はじめに
音の技しか使えないという面白いルールのポケモンの仲間大会が先週開かれました。ルール自体が面白いこと、組んだパーティーを気に入ったこと、運要素薄めの大会での仲間大会最高順位を更新できたことなど楽しいことだらけだったこの大会を記事にしたいと思いました。
大会概要
開催された日 2021年8月21日
仲間大会、開きます。
— 名状し難いきょんきちのような何か (@kyonkiti_max) 2021年7月17日
よろしければご参加ください。
ポスター等は後日作成させていただきます。
参加希望の方はリプライもしくはDMお願いします。#ポケモン剣盾#ポケモン剣盾仲間大会#仲間大会 pic.twitter.com/HMdRf8boYO
ルール
・音技のみ使用可能なシングルバトル
・特性ぼうおんと特性パンクロック禁止
・3匹だけのチームを登録し、3VS3のバトル
・そのほかはランクバトルシリーズ7(冠解禁環境)のとおり
考察
ヌケニン採用まで
まず最初に浮かんだのは、エコーボイスを連発するロマン戦術でした。エコーボイスは毎ターン使い続けることで威力40から40ずつ200まで威力が上がるノーマルタイプの技です。
使用者の候補として、特性うるおいボイスによりタイプ一致のみず技としてエコーボイスを使えるアシレーヌと、特性いろめがねにより半減タイプへのダメージが減らないヨルノズクを考えました。
自分が使うためにも、相手に使われる場合を考える意味でも、アシレーヌのエコーボイスを受けることができるポケモンを探してみることにしました。
ポケモン徹底攻略で、みず技1/4以下かつ音技習得で検索すると、みずドラゴンタイプや特性ちょすいなどが並ぶ中、あるポケモンを発見し衝撃が走りました。
ヌケニン。
音技一覧を調べると、ヌケニンに効果抜群の技はあくタイプのバークアウトのみ。また、特性によるタイプ変更を考慮してもそれは変わりませんでした(スカイスキン持ちがいないので)。
ここから方針転換し、ヌケニンを軸としてメンバーを考えていくことにしました。
バンギラス採用まで
ヌケニンはバークアウトを持たないポケモンの攻撃を受けることができます。他の2匹のポケモンでバークアウトを持つポケモンの攻撃を受けられるようにすると、受けループを作ることができます。
また、音技の特徴として、攻撃技は全て特殊技というのがあります。通常の受けループでは、物理受けと特殊受けに分かれる必要がある難しさがありますが、今回は全員特殊受けで採用できます。
面白い受けループになりそうだと思い、受けループを目指すことにしました。
ヌケニン以外のメンバーを考えるために、ポケ徹の詳細検索を利用してバークアウトを覚えるポケモンが覚える音技を全て表示しました(「覚える技:バークアウト 音技チェック」で検索)。
すると、バークアウト持ちの音技技範囲は、あく・ノーマル・でんき・むしだけでした。むしタイプはドラピオンが使う「むしのさざめき」のみです。でんきタイプはストリンダーの「オーバードライブ」のみです。ドラピオンはタイプ一致でこれを使えず特攻も高くないので無視してよく、実質あく・ノーマル・ストリンダーでした。
後から思い出して特性かたやぶりのポケモンの技範囲も検索したのですが、範囲はあく・ノーマルで同じでした。
あく・ノーマルを半減し、受けループの特殊受けをするとなると、すぐにバンギラスが思い浮かびました。バンギラス自身がバークアウトを覚えて相手の特攻を下げることができるため、たべのこしを持たせればかなり粘り強く戦えます。
特性のすなおこしは普通ならヌケニンと相性が悪いですが、ヌケニンにぼうじんゴーグルを持たせて天候ダメージを受けないようにすれば、とてもいい組み合わせになります。
受けループのレンタルパーティーを使ったときにバンギラスがとても頼もしかったため、信頼して採用しました。ちょうど孵化厳選の副産物でA抜けヨーギラスがいたため、孵化の必要がありませんでした。
ワタシラガ採用まで
受けループの特殊受けとして、(ガラル)ヤドキングがいます。ちなみに専用技ぶきみなじゅもんは音技です。しかし、今回はあくタイプの技を受ける必要があるのでエスパータイプは適していません。別のポケモンを探します。
ヤドキングではないにしてもヤドキングの特性さいせいりょくとバンギラスの持ち物たべのこしで受けるのは良さそうだと考え、再生力持ちを検討しました。
特殊耐久指数比較
タブンネ31710
ワタシラガ31513 オーバードライブ半減
モロバレル32045 オーバードライブ半減
ドヒドイデ33441 オーバードライブ抜群
サニーゴ27692 オーバードライブ抜群
ヤドキング35956 バークアウト抜群
ランクルス32550 バークアウト抜群
ヌケニン以外で受けなければいけないポケモンのうち、ストリンダーが一番警戒すべきポケモンだと思っていました。オーバードライブ・ばくおんぱ・バークアウト・きんぞくおんと技が揃っていて、特性パンクロックが禁止といえど強力です。特性はテクニシャンが採用されるためバークアウトの火力が上がるという強みもあります。
ストリンダーを受けることを考えたとき、弱点をつかれず、さらにバンギラスが半減にできないオーバードライブを半減で受けられるモロバレルとワタシラガがタイプ耐性の点で良さそうでした。
ワタシラガはハイパーボイスを覚え、モロバレルよりも相手を削ることができるため、ワタシラガを採用しました。
以上のようにして、
特性と持ち物でダメージを受けないヌケニン
特性でダメージを減らし持ち物で回復するバンギラス
持ち物でダメージを減らし特性で回復するワタシラガ
の3匹のチームが完成しました。
他の考察
音技すべての技範囲
ノーマル でんき ドラゴン フェアリー あく エスパー むし こおり(フリーズスキン)
こちらにゾロアークがいたら相手のヌケニンがめちゃくちゃ動きにくいな、ということで採用を検討していましたが受けを万全なものにするために採用しませんでした。
6匹チームなら採用していたと思います。他に検討したポケモンとしては特殊耐久がとても高いモスノウなど。
レンブのみ
ヌケニン対策でレンブのみ(特殊技に反応して相手にダメージ)の採用も検討していたのですが、相手がヌケニンを使ってこなければあまり意味がなく、チョッキ+たべのこしほうが安定しそうだと思い、こちらを選びました。
6匹チームなら誰かに持たせていたと思います。
要注意バークアウト使い(ばくおんぱ持ち)
ストリンダー ゴリランダー
要注意バークアウト使い(高火力ハイパーボイス持ち)
ジジーロン サザンドラ ゾロアーク ガラルファイヤー シルヴァディ
要注意バークアウト使い(金属音持ち)
その他要注意
滅び+かげふみ のどスプレー ヌケニンへのわるあがき
パーティー
1-x-45-90(252↑)-46-92(252)
特性:ふしぎなまもり
持ち物:ぼうじんゴーグル
むしのさざめき りんしょう いびき
もともと育成済みだった特殊ヌケニン。
今回のルールではメタモンは参加不可能なのでへんしん対策は意味ないですが、ダウンロード対策は意味があります。
音技を3つしか覚えません。居座り続ける必要がある場面を想定して、いびきも含めた全てのPPを最大まで増やしました。ヌケニンのいびきにポイントアップを3つ使う人は世界に数人しかいないはず。
207(252)-x-130-116(4)-167(252↑)-81
特性:すなおこし
持ち物:たべのこし
バークアウト りんしょう さわぐ いやなおと
いやなおとはダイウォール媒体です。バンギラスが覚える音技は5つで、他にいびきも覚えますが、いびきの存在から元々期待値が少ないうたうを使われることはなさそうだと考えていたため、搭載していません。
ワタシラガ
167(252)-x-110-101-189(252↑)-80
特性さいせいりょく
持ち物:とつげきチョッキ
ハイパーボイス りんしょう いびき うたう
覚える音技は4つです。道具を奪われることはないのでチョッキの効果で使用できない変化技のうたうはあってもなくても変わらないのですが、うたう1on1(【ポケモン】うたう1on1 事前考察・使用ポケモン・結果 - テツポンドのブログ)参加者としての誇りを持つために入れました。
結果
8勝2敗 ooooooxxoo
レート1576
2位
参加者17人
今までに参加した運要素が少なめの仲間大会の中で一番の好成績・2位をとれました(これまで3位は複数回あり)!
最初の3連勝で1位になり、面白かったのでそこから順位に構わず潜り続け1位のままレートを上げていきました。
普通だったら1位から数回勝ったら様子をみるのですが、この前仲間大会で1位を取れていたこと(【ポケモン】仲間大会初優勝!負けるが勝ちのポニータつのドリル1on1 )、楽しくて仕方なかったこと、どのようにして負けるのか興味があったことなどから、潜り続けました。最高レートは1585でした。
7試合目でついに負け、さらに連敗しました。その頃にはなかなか対戦相手が見つからなくなっていましたが、1時間かけて潜り続けて2回マッチングし2勝してレートをある程度戻し、時間ギリギリで対戦回数上限になりました。
おはようございます。
— 名状し難いきょんきちのような何か (@kyonkiti_max) 2021年8月21日
上位成績者は以下の通りです。
1位:シロ&クマさん(@cafeYouTuber1)
2位:テツポンドさん(@tetspond)
3位:かっぱかめさん(@j1JsgVp3bAy50ps )
4位:コウテイさん(@Koutei__p)
5位:ペンドラーさん(@Penpenpendlar)
おめでとうございました。
#俺の歌を聞け杯 pic.twitter.com/URPVOTbges
色違い理想個体A抜け5Vゴニョニョというとても貴重な景品をいただきました。
振り返り
3回キョダイカンデンの状態異常判定を受けたのですが、その全てでどくを受けました。
典型的な勝ち試合
バークアウト持ちはバンギラスとワタシラガで砂ダメージを絡めてバークアウト・ハイパーボイスで削る。バークアウト持ちでないポケモンが来たらヌケニンを出す。むしのさざめきで交代先にダメージ。こちらのHPがほぼ満タンの状態のまま時間切れ判定で勝ち。
危なかった勝ち試合
ちょうおんぱを考慮外で、ヌケニンが行動するターンにちょうおんぱを使われ焦る。当たらなかったのでセーフ。キョダイカンデンのどくによりバンギラスが半分削れながらも勝ち。
余裕があるときは、ちょうおんぱ持ちの前でヌケニンが行動することが起きないように立ち回ることにしました。
面白かった勝ち試合
負け試合(1)
初手キョダイマックスストリンダーのキョダイカンデンをバンギラスで受けてどくになる。2ターン目からダイマックスして相手のダイマックスをやりすごすが、ストリンダーをあまり削れないまま相手のバンギラスヌケニンサイクルが始まり、相手にダメージを与えられなくなる。最初の数ターンで受けたダメージ量の違いにより時間切れ判定負け。
負け試合(2)
前の試合の反省から、どくになってもさいせいりょくで回復が追いつくワタシラガにキョダイカンデンをなるべく受けてもらう方針に。
ワタシラガでストリンダーのダイマックス技3発を通常状態で受けて、その後バンギラスとワタシラガで交換を繰り返して回復しようとしたところ、相手のバンギラスのバークアウトと砂と毒で回復のスピードが遅く、時間切れ判定負け。
ダイウォールがあるバンギラスにダイマックスを使うということで思考が固定化されてしまい、居座るワタシラガにダイマックスを切ってダメージを半減するという行動を取れませんでした。
全体の振り返り
自分がバンギラス+ヌケニンを使っておきながら、相手のバンギラス+ヌケニンを倒す方法がありませんでした。ヌケニンにたどり着く人が他にそんなにいないだろうというのは考えていたような気がします。
ワタシラガがレンブのみを持つことも一応考えてはいましたが、安定のチョッキを選んだことを後悔はしていません。実際、金属音のどスプレー持ち相手に2匹で対処するときはチョッキの耐久力が活きました。
ヌケニンを使っていた人はおそらく3人いましたが、ヌケニン+バンギラス+ストリンダーの構成が一番強いと思いました(3位だった方)。その方は食べ残し持ちの耐久型を崩すためには毒にするしかないと思いストリンダーを採用したそうで、実際そのとおりなのですばらしいです。
使用率は上からバンギラス、ヌケニン、アシレーヌ、ストリンダー、ニンフィア、プクリン、ラプラス、ハピナス、フライゴン、ジャラランガでした。その次はワタシラガで、ここからは一人しか採用していないと思われるポケモンたちです。
エコーボイスは、アシレーヌの技にはありませんでした。ハピナスは相手を倒した技が100%エコーボイスでした。他にプクリンもエコーボイスで敵を倒しています。
ヌケニンが倒した敵はフライゴンだけでした。倒す前に交換や降参されるためでしょう。
ワタシラガは倒した敵も倒された敵も0です。そういえば今回こちらのポケモンは1回も倒れませんでした。
メガネストリンダーを警戒していましたが存在せず、半分以上がくろいヘドロでした。
雑記
名付け
一番最初に思いついたのは「ワタヌケバンギ」でした。しかし、ワタといえばワタッコもいるし、ワタシラガならシラガと表現できるけどワタッコはそれがしにくいので「ワタ」はワタッコに譲るべきでは?と考えました。そこで、「シラガヌケバンギ」としてみたのですが、白髪が抜けるのは老いを感じさせて嫌だったのと、「ワタヌケバンギ受けループ」のほうが7+5でリズムが良かったのがあり、結局「ワタヌケバンギ受けループ」と名付けました。
聴けと聞け
今回の大会、正式なタイトルが「聴け」ではなく「聞け」の表記になっています。 調べた感じ、聴くのほうが積極的に「きく」ときに使うようなので、「俺の歌をきけ」なら「聴け」のほうが正しそう、となりました。
いびき
ヌケニンのいびきはラプラスにうたうを使われたときに使いました。寝ている間はずっといびきを選択していたら最長眠りだったので3回使い、しかもその3回全てでひるみ効果が発動しました。
ヌケニン禁止
ヌケニンを禁止にすべきだったかもしれないという意見について。今回は、多くの参加者がヌケニンを意識していなかったためヌケニンが強かったですが、ヌケニンの強さが知られていればバークアウト持ちやレンブ持ちが多くなり、ヌケニンが動きにくくなります。特に、相手3匹がバークアウトを持っていればヌケニンはほとんど何もできません。
2回目があるとして、禁止にする必要はないのではないか、周知で十分なのではないかと思っています。
バトルタワーリボン
試運転と大会の待ち遠しさから、ワタヌケバンギで技構成そのままでバトルタワーに挑みました。3回に1回くらいは勝てます。ワタヌケバンギから2匹+物理受けナマコブシのチームならほぼ勝てました。2匹+ナマコブシでダンデを2回倒して全員バトルタワーのリボンをつけた状態で本番を迎えました。
余談ですが、ナマコブシはわざマシンがほぼ使えないポケモンを除くと今大会におそらく唯一出場できないポケモンです。
おわりに
気に入っているチーム・ルールでいい成績を残せてよかったです。
お読みいただきありがとうございました。今回は6800字くらいでした。
9/12(日)にメタモン1on1を開催します。ご参加お待ちしています!
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