はじめに
ヌケニンの防御方面の理想個体値について、それを実践したものを含んだ構築記事は既に少しあるものの、それ自体を扱った記事はありませんでした。また、その入手方法について扱った記事もありませんでした。
そこで、この記事でそれについて書きます。入手方法は、ソードシールドでのものについて書きます。しばらくは唯一無二の記事になると思います。こだわりたい人にとっての参考になれば。
- はじめに
- へんしん対策・ダウンロード対策とは
- ヌケニンの防御方面理想個体値
- へんしん対策・ダウンロード対策と実戦
- 理想個体値のヌケニン入手の例
- おまけ1:攻撃と特攻の使わないほう
- おまけ2:HP
- おまけ番外編 元の性格
- おわりに
へんしん対策・ダウンロード対策とは
へんしん対策(かわりもの対策・メタモン対策)
ヌケニンに対して相手がメタモンを出してきて、相手のメタモンがヌケニンに変身したときのことを考えます。
相手のメタモンのHPはそのままなので、相手の場にHP155のメタモンが現れることになります。このとき、HP以外のステータス実数値はこちらのヌケニンのものを参照するので、防御と特防が低いヌケニンであれば相手のメタモンを脆くさせることができます。
味方のじゅうなんメタモンが味方のヌケニンにへんしんを使うということでもしないかぎり、ヌケニンの防御特防の数値はこちらにとっては意味がないので、できるだけ下げておきたいです。
これを、へんしん対策と呼んでいます(ほぼ全てのメタモンは特性かわりものによって変身してくるのでかわりもの対策とも言えます)。
ダウンロード対策(ポリゴン2対策)
ヌケニンに対して出てきた相手のポリゴン2,Zの特性ダウンロードが発動した際、ヌケニンの防御が特防より低ければ攻撃が上がり、そうでなければ特攻が上がります。
ポリゴン族は普通特殊技を使うため、特攻よりも攻撃を上げさせたいです。よって、防御は特防よりも低くしておきたいです。
ポリゴンZは9割近くの特性がてきおうりょくなので、ダウンロード対策は実質ポリゴン2対策とも言えます。
両立
これら2つの対策を行う場合、"防御<特防を保ったまま防御と特防をなるべく低い値にする"必要があります。
防御は実現可能な最低の値にして、特防は「防御より1高い値」になるべく近い数にすると、それを実現できます。
ヌケニンの防御方面理想個体値
ヌケニンは防御を最低値にしつつ特防を防御+1にすることができます。
具体的には
性格の下降補正が使える場合、防御実数値45・特防実数値46です。
性格の下降補正が使えない場合、防御実数値50・特防実数値51です。
性格の下降補正が使えないケースは、素早さに下降補正をかけたいときに発生します。
防御に下降補正をかけられる場合
防御実数値45
性格"さみしがり"(攻撃アップ防御ダウン)や"せっかち"(すばやさアップ防御ダウン)と個体値0~3で、この値になります。
(種族値が10n+5の場所を性格込み最低値にする場合、個体値は0~1だけではなく2~3でも実数値が最低値になる、というやつです。ヌケニンの防御種族値は45。)
特防実数値46
個体値が21~23なら、それぞれ以下のようにしてこの値にできます。
防御に下降補正をかけられない場合
防御実数値50
個体値0~1でこの値になります。
(性格の下降補正がないことにより、個体値2~3だと1大きくなってしまいます)
特防実数値51
個体値がなんであっても努力値を調整してこの値になります。例えば、個体値31かつ努力値4(4~11ならOK)でこの値になります。
防御に下降補正をかけられないときは、ヌケニンを最遅にするためにすばやさに下降補正をかけているときであり、そのときは攻撃252振る以外の努力値は余っているはずです。それを使うことで、どんな特防個体値であっても実数値を51にできます。個体値0でも特防128振りで51になります。
へんしん対策・ダウンロード対策と実戦
どういうときに実際に活きるのかについて書きます。
へんしん対策
以下、ヌケニンは攻撃特化とします。
防御
ヌケニンがもし「いじっぱり・防御個体値31」だった場合、ヌケニンになったメタモンに対してかげうちを使っても70~85%しかダメージが入りません。「さみしがり(防御ダウン)・防御個体値31」だった場合も、78~94%のダメージです。
しかし、「さみしがり・防御個体値0」であれば、確定で倒せます。ちなみに、実数値が最低の45から1だけ増えると、1/16の確率で耐えられます。
すばやさに下降補正をかけられない場合でも、防御を最低の50にしておけば50%(ステルスロック1回込みなら100%)で倒せます。
以上のことから、ヌケニンの防御を低くしておくと、ヌケニンとヌケニンになったメタモンが対面したときに、メタモンがかげうち以外の技を選んだならヌケニンのかげうちで倒せます。
スカーフメタモンがかげうちを選んだときは、こちらのヌケニンが倒されてしまいますが、残りPP4のかげうちでこだわったメタモンが場にいる状態でこちらの後続を出せるので、積み技使いなどを出せば有利に働く場合もあります。
特防
特防個体値が個体値31の実数値50から個体値23の実数値46に変わることで起きるダメージの変化について、思いついて実際に差があったものを書きます。
・ヌケニンになったメタモンに対する性格無補正無振りポリゴン2のシャドーボールは、実数値50なら12.5%で耐えられますが、実数値46なら確定で倒せます。
・上記のポリゴン2をカプ・レヒレにした場合、実数値50なら68.75%で耐えられますが、実数値46なら12.5%でしか耐えられません。
・ヌケニンになったメタモンに対する性格無補正の努力値4振りガオガエンのバークアウトは、実数値50なら確定で耐えられますが、実数値46なら62.5%でしか耐えられません。
ダウンロード対策
ヌケニンに対してポリゴン2が出てきて、シャドーボールやイカサマを考慮してヌケニンを別のポケモンに交換するとき、相手が使うのが特殊技であればそのポケモンへの負担を減らせます。
理想個体値のヌケニン入手の例
実際にソードで理想ヌケニンを育てるために行ったことを紹介します。一例なので、他にもっと効率の良い方法はあるかもしれません。
すばやさに努力値を振るタイプのヌケニンを育てるという設定で進めます。
STEP1 捕獲
ヨロイのマップのハニカーム島で野生のミツハニーをたくさん捕まえる
ミツハニーを捕まえて、目当ての個体値を探し、そこからタマゴグループ:むしを通してツチニンにその個体値を遺伝させようとしました。
ミツハニーは以下のような点で適しています。
・オス比率が高い
ミツハニーは87.5%がオスです。ツチニンに個体値を遺伝させるためには、メスのツチニン+オスの理想個体値持ちの組み合わせにしなければならないので、オスのほうがよく、ミツハニーが適しています。
・レベル60固定
個体値0,30,31はジャッジ機能の表示ですぐに判別できます。しかし、中途半端な個体値目当てのときは、理想個体値かどうかを確かめるために実数値を見て判断する必要があります。その判断がやりやすいです。
個体値判定については後述します。
・つかまえやすい
たくさん捕獲する必要があるため、捕まえやすさは時間短縮の役に立ちます。
ハニカーム島を自転車でグルグルしていれば数秒でミツハニーが湧いてくるので、どんどんエンカウントできます。
体力満タンのままクイックボールやリピートボールを投げても、半分くらいの確率でつかまりました。
・おまけ かぜおこしとむしくいついでに遺伝できる
捕まえた時点でミツハニーはかぜおこしとむしくいを覚えていて、そのまま親にすれば生まれてきたツチニンがそれらをタマゴ技として覚えています。ヌケニン唯一のダイジェット手段であるかぜおこしを遺伝できます。
個体値判定について
防御については、1~3でも構わないものの、後述の遺伝作業のことを考えて0(ダメかも)の個体を用意することを推奨します。
レベル60ミツハニーで性格補正がないなら実数値55で個体値0確定です。ジャッジ機能の「ダメかも」表示でも判定できます。
レベル60ミツハニーの特防は、性格補正がない場合は
実数値68:個体値21~22
実数値69:個体値23~24
です。
今回の目当ては21~23。実数値68で、個体値が23なのか24なのか判別したいなら、せいしんのハネ4枚で特防が70になるかどうか(なったら24)調べたり、バトルタワーに連れて行ってレベル50でのステータス(24なら実数値59)を調べたりします。
STEP2 遺伝
防御と特防の理想個体値をミツハニーを確保したら、パワー系アイテムを使ってツチニンにその個体値を遺伝させていきます。パワー系アイテムをミツハニーに持たせることで、対応する箇所の個体値が確定で遺伝します。防御遺伝はパワーベルト、特防遺伝はパワーバンドです。
推奨する流れはこちらです。
攻撃とすばやさの個体値が31のツチニン♀(あかいいと持ち)と、防御ダメかものミツハニー♂(パワーベルト持ち)の組み合わせでタマゴ孵化
↓
防御ダメかも固定で、ツチニンが生まれる
攻撃とすばやさの個体値31、防御個体値が0のツチニン♀を用意
↓
攻撃とすばやさの個体値31、防御個体値が0のツチニン♀(あかいいと持ち)と、特防個体値23のミツハニー♂(パワーバンド持ち)の組み合わせでタマゴ孵化
↓
特防23固定で、ツチニンが生まれる
攻撃とすばやさの個体値31、防御個体値が0、特防個体値が23のツチニンが生まれたら終了
防御個体値1~3ではなく0のツチニンを推奨しているのは、1~3だと最後の段階でのチェックに手間がかかるからです。
ジャッジ機能だと防御は「まあまあ」としか表示されないので、それが遺伝した1~3なのか、遺伝していなくて1~3以外の数なのか、分かりません。確認する方法はあるものの、他の場所が理想の個体が生まれてくるたびにそのチェックをするのは手間がかかります。
かわらずのいしは使いません。さみしがりミントなんてなかなか使わないので、こういうときに使います。
おまけ1:攻撃と特攻の使わないほう
どちらもミツハニールートで防御・特防と同じように遺伝可能
とくこう
ツボツボのパワーシェアを受けて、がんせきふうじでヌケニンを倒されるなどしたあと、後続にまとわりつく(特殊技)を使われた際のダメージまで考慮するなら、最低にする必要があります。
ただし、
・ツボツボの特攻はヌケニン(特攻種族値30)とパワーシェアしたところでそんなに高くならない
・まとわりつくの威力は20ととても低い
・ツボツボはがんせきふうじをよく持っていることから、ヌケニンをくり出すことはほぼない
などの理由から実際にほとんど影響がなさそうです。
こうげき
(完全特殊ヌケニンの場合、攻撃の値を使いません)
ちからをすいとるの相手の回復量を下げたいなら、最低にする必要があります。
ツボツボのパワーシェアを受けて、がんせきふうじでヌケニンを倒されるなどしたあと、後続にがんせきふうじ(物理技)を使われた際のダメージまで考慮するなら、最低にする必要があります。
一方、メタモンにコピーされたときに、混乱自傷のダメージを大きくしたり、ちからをすいとるの回復量を上げたいときは、最高にする必要があります。
おまけ2:HP
どんな個体値であっても実数値は1になるので、なんでもいいです。
おまけ番外編 元の性格
HPが1でありシザークロスがあるにもかかわらず"むしくい"を採用する場合か、なぜか相手に混乱実をトリックされてポットデスのマイナー専用技”おちゃかい”を使われるケースを考慮する場合は、ミントを与える前の性格はまじめなどの無補正性格が良いです。無補正性格なら混乱実を食べて混乱することがないので、自傷ダメージで倒れることもありません。
そんなことになるのは普通ないのでなんでもいいとは思いますが、理想は一応このようになっているので書いておきます。
おわりに
この記事では理想個体値について書きましたが、理想個体でなければ戦ってはいけないということもなく、人生の時間をどのように配分するかは人それぞれです。上位の構築記事でヌケニンが理想防御特防であることはかなり稀で、もやっとはしますが、理想個体でなくても上位に行けること・ヌケニンの防御方面個体値が活きることは少ないことの現れなのかなと思います。
ヌケニンの他にも、妥協するときは、全国大会優勝者がミントを使い忘れていたこと(2020 サマヨールなど)とか、第七世代のレート覇者が努力値を損する性格補正のかけ方をしていたこと(2022/1/12 ガラガラ)とかを思い出すと気が楽になります(挙げた例は妥協ではなくミスですが)。
お読みいただきありがとうございました。約5600字でした。
数日前に勉強のほうの執筆が終わり、このように趣味のほうの執筆をしたりSwitchの封印を解いたりしています。最近の一番の関心は、先月とは別の孵化厳選偽装パでマスターに上がれるかどうかです。
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