パルデア地方ではロック系戦術・耐久系戦術をするのが難しいという話をしたい
はじめに
ポケットモンスタースカーレット・バイオレットの特殊戦術(ダブルバトル)に関する記事です。
2019年11月にギミックを好んでいるシングルプレイヤーの方が投稿した
【シングル】剣盾環境でのギミック構築の苦難 - t/Tのパワフルハーブティー
という記事をなぞったタイトルとなっています。読んだことはある記事なのですが今は削除されてしまったのか見ることができないため、似ているのはタイトルだけだと思います。
- はじめに
- 非攻撃的ギミック構築とは
- 苦難① ヌケニンの不在
- 苦難② 優れたガードシェア役の不在
- 苦難③ ランクリセットor無視の蔓延
- 耐久系構築:ガードシェアラッキーinパルデア
- 苦難④ アイアントの不在
- まとめと可能性
- 雑記
- おわりに
非攻撃的ギミック構築とは
よくあるギミック構築というのは、ギミックで火力を上げます。確定急所の攻撃で特性いかりのつぼの味方を攻撃して攻撃を最大まで上げたり、特性せいぎのこころの味方をふくろだたきで4回攻撃して攻撃を4段階上げたり、きのみを投げつけて弱点保険ときのみの効果を同時に発動したり、というのが例です。
これらのギミックは、ギミックによって得た高い火力で相手を倒すことを目的としています。今回、これらを「攻撃的ギミック」と呼びます。
それに対するギミックとして、今回「非攻撃的ギミック」という言葉を使います。これは、火力を高めることを第一の目的としないギミックを指します。これらのギミックでは、ギミックそれ自体では火力の増強は発生しません。攻撃的ギミックが「相手を倒す状態」を作る一方、非攻撃的ギミックは「相手に倒されない状態」を作ります。
なお、相手に倒されない状態をキープする中で火力を上げていく戦術もありますが、今回はこれらも非攻撃的ギミックと呼びます。
非攻撃的ギミックは、
耐久系:相手の攻撃は封じないが、相手の攻撃で倒れない
ロック系:相手の攻撃を封じる
の2種類が主に存在しています。
苦難① ヌケニンの不在
ヌケニンは、
がんじょうヌケニン
ふしぎなまもりトレース
という2種類の耐久系(の中でも無敵耐久系と呼びたいジャンル)ギミックで必須となる存在でした。
ギミック説明:がんじょうヌケニン
【ポケモン剣盾ダブル】がんじょうヌケニン(+イベルタル)選出縛りで初めてのランクマッチ ビギナー級からマスターボール級へ到達 - テツポンドのブログ
特殊な手順でHP1のヌケニンの特性を「がんじょう」にすることで、HPが満タンかつHPが1である状態を作り出し、どんな攻撃を受けてもHPが減らないヌケニンが誕生するギミックです。
ギミック説明:ふしぎなまもりトレース
【ポケモン剣盾ダブル】ふしぎなまもりポリゴン2をつくる選出縛りで勝率3割台でマスターボール級に到達する - テツポンドのブログ
かがくへんかガスを充満させながら相手に特性トレースを渡してふしぎなまもりをコピーさせ、それを自分のトレースでコピーし、ふしぎなまもりをヌケニン以外のポケモンに与えるギミックです。テクスチャーででんきタイプになったふうせんポリゴン2は、重力地面技・特性無視系以外の攻撃を防げます。
耐久系の中でも、成功したときの無敵具合が大きいので、ロマンがありました。
しかし、今作では、テラスタルとのあまりの相性の良さを危険視され、ヌケニンはパルデアに入国できませんでした。それに伴い、ヌケニンに関連するギミックは一切できなくなっています。残念。
苦難② 優れたガードシェア役の不在
耐久系のうち、ヌケニン絡みのものは特性を利用したものでしたが、圧倒的数値により受ける戦術も存在します。
(一手で決まるのでギミックと呼んでいいか怪しいラインになってきますが、)ツボツボのガードシェアをラッキーに使うことで、ガブリアス5匹分くらいの圧倒的耐久を実現できます。
しかし、今作はツボツボがいません。ツボツボの代わりにメレシーやデスカーンが使われる場合もあるのですが、それらもいません。
なんと、今作、ガードシェアを覚えるのはイエッサンメスだけです。
ツボツボのガードシェアなら、物理は3倍、特殊は1.5倍硬くなるのですが、イエッサンメスのガードシェアだと、物理は1.5倍、特殊は1倍硬くなるだけです。
優れたガードシェア役の不在により、ガードシェアラッキー構築は大きく弱体化しました。
ついでに、ラッキーからちいさくなるが没収されているのも弱体化です。
苦難③ ランクリセットor無視の蔓延
現在の環境では、しれいとうシャリタツ+ヘイラッシャのコンビ、通称「寿司」が暴れています。
シャリタツのしれいとうによりABCDSが2段階上昇するヘイラッシャの対策として、くろいきりなどのランクリセット技、トリックフラワーなどのランク無視の技が環境に多く存在しています。そしてヘイラッシャ自身も特性てんねんにより相手の能力上昇を無効化してきます。
特性でも(苦難①)数値でも(苦難②)耐久ができない以上、防御ランク・特防ランクを上げて耐久をしていくことになるわけですが、上記の寿司対策がそのまま刺さってしまいます。
後述のとおり、まるくなる・めいそうラッキーで戦っていたところ、くろいきりヤミカラスに何回も能力をリセットされました。
耐久系構築:ガードシェアラッキーinパルデア
<戦術概要>
ヤドキングをラッキーに交換しつつイエッサンでラッキーにガードシェアする
モロバレルでサポートしながらラッキーがまるくなる・めいそうを積む
相手の挑発についてはヤドキングのどんかんスキルスワップで対策する
ラッキーのアシストパワーで相手を倒す
あくタイプはモロバレルのどくどくで倒す
ガードシェアは1.5倍だけでも弱くはなかったです。普段のラッキーの特殊方面の3/4くらいの硬さになります。急所で無視されなかったり、ランクとは別なのでまるくなる2回と合わせて耐久3倍になったり、と良いところがあります。
しかし、相手のなんらかの寿司対策が刺さってしまうことが多かったです。ほか、小さくなるがないことにより押し切られて負けることもありました。
シーズン1にて、モンスターボール級から上がれないという結果でした。
苦難④ アイアントの不在
ロック系の非攻撃的ギミックは、相手の特性をなまけに変えるか、相手をわるあがきしかできない状態にするか、概ねこの2種類のどちらかの手段によって、相手がこちらをまともに攻撃できない状態にし、その間に自由に行動して勝ちます。
特性なまけを、技なかまづくりによって相手に与えることができるアイアントは、相手の特性をなまけに変える手段を用いる場合必須の存在でした。
・2体なまけにする戦術
脱出パックオニゴーリか脱出ボタンマタドガスにより、なまけのスキを回避しつつ、相手2匹をなまけにした後、ゴチルゼルのいやしのはどう+ジャラランガのソウルビートでABCDS MAXジャラランガを誕生させます。
・1体だけなまけにして、もう1体は別の方法で行動を封じる戦術
相手がなまけないターンは両方まもる、なまけるターンにもう片方をさきおくり+強制交代で行動前に手持ちに返します。強制交代技によるダメージが相手に一方的に蓄積していきます。
そんなアイアントが、パルデアに入国していません。前作でダイマックスと別の特性の相性の良さにより環境ポケモンにまで登りつめたアイアントですが、今作は環境どころかデータに入れませんでした。
アイアントがいないなら、他の「なまけ」持ちで頑張ろうということで以下の記事のとおりやってみたのですが、かなり厳しかったです。
ロック系構築はたいてい交代に弱いので、交代を封じるのもセットになることが多いです。その点、ゴチルゼルがいるのはまだ救いです。ゴチルゼルがいない場合は、「くろいまなざし」「とおせんぼう」などで一手使う必要が出てきます。
まとめと可能性
ここまでの内容をまとめます。
〜非攻撃的ギミック〜
<耐久系>
特性受け:ヌケニンがいないので無理(苦難①)
※ヌケニン以外は要考察
数値受け:ガードシェア役がイエッサンメスしかいないのできつい(苦難②)
ランク受け:は寿司対策が刺さりきつい(苦難③)
<ロック系>
行動ロック:なまけによるものはアイアントがいないので無理(苦難④)
※ねむりなど他の手段は要考察
技ロック:まだ可能性あり
非攻撃的ギミックは、ヌケニン・ツボツボ・アイアントの不在により厳しい状況にあります。残された可能性は、なまけ以外のロックではないかと思っています。
タイムリーに、パデックさんが技ロックの戦術で動画を上げていました。なまけロックはだいたい半永久的なものですが、これはかなしばりとアンコールの重ねがけによる一時的なロックです。そこそこ戦えたとのことなので興味が湧いています。
このような強制わるあがきを試してみようと思いました。
あと、ねごとドラテドラパルト+いたずらごころ胞子モロバレルを今作でもやってみたいです。
雑記
相手を行動前にひんしにするという行動封じの仕方もあります。
これはつまり攻撃的ギミックです。
全ての相手を行動前に倒すことができる状態が完成すれば、それは相手から倒されない状況が完成したことと同義です。
攻撃的ギミックを突き詰めると、ロック系と同じような結果を得られます。
おわりに
厳しい状況ではありますが、基本的に一つの世代の中ではシリーズが進むにつれて火力がインフレしていくので、今できることを楽しんでやっていこうと思います。
お読みいただきありがとうございました。
全然関係ないですが、今ちょうど、レベル54のシャワーズ&はたきおとすを連打するデカヌチャンをつれた状態で最強ゲッコウガレイドをギリギリクリアできました。ヤドラン2匹がほぼ回避されずにがんばりました。
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