずなどで頑張ります。不利ですが、必ず負けたわけではありませんでした。
・挑発
ほぼ何もできなくなるので、無理です。
・耐久不足
テラスタルを1回しか使えない関係でチルタリスが弱点をつかれたり、そもそも数値的に耐えることができなかったり、耐久が足りずに負けることもあります。
戦績
ランク9 スーパーボール級 ゲージ3/4からスタート
スーパーボール級 マリルリ時代
勝てばハイパーにすぐ上がれる初戦で負けたことを皮切りに、27試合した時点で6勝21敗など大きく負け越し、スーパーボール級の最下層であるランク7ゲージ0まで落ちました。
その後、立ち回りが少しずつ向上してきたこともあり、少し勝率が増えました。
32試合(9-23?)ほどしたタイミングで、マリルリour チルタリスin
スーパーボール級 チルタリス時代
勝ち越して(14-9?)、ハイパーボール級ランク10に昇格しました。
ここまでの合計:23勝32敗
ハイパーボール級 テラスタイプ妥協時代
ハイパーボール級はランクは10の1つだけであるため、どれだけ負け越してもランクダウンはありません。一安心。
13勝32敗 ここまでの合計:36勝64敗
チルタリスが入ってからの勢いは、ハイパー昇格とともに消えてしまい、ゴーストやら高速ポケモンやらに苦しめられました。相手のミスにより拾える勝ちも少なくなりました。
30試合くらいして、やっと初めて連勝できました(連勝時はゲージの伸びが良いので、連勝が大事)。
ハイパーボール級 レンタル時代
このときまで、サケブシッポとゴチルゼルのテラスタイプは妥協していました。サケブシッポは無理なゴースト以外を等倍にできるエスパーテラスだったので、そんなに困ることはなかったですが、たまに困ることもあったので、レンタル登録リセットの術を使ってレンタルチームを作りました。ここまで、怪しいかと思い悪タイプを2匹までしか入れていませんでしたが、ゾロアークを追加してサザンドラをマスカーニャにして、高速or強い先制技もちの悪3匹体制にしました。
ここからそれなりに勝てるようになりました。3回目くらいの「あと1回勝てばマスター」の試合で、マスターボール級に上がることができました。
15勝15敗でした。
総括すると、130試合を行い、51勝79敗でした。
到達時の順位は、132731位でした。レートは見ることができませんでしたが、そこから別のパーティーで18勝12敗したタイミングで確認したときにレート1374だったので、到達時は1200台だったかもしれません。
雑記
さいきのいのりを使われ、相手を4回滅ぼして勝った試合がありました。普通はそれをされると勝てないのですが、素交換でキャッチしたりしていたらなんとかなりました。
第五世代以降、くろいまなざしをバトンタッチすることはできません。
相手のサーフゴーに滅びのカウントが入るという珍事がありました。
いったいなぜ・・・(画像の下で答え合わせ)
正解:相手のバトンタッチ
ゲンガナンスは検索するといくつも構築記事がヒットするものの、脱出ボタン持ちと組み合わせた構築記事はほとんどなかったです。ただ、構築記事ではなくツイートなら「ゲンガナンス 脱出」でいくつもヒットすることから、使われてはいたのだろうと推測しています。
みちづれに頼っていない分、過去世代のゲンガナンスよりも純正滅びをやっていると思います。
ほのおのうずでゴーストタイプを倒す試合が30試合に1回程度あるくらいで、あとは滅びか相手の自滅(いのちがけなど)か降参で勝ちました。
おわりに
何かしらのコンセプトパーティーである程度戦えたという実績を作りたい場合、マスターボール級昇格というのがとても良い目標だと思っています。
本当に弱いと、スーパーボールランク7にとどまり続けるので、そうではないということは戦術の一定の実力証明になります。
お読みいただきありがとうございました。
自分の中では、メガゲンガーがいないシングル純正滅びでマスターに到達したことに、ささやかな歴史的価値を見出しております。
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未来パラドックスの名前が「テツポンド」に似ているのが若干気になっています。
6012字 追記後6089字