頑丈ヌケニンとカイリキーのキョダイシンゲキを組み合わせたい
はじめに
ポケットモンスターソード・シールドのダブルバトルの特殊戦術の構築記事です。
ロマン戦術「頑丈ヌケニン」のスタンダードな構成と、第八世代特有のシステムであるダイマックスとの組み合わせで、剣盾最後のシーズン(2100年まで続くシーズン36)のマスターボール級に上がりました。
がんじょうヌケニンとは
がんじょうヌケニン(頑丈ヌケニン)は、最大HPが1であるヌケニンに特性がんじょうを渡す戦法、またはその結果誕生したヌケニンを指します。
味方が2匹以上場にいるタイプのルールでできる戦法です。
<仕組み>
特性「がんじょう」のポケモンは、HPが満タンであれば、攻撃を受けて倒れそうなときでもHPを1残して耐えます(第五世代以降の仕様)。
ヌケニンは最大HPが1であるため、頑丈発動後もそのまま頑丈発動条件の「HP満タン」を満たしたままになります。これにより、常時特性がんじょうが発動して、どんな攻撃でもダメージを受けません。
<作り方>
いくつか方法はありますが、今回は特性がんじょうのポケモンの「なかまづくり」をヌケニンに対して使うことで完成させます。
ヌケニンの特性ふしぎなまもりに対して、スキルスワップ(効果:特性を交換する)は無効で、なかまづくり(効果:相手の特性を自分の特性と同じにする)は有効です。現状では、特性がんじょうと技なかまづくりを両立するポケモンはいないため、なかまづくりを使えるポケモンにがんじょうを渡してから、そのポケモンがヌケニンになかまづくりします。
<倒し方の対策>
ダメージを受けないがんじょうヌケニンであっても、倒す方法は複数あります。そのため、それをなるべく防ぎます。
1 やけどやどくによるダメージを対策するために、こちらでヌケニンを先にまひ状態にさせます。まひ状態であればやけど状態・どく状態にはなりません。
2 すなあらし・あられによる天候ダメージでもヌケニンは倒れてしまうので、これらのダメージを防ぐことができる「ぼうじんゴーグル」を持たせます。
これらの対策をもってしても、やどりぎのタネ・特性無視攻撃・道具無効化などによって倒されることがあります。
スダンダード頑丈ヌケニン
ダブルバトルで頑丈ヌケニンをする際の最も一般的で成功率が高い動き方は、以下のミミロップ・メレシーによる動きです。なかまづくりとねこだましを覚えてすばやさが高いミミロップと、がんじょうとスキルスワップを両立するメレシーが活躍します。
選出
<基本の動き>
1ターン目
メレシーはミミロップにスキルスワップ・ミミロップの特性ががんじょうになる
2ターン目
メレシーをヌケニンに交換
3ターン目
ミミロップが2ターン目に相手より早く動けるのであれば、1ターン目のねこだまししなかったほうの攻撃だけ耐えることができればよく、その攻撃はミミロップのきあいのタスキとメレシーのがんじょうで確実に耐えることができます。
そんなに手間をかけずに頑丈ヌケニンを作ることができます。
<トリックルームを使う動き>
ミミロップがなかまづくりする前に敵が行動してしまいミミロップかヌケニンのどちらかが倒されてしまう可能性があるときに使うことがあります。
1ターン目
メレシーはトリックルーム
2ターン目
ミミロップはこらえる
メレシーはミミロップにスキルスワップ・ミミロップの特性ががんじょうになる
3ターン目
メレシーをヌケニンに交換
頑丈ヌケニンと総合時間
頑丈ヌケニンは、一度完成して、相手の突破手段がなければ、こちらが戦闘で負けることはなくなります。
しかし、現代のポケモン対戦には、制限時間があります。たとえ相手がこちらを倒せなくても、こちらも相手を時間内に倒すことができなければ、総合時間が制限時間を迎え、判定勝負になります。
判定勝負になったとき、ヌケニン側はほぼ確実に負けます。
時間切れまで試合が長引いたとき、ヌケニン側はヌケニン一匹が残るのみとなっています。相手が2匹以上残っていたらその時点で負けです。
もし残っているのが1匹だけだったとしても、HP割合の判定でほぼ負けます。ヌケニン側の判定用の数値は1/手持ち4匹の最大HP合計となるため、0%になります(小数点以下切り捨て)。相手側の残りポケモンHP合計/選出ポケモン最大HP合計が1%以上であれば、その時点で負けです。
もし相手の判定用数値も1%未満だったとしても、残りHPの多さの判定で負けます。ヌケニン側の残りポケモンの残りHP合計は1です。相手が2以上であれば負けです。
このように相手側の残りHPが2以上であれば負け、1であっても引き分けです。ほぼ確実に負け、と言って差し支えないでしょう。
そんなわけで、ヌケニンは総合時間(剣盾の通常のランクバトルの場合、20分)の間に相手を全て倒す必要があるわけですが、ここで厄介なのが、デバフ(能力下げ)の存在です。
ダブルバトルで飛び交う特性「いかく」によって攻撃を下げられまくると、ヌケニンの1回の攻撃で与えられるダメージがとても小さくなってしまいます。いかくポケモンの中で特に厄介なのはガオガエンで、特性だけでなく技(すてゼリフ)まで使ってヌケニンの攻撃を下げてきます。
こんなことになると、まもると交換を繰り返されているだけで時間が切れて負けてしまいます。
解決策:キョダイシンゲキ
ランクを下げられることの対策として、「急所」があります。攻撃が急所に当たったとき、自分のランクの低下は無視されます。攻撃ランクをかなり下げられていても、急所に当たればそれがチャラになるわけです。
これをヌケニンで狙っていきます。
しかし、ヌケニンは、急所ランクを2あげる「きあいだめ」を覚えません。他の方法で急所ランクを上げなければなりません。
幸い、ヌケニン・メレシー・ミミロップと選出すると1枠余りがあるので、ポケモンを1匹参加させることができます。
そこで登場するのが、キョダイマックスカイリキーのキョダイシンゲキです。
第八世代固有要素のダイマックスでは、通常のダイマックスと異なり、ただ大きくなるだけではなく姿が変化するポケモンが少々います。それがキョダイマックスであり、キョダイカイリキーもその一種です。
キョダイマックスのポケモンは固有のキョダイマックスわざを持ちます。キョダイマックスしたカイリキーが使う格闘タイプの攻撃技は「キョダイシンゲキ」というものであり、攻撃後に味方の急所ランクを1上げます。
1回使えば1/8で急所に当たるようになり、2回で1/2、3回使うと確定で急所に当たるようになります。
この効果をヌケニンに付与します。
キョダイシンゲキよりも、普通のポケモンの格闘タイプ攻撃技が変化するダイマックスわざ「ダイナックル」の攻撃1段階上昇効果のほうが優れていると世間一般では言われますが、めちゃくちゃデバフを受ける状況ではキョダイシンゲキが活きます。
ちなみに、この一連の動きはサンのみなげつけるの相互互換です。急所ランクを2あげる効果を持つサンのみをヌケニンに投げるという解決策もあります。せっかくダイマックス枠が余っているので&せっかくダイマックスが使えるバトルなので、カイリキーにした次第です。
実戦での好事例
頑丈ヌケニンが成功し、相手の手持ちを少しずつ減らしていきましたが、ガオガエンの威嚇と捨て台詞で攻撃ランクがとても下がっていました。
しかし、キョダイシンゲキの効果を2回受けていたため、攻撃が2回に1回は急所に当たります。急所を引き、最後の1匹ガオガエンを突破でき、勝つことができました。
パーティー紹介
スタンダード頑丈ヌケニン(ミミロップメレシー)+キョダイマックスカイリキ
種族値:65-76-84-54-96-105
個体値:31-31-31-x-31-31
努力値:252-0-4-0-0-252
性格:ようき(特攻ダウン すばやさアップ)
実数値:172-96-105-x-116-172
持ち物:きあいのタスキ
特性:じゅうなん
技:ねこだまし なかまづくり こらえる でんじは
メロメロボディで相手の攻撃が不発になる回数より、ミミロップにでんじはを使われる回数のほうが多かったため、柔軟なミミロップにしました。
メレシー
種族値:50-50-150-50-150-50
個体値:31-x-31-31-31-0
努力値:252-0-180-0-76-0
性格:なまいき
実数値:157-x-193-70-198-49
(マスターボール級到達時はすばやさ個体値31のおだやか個体)
特性:がんじょう
持ち物:メンタルハーブ
技:スキルスワップ トリックルーム ミストバースト マジカルシャイン
高耐久ですが、弱点をつかれやすく頑丈はわりと発動します。
種族値:1-90-45-30-30-40
個体値:x - 31 - 1~3 - x - 22 - 31
努力値:0-252-0-0-0-252
性格:さみしがり
実数値:1-156-45-x-46-92
特性:ふしぎなまもり
持ち物:ぼうじんゴーグル
技:シザークロス ポルターガイスト おにび サイドチェンジ
個体値については、【ポケモン】ヌケニンのぼうぎょ・とくぼうの理想個体値(へんしん・ダウンロード対策)とその入手方法 - テツポンドのブログ参照です。
急所ランクが1高い技である「つじぎり」は、今回の戦術と相性がいいですが、タイプ不一致の威力70であるため今回は覚えさせていません。
カイリキー
キョダイマックス個体
種族値:90-130-80-65-85-55
個体値:31-31-31-x-31-31
努力値:252-0-140-0-116-0
性格:いじっぱり
実数値:197-165-118-x-120-75
特性:こんじょう
持ち物:バコウのみ(飛行半減)
生き残ってキョダイシンゲキを使うことを重要視して性格補正以外は耐久に回したカイリキーです。
コーチングはコンセプトを考えると微妙であるため、他の技のほうがいいかもしれませんが、思いつきません。
ヌケニンのおにびで特性を発動させるという動きもできます。ミミロップのでんじはを喰らった相手の上を取れるという利点があり、最遅にしなくて良いかなと思います。
マスターボール級到達までの戦績
ランクバトル シーズン36
(2022年11月〜)
ハイパーボール級の途中までは、ヌケニン・ミミロップ・メレシーとギラティナで戦っていました。控えの2匹はエースバーンとゼルネアスです。
ギラティナは、周りの味方ポケモンがその耐久についていけないのが弱みであるという言説を聞いたことがあったので、ギラティナ以上の耐久を持つ頑丈ヌケニンと組み合わせてみました。たべのこし瞑想たたりめ型です。
しかし、頑丈ヌケニンに2~3回攻撃して仕組みを悟ると相手はギラティナに攻撃を集中させてきます。ヌケニンのサイドチェンジでギラティナを守ろうとするとヌケニンが相手に攻撃できる回数が減り時間切れで負けやすくなりますし、何もしないと集中攻撃でギラティナがあっさり倒されます。ガオガエンの威嚇捨て台詞サイクルで簡単に瞑想分を打ち消されてしまうというヌケニンと似た弱みもありました
スーパーボール級
oxxox oooo 6-3 最後4連勝してハイパー昇格
ハイパーボール級
x xxxox xo 2-6
ここで、キョダイシンゲキカイリキーを試してみることになりました。
チームをヌケニン・ミミロップ・メレシー・カイリキー・ギラティナ・カイオーガとしました(多分ザシアンを見せポケにすべきでしたが、ソードのストーリーを途中で止めていて先に進めるのが面倒だったためずっと捕まえていない状況でした)。
ハイパーボール級
xox oooo 5-2 最後4連勝してマスター昇格
ということで、
スタンダード頑丈ヌケニン(ミミロップメレシー)+キョダイマックスカイリキー
としてはハイパーボール級で5勝2敗の好成績でした。
その他
ヌケニン、ミミロップ、メレシー、カイリキー、全員SVにいません。
TODの仕様を良く分かっていない人が多いのか、相手の持ち時間切れで勝つ試合がときどきあります。
キョダイシンゲキを使えるのは普通1~2回です。
こんらんの自傷ダメージでもがんじょうは発動します。そのため、こんらんは怖くないです。
メモ
キョダイマックスカイリキーの画像
キョダイシンゲキ攻撃後の地面の拳は、攻撃中の拳がそのまま地面に当たった場合の形と一致していないという小ネタがあります。
おわりに
剣盾の時代が終わって半年が経ちますが、記事にできていなかったパーティーを記事にしました。
最新世代だけがポケモンではないのですよね。
これのとおり最新作SVでは今回のような戦術をやりにくく、最近ではシングルと合わせて対戦モチベーションがどん底で、2ヶ月ほどSVで通常対戦をほぼやっていません。そんなときでも過去作にフラーっと戻って楽しむことができるのは良いことです。
しかし、剣盾シングルはスーパーボール級でもマッチするのですが、剣盾ダブルはマスターボール級でも全然マッチしません。ハイパーボール級以下は尚更だと思うので、11月のSV発売前のうちにマスターボール級に上げておいて良かったです。
お読みいただきありがとうございました。
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