はじめに
ポケモンの仲間大会についての記事です。
2021年8月8日に開かれた、負けるが勝ちのポニータつのドリル1on1仲間大会「ポニお大会」(主催:しょーこさん)に参加し、優勝することができました!!!
仲間大会で初めて優勝できて嬉しいので、運要素が強い大会でしたが考察などを記事にすることにしました。公開されたデータもまとめておきます。
ルール
大まかに書くと
・バトルチームへの登録はPP8のつのドリルだけを覚えたポニータ一匹
・原種とガラルどちらでもOK
・ダイマックス禁止
・一番負けた人が優勝
です。
詳細は主催のしょーこさんの以下の大会開催告知記事をご覧ください。
ポニータ限定にした理由として個体値などで差が出てしまうということを挙げられていましたが、ポニータ限定にしたことでむしろ個体値が数少ない差別化要素となっています。
限られた差別化要素の中でいかにして負ける確率を上げていくか、というところに面白さを感じ、最適案にたどり着いたため参加することにしました。
使用ポニータ検討
今回、自由に選ぶことができるのは
持ち物
原種orガラル
特性
くらいです。このうち一番自由度が高い持ち物から考え始めました。
ちなみに、負けるが勝ちのルールですが、つのドリルが16回外れた場合に一緒にわるあがきすることで決着をつけてもらうため、ヒメリのみが禁止されています。負けたいときにはヒメリのみでPPを回復しようとはしないため影響はないです。
自滅検討
負けるが勝ちなので、デメリット道具を持って不利な勝負に持ち込みたいです。その手段として、自分のHPを削る自滅道具を検討しました。
どくどくだま
1ターン目終了時に猛毒状態になります。ターン終了時の処理の順番においてどくどくだまの発動はどくダメージ処理よりも遅いため、1ターン目はダメージを受けません。
2ターン目に自分の最大HPの1/16のダメージを受け、3ターン目以降は2/16,3/16......とダメージを受けます。
7ターン目開始時点ではHPは1/16になっているため、ターン終了時に最大HPの6/16のダメージを受けて倒れます。
くっつきバリ
所有者はターン終了時に1/8のダメージを受けます。HPを8の倍数にすれば、8ターン目終了時に倒れることができます。
持ち物を持っていない相手から直接攻撃を受けると相手に渡ってしまいますが、8ターン目まではわるあがき(直接攻撃)を受けないですし、つのドリル(直接攻撃)を受けるときは勝ちなので問題ないです。
くろいヘドロ
どくタイプではない所有者はターン終了時に1/8(1/16ではない)ダメージを受けます。こちらも、HPを8の倍数にすれば8ターン目終了時に倒れることができます。
ターン終了時の処理の順番がくろいヘドロ→くっつきバリなので、くっつきバリ持ちが相手の場合、すばやさに関係なく先に倒れることができます。
後攻になる方法検討
つのドリルを撃ち合うため、後攻の方が被弾確率が高まり負けやすくなります。後攻になる方法を検討しました。
一番最初に浮かんだのは「くろいてっきゅう」でしたが、すぐに浮かんだ次の持ち物の方が遅かったです。「こうこうのしっぽ」or「まんぷくおこう」です。
同じ優先度のわざをお互いのポケモンが使うとき、これらの所有者は後攻になります。どちらもこれらを持っていた場合は、すばやさが遅いほうが後攻です。
持ち物決定
自滅の「どくどくだま」で7ターン目終了時に倒れるか、「こうこうのしっぽ」でドリル撃ち合いを不利にするかを考えます。
どくどくだまの効果が発揮されるのは7ターン目終わりまでの互いの合わせて14回のつのドリルが1度もあたらなかった場合です。
つのドリルが14回連続で外れる確率は、
0.7 ^14 = 0.00678...... で、だいたい0.7%です。
つまり、どくどくだまは99%以上の確率で腐ります。持ち物なしの同じすばやさのポニータと戦うときの負ける確率は50.3%(1-0.07を2で割って+0.07の計算で合っているはず)で、ほとんど50%と変わりません。
一方、後攻型。
こちらが後攻のときに7回目までにつのドリルを当ててもらえる確率は、
0.3 + 0.7^2+0.3 + 0.7^4+0.3 + 0.7^6+0.3 + 0.7^8+0.3 + 0.7^10+0.3 + 0.7^12+0.3
≒ 0.3 + 0.147 + 0.07203 + 0.03529 + 0.01729 + 0.0085 + 0.0042
= 0.58431
で、だいたい58.4%です。
どくどくだまとの比較のために7回目までとしましたが、8回目とした場合でも0.0020増えて0.58451になるだけなのでほぼ同じです。
上の計算結果を逆側から見てみます。どくどくだま視点で後攻型と戦う場合、どくどくだまで倒れるまでにつのドリルを相手に当てて勝ってしまう確率が58.4%あるということになります。負ける確率より勝つ確率のほうが高いので良くありません。
持ち物はこうこうのしっぽに決定です。どうでもいいですが、ポニータは尻尾があるので同じ効果のまんぷくおこうではなくこちらを選びました。
使用ポニータ
ガラルポニータ
タイプ:エスパー
種族値:50-85-55-65-65-90
特性:にげあし
性格:なまいき(すばやさが下がって特防が上がる)
個体値:12~13 - 0 - 4~5 - x - x - 0
努力値:0-0-0-0-0-0
実数値:116-90-62-x-x-85
持ち物:こうこうのしっぽ
技:つのドリルPP8
なるべく遅く動くようにしました。同じ持ち物を持った相手との対決でも後攻になれるように、すばやさは性格下降補正かつ個体値0によって最低値にしています。最遅ポニータです。
わるあがきが発生する確率は0.3%しかないですが、一応意識しています。
まず、特性ほのおのからだの原種ポニータにわるあがきを当てたときにやけど状態になれるかもしれないため、やけどしないほのおタイプの原種ではなくエスパータイプのガラルポニータにしています。
また、性格の下降補正をすばやさにかける関係でどこかに上昇補正をかける必要がありますが、わるあがきの撃ち合いで有利になってしまわないように、関係のない特防を上げています。特攻を上げる性格れいせいでもいいのですが、れいせいミントを節約するためになまいきにしました。
HP、攻撃、防御の個体値はなるべく低いほうが良いです。数匹孵化した中で一番全体的に低かったポニータを選びました。HPについては、今回は4の倍数だったのでそのままにしていましたが、仮に4n+1だった場合は努力値を8振って実数値を1増やす必要があります。4n+2にしたほうがわるあがきの反動ダメージが1増え、2回わるあがきした時点での残りHPが低くなるためです。
自分より早く動く相手と高かったときに負ける確率は、相手が先につのドリルを当ててくれる確率58.5%(先ほど計算)とわるあがきになる0.3%のうち倒してもらえる確率0.1~0.2%を合わせて、58.6%くらいです。
同じ持ち物・同じすばやさの敵と戦う場合は、わるあがきに関わるステータスの違いを無視すれば同じ条件であり、負ける確率50%です。
結果
4勝14敗 32位 レート1355
下から一番目の順位獲得により 優勝!!!
確率以上に負けることができ、優勝することができました。後述しますが、最下位かどうかの情報収集・見極めも良かったです。ポニータはよくつのドリルを受けてくれました。
内容
大会経過
最初の7試合はxoxoxxoで3勝4敗。負ける確率を高くしたといっても6割に満たないので、順当にいけばこんなもんだよなあと思っていました。
しかし、そこからなんと5連敗。3勝9敗になりました。この時点でレートは1408・27位でしたが、大会のTwitterハッシュタグ #ポニお大会 を見ると1300台に突入した人がいるとのこと。対戦を続けました。
エントリー人数は33人でしたが、仲間大会はいつもエントリーした人全てが参加するわけではないので、参加人数つまり取るべき最下位の順位の数字は30程度と予想していました。
連敗は5で止まってしまいましたが、その後2回負けることができ、4勝11敗でついにレート1397まで来ました。
このときの順位は29位で、この時点のこの視点ではこれが最下位である可能性もありました。また、ここまでレートが下がると勝利してしまったときのレートの上がり幅が大きいため、勝負を行ったときのレート上下の期待値がプラスになってしまっているかもしれないとも考えました(勝利でレート+19/敗北で-13の場合、負ける確率58%だとレート変動期待値+0.44)。ここまで連戦していましたが、ここで休憩します。
休憩してハッシュタグを見ていると、対戦回数上限の20回を終えた人が画像とともにツイートしていました。「レートめっちゃ頑張った(下方に)#ポニお大会」という言葉ともに載せられていたのは、レート1355 32位の画像。相当運良く負け続けてたどり着いた1397からさらに42も低いレートに、たどり着ける気がしませんでした。
とは言っても、仲間大会では3位までなら取ったことが複数回あったため、それなりの良い成績で終われなくなるリスクを背負ってでも優勝を狙いたいという気持ちはありました。3分程度の休憩を終わらせ、対戦を再開します。
なんとここから連敗し、レートを1381,1366と下げることができました。1366になった試合は4ターン目までお互いのつのドリルが外れ続け、ドキドキが長く続く試合でした。
目指すレートは1358の1つ下の1357。もう一回負ければそこに届きます。
運命の一戦、レート1480のさくらさんとの対戦。見事相手のポニータのつのドリルがこちらのポニータちゃんに当たりました。負けです。この試合でレート1355に到達し、順位が32位となりました。
あまりにも低いレートなので、不参加が1人はいてこれが最下位であると推測しました。レート1355に到達したのは大会の開始時刻から一時間過ぎた頃。まだ開催期間は一時間ありましたが、ここからは現在の順位を保つために対戦をしないようにしました。対戦回数上限までは後2回ありましたが、順位の更新を定期的に続けて32位であることの確認を繰り返しました。
32位のまま大会の終了時刻を過ぎました。あとは参加人数が32人なのか33人なのか、それから終了時刻ギリギリに行われた対戦の結果で最下位の変動が起きていないか、です。
2時間後、大会の結果がスマートフォン版ポケモンHOMEに反映されました。大会の順位一覧の一番後ろのページに行くと、そこでは掲載されている順位は32まで、そして32位には「テツポンド」と書かれていました。
仲間大会初の優勝でした。
対戦メモ
関東と書かれているのは原種ポニータ。Gまたは何も書かれていないのがガラルポニータです。2ターン目につのドリルを当てられて負けた場合「2あてられ」とメモしていました。
一番最後の試合だけメモがありません。嬉しくて忘れたのでしょう。
1527ピカ 関東 相手先制一撃 0-1 1485 17th
1526ざうさ G 2ドリルあて 1-1 1502
1529オワタッコ G 相手先制一撃 1-2 1487
1526アーニャ G 2ドリルあて 2-2 1505
1443あお G 相手先制一撃 2-3 1486 15th
1453ふぇきそ G 2ドリルあてられ 2-4 1469 20th
1469sunlight G 2ターン目初めて先制される 2~4先制 6あて 3-4 1485 18th
ショウコ G 5あてられ 3-5 1470 22th
1493うけい G 2あてられ 3-6 1455 22th
1473PaRA G 相手先制一撃 3-7 1439 24th
1458ラングドシャ 2あてられ 3-8 1424 27th
1410さくら 2あてられ 3-9 1408 27th
1492ちゃこ 1あて 4-9 1427 28th
1457ふぇきそ 2あてられ 4-10 1412 29th
1440∞ 関東 4?あてられ 4-11 1397 29th
1383いの 2あてられ 4-12 1381 31th
1419コウガ 5あてられ 4-13 1366 31th
1480さくら 4-14 1355 32th
運の良さ集計
負け率は14/18で78%。計算では負ける確率は59%程度だったため、運が良いです。
ガチャ計算サイトに入力してみたのですが、出現率58.6%のガチャを18回やったときに14個以上当たる確率は7.57%だそうです。だいたい1/13です。
メモがない一番最後の試合を除いた17試合のつのドリル命中率などを集計しました。
相手のつのドリルの命中率
o xx o xx o xo xxxxxx xxxxo xo o xo xo x xo xxxo xo xxxxo
13/41 32.5%
自分のつのドリルの命中率
- xo - xo - x xxxxxo xxxx x - x x o x xxx x xxxx
4/28 14.3%
同じ持ち物で同じすばやさの相手と戦うときに自分の先制確率
3/6 50%
大会データ
スマートフォン版ポケモンHOMEにて、大会のデータを確認することができます。時間が経って別の仲間大会の記録が10を超えるとおそらく消えてしまうため、ここに記録を残しておきます。
人のデータ
・人数
エントリー 33人
実際の参加者 32人
・順位・レート分布
つのドリルを当てるほど上がっていくレートです。
順位はつのドリルを上がっていくほど小さい数になるほうの順位です。つまりシステム上の順位。
1位から順にレートは1687,1646,1645,1629,1569......
13位がレート1508、14位が1496
順位中間賞の16,17位はレート1488,1486
一番下の32位から順にレートは1355,1358,1397,1399,1419
ポニータのデータ
・ポケモンランキング
1位 ガラルポニータ
2位 原種ポニータ
・ガラルポニータの特性
にげあし 49.9%
パステルベール 41.3%
きけんよち 8.7%
・ガラルポニータの性格(上位10)
なまいき S down D up 28.1%
ようき C down S up 17.1%
れいせい S down C up 14.6%
てれや flat 8.7%
きまぐれ flat 8.7%
おだやか Adown Dup 3.6%
ゆうかん Sdown Aup 3.6%
むじゃき Ddown Sup 3.6%
のんき Sdown Bup 3.6%
うっかりや Ddown Cup 3.6%
・ガラルポニータの持ち物(上位10種)
こうこうのしっぽ 44.4%
まんぷくおこう 14.6%
きあいのタスキ 10.9%
以下3.6%
くっつきバリ こだわりスカーフ
以下も3.6%だが効果がないもの
ヨクアタール しっぽのくんせい ヒウンアイス こうかくレンズ ひかりのいし
・原種ポニータの特性
にげあし 66.7%
もらいび 33.3%
・原種ポニータの性格
ようき 66.7%
おくびょう 33.3%
・原種ポニータの持ち物
以下すべて33.3%
データについて
性格で適切な(すばやさを落として特攻か特防を上げている)ものを選んでいたのは43%、持ち物で適切な(こうこうのしっぽ系統)ものを選んでいたのは59%でした。
対戦した方々の中で、同速勝負が発生したのは一人だけだったのですが、最遅かつ行動遅らせアイテム持ちはどの程度いたのか……。Twitter上では、道具だけで持たせて最遅まで意識していなかった方やミントをあげ忘れていた方を観測しました。
おわりに
ポニータありがとう。
この大会の一週間前に、勝ちが勝ちの馬ポケモン一撃必殺仲間大会に一番期待勝率が高いギャロップで参加したのですが、後半になるにつれてつのドリルの運が悪くなっていきました(最終的には9勝16敗)。今回うまい具合に同じようになってくれました。
次は、運要素が少ない仲間大会で優勝したいです。
余談ですが、ポケモン自由の一撃必殺大会でのがんじょうチゴラス禁止は必須ではありません。特性かたやぶりのポケモンたちがいるので。
お読みいただきありがとうございました。
同じポケモンでつのドリルを撃ち合う大会の記事で7000字書く人、世界になかなかいないように思います。
今回の記事と関係がないですが、先週公開したツボラキの記事、努力値振りパターンで「実践上最適とは限らないし使われていないが理論上最硬のパターン」つまり抜けてはいけない振り方が抜けていたので、数日のうちに大幅修正します。
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