2020年にインターネット上で調べて編集した仕様のことをまとめておきたい
はじめに
2020年の仕様調査に関する3つの記事の第3回です。前2回では、2020年に実機で検証して調べた仕様についてまとめました。
今回は、実機検証以外のところをまとめていきます。インターネットで記事や動画を見つけてそれをもとにポケモンwikiなどを編集した記録・または単純な編集記録です。
- はじめに
- すばやさ補正の計算順番でのまひ補正の位置
- ポケモン対戦考察まとめwikiのすばやさ補正計算の順番編集
- かなしばりはダイマックスに無効ではなくダイマックス技に無効
- わるあがきの自傷ダメージの小数点以下の処理
- イバンのみ・こうこうのしっぽなどの効果
- ねこのてりんしょうが防がれた場合の後発りんしょう
- 急所ランク
- 効果が変更された技(りゅうのはどうの威力)
- タールショット状態
- その他
- おまけ
- おわりに
すばやさ補正の計算順番でのまひ補正の位置
すばやさの補正の計算順は、ポケモンwikiにはランク補正→まひ補正→その他補正と書かれていました。しかし、すばやさに関して記事を書く(すばやさ カテゴリーの記事一覧 - テツポンドのブログ)ためにいろいろ調べていく中で、それが間違いではないかという結論になりました。
正しくは、ランク補正→その他補正→まひ補正のようです。
That's not accurate either: more properly speaking, it goes like this:
— Leonard Craft III (@DaWoblefet) 2019年5月23日
1. Apply stat boosts/drops and floor/truncate decimal.
2. Apply all other Speed mods and pokeRound (round down on 0.5).
3. Apply paralysis and floor/truncate decimal.
See my research: https://t.co/TCHUhCNGKZ
この箇所を編集していたZaggyoさんにご連絡しました。ミスだったようで、すぐに修正してくださりました。
ポケモン対戦考察まとめwikiのすばやさ補正計算の順番編集
バトル中の処理の順番 - ポケモン対戦考察まとめWiki|最新世代(ソード・シールド)
すばやさ補正計算の順番や小数点処理について正しいと思われる記述にしました。かなり内容が変わりました。
元の形式をなるべく残すように編集したので細かいところを無視した説明になっています。すばやさについて詳しく知りたい場合はすばやさ - ポケモンWikiをおすすめします。
かなしばりはダイマックスに無効ではなくダイマックス技に無効
今年の仕様検証の中で一番対戦に影響するテーマかもしれません。
きっかけ
かなしばりという技について調べていたとき、下記の動画を見つけました。
ポケモンwikiにかなしばりはダイマックスポケモンに対して無効という記述がありましたが、この動画ではかなしばりが成功しています(技を封じこめたという表示の他、アンコールと組み合わさったことでわるあがきが発生していることからも分かります)。直後に使った技がダイマックス技であるときに失敗するだけで、ダイマックスに対しては失敗するわけではないと考えられます。
編集
わざ「かなしばり」のページ(編集前)
わざ「かなしばり」のページ(編集後)
- ダイマックスわざに対して使うと失敗する。
この他のページの
なども、このことで編集をしました。
その後
Zaggyoさんが、マックスレイドバトルで通常の技を使用したダイマックスポケモンに対してもかなしばりが有効であることを検証してくださりました。このことも合わせて追記されました。
Zaggyoさんが書いた、前述の動画の現象の説明は次のようになっています。
わるあがきの自傷ダメージの小数点以下の処理
わるあがきを使った場合に発生する自傷ダメージは最大HPの1/4です。
わるあがき - ポケモンWikiによると、1/4を求めたときの小数点以下は、0.5以上の場合は切り上げで0.25の場合は切り捨てでした。
一方、ダメージ - ポケモンWikiによると、小数点以下五捨五超入でした(つまり0.5は切り捨て)。
過去の検証からわるあがきのページの方が正しいことが分かっているので、ダメージのページの方を修正しました。0.5以上が切り上げで0.25が切り捨てなら、それは四捨五入です。小数点以下四捨五入という記述に変更しました。
イバンのみ・こうこうのしっぽなどの効果
イバンのみはすばやさ999だとか優先度0.5だとか説明されることがあります。感覚的な説明としてはそれでいいと思いますが、厳密な説明としてはターン - ポケモンWikiにあるような説明が正しそうです。
以下の順番で、数字が小さい方の項目から順に優先されて行動順が決定されます。
- 第五世代以降
- わざの効果
- おさきにどうぞ・りんしょう・コンビネーションわざ・トラップシェル - 行動順を引き上げる
- さきおくり - 行動順を最後にする
- 優先度(当該項目参照)
- せんせいのツメ・イバンのみ・クイックドロウ - 同じ優先度内で最初に行動する
- こうこうのしっぽ・まんぷくおこう・あとだし - 同じ優先度内で最後に行動する
- すばやさ
- 乱数
5のすばやさはトリックルームなどを考慮した後の数値となっています(トリックルーム中は基本的にすばやさが高いほど5の値が低い値になる)。
3.と4.の各効果のページ(「せんせいのツメ」のページなど)に、ターンのページを参照するように付け加えました。
大した編集ではないのでここに書くほどではないかもしれませんが、少しでもイバン系アイテムについて詳しく知る人が増えたらと思い、記事に載せます。
ねこのてりんしょうが防がれた場合の後発りんしょう
ねこのてりんしょう
りんしょうは、あるポケモンがりんしょうを使うと、味方がりんしょうを選択していればすぐ後に割り込んでりんしょうを使えるという技です。
ロマンギミックの動画を投稿しているパデックさんのブログに、ねこのてりんしょう構築があります。いたずらごころで優先度+1で変化技のねこのてを出し、ねこのてでりんしょうをだすことで高速攻撃を行う構築です。
ここに、ポケモンwikiに載っていない仕様が書かれていました。
レパルダスの輪唱は優先度1のため、サイコフィールドで防がれる。
一方で、味方の輪唱は優先度0のままのため、防がれない。
女王の威厳とビビットボディにはレパルダスの輪唱が不発扱いになるため、味方の輪唱が続かない。
以上の仕様をりんしょう - ポケモンWikiに書きました。Zaggyoさんが第八世代でも検証して詳しく編集してくださりました。
他の仕様の発見へ
いたずらごころねこのてりんしょうのおかげで、いたずらごころで他の技が出る技を使って出た技が防がれるときの防がれ方が2種類あることが分かりました。りんしょう以外の技が防がれたときにどうなるのかについて、Zaggyoさんがとても詳しく調べてくださっています。
例えば、いたずらごころまねっこだいばくはつでは、じょおうのいげんとビビットボディに無効化されると技を使用できず自分のHPは失われませんが、サイコフィールドやあくタイプやファストガードに防がれると自分のHPを失います。
他にもため技や誓い技などについても書かれています。興味があれば、いたずらごころのページの「いたずらごころで優先度が上がった技について」の中の「無効化される処理の順は」から始まる項目を上記リンクから読んでみてください。
急所ランク
他のランクとの違い
カイリキーのキョダイマックス技のキョダイシンゲキは、使用後に味方の急所ランクを1段階上げる効果があります。この急所ランクは、特性あまのじゃく・技クリアスモッグなどの影響を受けず、技アシストパワーになどに影響を与えません。このように、急所ランクは他のランク補正(こうげきランクなど)とは異なる点が多いです。
ポケモンwikiのランク補正のページでは、急所ランクがページ内に書かれているにもかかわらず、急所ランクと他のランクの違いについては「急所にもランクの概念があるが、アシストパワーやムラっけなどの対象ではない」と冒頭に書かれているだけでした。
編集
ランク補正に関わる技・特性のページから急所ランクに関する記述を引っ張ってきて、ランク補正の中に「急所ランク」という項目を作りました。
欠けていた部分をZaggyoさんが検証してくださり、「ランク補正#急所ランク」が出来上がりました。
効果が変更された技(りゅうのはどうの威力)
以下の記事を書いているときに、威力85のわざを探していました。
【ポケモン】オーバーフローを考慮した場合の最大ダメージ65535を1ターンで実現する方法 # 最大ダメージ学会 - テツポンドのブログ
りゅうのはどうがヒットしました。第五世代までは威力90の技でした。
一方、効果が変更された技一覧 - ポケモンWikiには、りゅうのはどうは第五世代から第六世代に変わるときに威力90から威力80になったと書かれていました。
りゅうのはどう - ポケモンWikiをはじめとして他では全て威力90から威力85になったと書かれているので、後者が間違っている(つまり「80は間違いで85が正しい」)と判断して修正しました。
(つぶやき)
10まんボルト・かえんほうしゃ・れいとうビームの「追加効果10% 命中安定 特殊技 3兄弟」が威力95→90と変化したなら、命中安定通常攻撃のこの技は威力90のままで良かった気がします。
タールショット状態
タールショット状態のページがほとんど生まれたままの状態でした。
技タールショットのページから記述を少し移動させて、タールショット状態でオッカのみの炎半減効果が発動することやもりののろいなどのタイプ追加とも重複することなどを書いておきました。
その他
ポケモンwiki内のページAの情報をもとに、ページAに関連するページBをちょっと編集する、などを複数回
おまけ
「ターン」のページは本当にすごいです。ポケモンを場に出したときの処理順・行動順判定・技の成功判定の処理順・技関連の効果の処理順・ターン終了時の処理順などがずらっと書かれています。
ポケモンwikiの普通のページ(ポケモンや技や特性のページ)からなかなかリンクされていないのであまり見られていなさそうですが、傑作です。調べた中ではこのように処理順をまとめてあるサイトは他にありません。
ページはまだ「書きかけの項目」となっています。成長を祈っています。間違っている箇所を見つけたら直したり連絡したりしましょう。
あまりリンクからたどりつくことが多くなさそうだけれどクオリティが高いページは他にもいくつかあります。
基礎的な用語という傾向があります。
おわりに
2020年の仕様調査に関する3つのブログの第3回でした。各回の字数が5~6000字付近なので均等に配分できて満足しています。説明込みで書き出すとそれなりの分量になるのだなあと実感しました。
書きながら思ったんですが、この程度の量なのでこうやってちゃんとした形に編集の記録を残しておけるというのはあります。何十倍も労力を割いているポケモンwikiの中核の方々はこんな感じで書いていたらたぶんきりがないので。
仕様関連でいろいろ調べていると、ポケモンwikiを悪くいう内容を見かけることがあります。ユーザーが編集可能なサイトなので、何か間違っているところを見つけたらこの記事のように修正するか管理者に連絡するかしてさらに正しい情報にしていくと、ポケモン界にとって良いはずです。少しの間違いを理由に全体を全く信用しない人もいますが、データ・仕様関係は99%以上は合っている(経験上そんな感じ)という事実は頭に入れておいてほしいです(疑いを持つこと自体は悪くない・対戦の項は間違いが実際多い)。見た限りでの話ですが、仕様関係は10年前の版と比べて相当改善されています(2018年以降のZaggyoさんの功績によるところが大きそう)。
ポケモンwikiに比べてbulbapedia(英語版ポケモンwiki)を圧倒的に信頼する人がいますが、こちらもポケモンwiki同様たまに間違いもあります。
仕様まわりを調べられる唯一のサイトなので、これからもポケモンwikiには安定して続いてほしいと思います。
読んでいただき、ありがとうございました。他の記事もよろしくお願いします。
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