ラッキーパンチというマイナー道具について考えたい
はじめに
ポケモンに登場する、もちもの「ラッキーパンチ」について扱う記事です。
マイナーアイテムシリーズです。前回は以下記事(この記事は、今月2023年4月、有名ポケモン動画投稿者ポケモンソルジャーの動画で触れられました)。
「ラッキーパンチ」は、ラッキーの専用アイテムであり、「もちもの」の概念が登場した第二世代に登場している古株のアイテムです。しかし、第七世代USUMまで及び第八世代BDSPでは登場したものの、第八世代剣盾・第九世代SVではラッキーがいるにもかかわらず、このアイテムは存在しませんでした。
今回は、そのアイテムリストラについて、それから、対戦での使い方考察について、書きます。
ラッキーパンチの効果
ラッキーが使う技が急所に当たりやすくなる、という効果を持ちます。
具体的には、急所ランクが+2となり、第五世代以前は25%、第六世代以降は50%の確率で技が急所に当たるようになります。
持ち物リストラの前例
バトル中に効果がある持ち物が、あるときからゲームに登場しなくなることを持ち物リストラと呼ぶことにします。
<持ち物リストラ事例(第八世代剣盾まで)>
以下は除く
特定のポケモンに関連する持ち物でありそのポケモンが登場しないため持ち物がないという事例
登場しなくなるとともに同じ効果の別の持ち物が登場したという事例
・はかいのいでんし
第二世代限定アイテム
・第三世代版ナゾのみ
既存のアイテム(主にきのみ)と効果が被っている
ビスナのみだけ、メロメロ状態からのみ回復するという唯一無二の効果を持つものの、第三世代時点ではメンタルハーブと同じ効果
・ジュエル(ノーマルジュエル以外)
第五世代限定アイテム
・Zクリスタル
第七世代限定アイテム
・ラッキーパンチ
第二〜第七世代で登場
もちもの - ポケモンWikiを利用して調べた結果、以上の5つだけでした。
剣盾までで見ると、持ち物リストラは極めて稀です。しかも、ラッキーパンチ以外は、特殊な持ち物であったり世代限定的であったりするため、ラッキーパンチだけが普通の持ち物リストラと言っても差し支えないでしょう。
BDSPでは、リメイク元のDPでラッキーパンチが登場していることもあってか、登場しています。バトルタワーのBP交換アイテムとなっているようですが果たして交換する人はどれだけいたのか……
SVでは、ラッキーパンチは再びリストラされましたが、SVでの持ち物リストラは他にもあって、おこう系列、きのみジュースが登場していません。それと、おそらく後から登場するのでしょうが、きのみ(ナゾ、ミクル、イバン、ジャポ、レンブ、アッキ、タラプ)も2023年4月時点では登場していません。
以上、見落としがあったら申し訳ないですが、調べたところこんな感じです。
まとめ:剣盾までの持ち物リストラの中で、ラッキーパンチが一番謎
幕間
まくあい
ラッキーパンチ往復ビンタ重力歌うラッキーのここが凄い:
— colon_everywhere (@SemColon) 2022年4月11日
味方のツボを突ける
味方へのビンタが外れない
味方の被ダメが少ない
ツボビアル等の地震が浮いてる相手にも通る
眠りも撒ける
ここがダメ:
たまにツボを突き損ねる
ビンタが剣盾に無い
これも追加できます
— テツポンド (@tetspond) 2022年4月11日
ここがダメ:
ラッキーパンチが剣盾に無い
(BDSPにはあるみたいです)
対戦でのラッキーパンチ(味方殴り)
上のツイートに出てきたように、ラッキーパンチを使う場合、ラッキーの攻撃を味方の急所に当て、その味方の特性「いかりのつぼ」(急所被弾で攻撃ランク最大)を発動させるというのがメジャーです。
ラッキーの種族値は、
HP 250
攻撃 5
防御 5
特攻 35
特防 105
素早さ 50
となっていて、攻撃が急所に当たるとしても攻撃面では期待することができません。よって、その低い攻撃能力を活かすのが得策となるわけです。
急所に当たりやすい技をラッキーが覚えないため、おうふくビンタの複数回攻撃によって急所を引く確率を高めるのが一般的です。
使用例の動画としては、以下のみ見つかりました。重力が、バクーダのじしんとおうふくビンタ(命中85)の命中率補助の両方をサポートしていて美しいです。
対戦でのラッキーパンチ(敵殴り・過去事例)
普通は、技は敵に向かって使うものです。味方殴り以外のラッキーパンチ活用方法を考えます。
シンプルに使おうとした場合については、以下の動画がありました。
【ポケモン】20年間の不遇アイテム“ラッキーパンチ”は救えない【ウルトラサン/ウルトラムーン】 - YouTube
【ポケモンORAS】偽装受けループでレート。【ラッキーパンチラッキー】 - ニコニコ動画
しかし、強くはありません。
急所に当たったとしても火力が低いです。急所に当たった場合、与えるダメージは1.5倍になりますが、低い数値が1.5倍になるだけです。
特攻種族値35のラッキーが特攻特化したとしても、実数値は95です。3桁にすらなりません。50%の急所をひいたとしても、実数値は143相当です。そして、ラッキーパンチを持つなら、他の持ち物を持てません。
一方、持ち物を持たないハピナスは、特攻種族値が75あり、特化すると実数値は139になります。さらに、自由に持ち物を持つことができます。ものしりメガネを持つと、特攻が1.1倍になるため、実数値は152相当になり、ラッキー+急所を上回ります。
加えて、ハピナスは他の種族値もラッキー以上です。ラッキーがハピナスに勝る点はしんかのきせき適用ポケモンであることくらいであり、ラッキーパンチを持つとその点が腐ってしまいます。
ダメージ1.5倍以外にも急所の良さはあり、自分の能力下降と相手の能力上昇を無視できるのですが、ラッキーは自発的にそれを活かせまん。オーバーヒート・リーフストームなどを覚えません。
ハピナスのほぼ下位互換となってしまいます。
対戦でのラッキーパンチ(敵殴り・新アイデア)
アイデア
1.5倍する前の元の値がそもそも低すぎることが原因であるなら、その値を引き上げればいいのではないか、という考えのもと、新しいアイデアについて考えてみます。
ラッキーパンチの急所率が25%であった第五世代以前のことは放棄し、第六世代・第七世代・第八世代BDSPのどれかで戦うことを想定します。その上で、戦術上、メガシンカポケモンを使いたいため、第六世代・第七世代で考えることとします。
今回使うのは「パワーシェア」という技です。この技は、技の使用者と対象の攻撃・特攻それぞれを、両者のそれを足して2で割った数値にします。
このパワーシェアを、特攻種族値160のメガラティオスがラッキーに対して使用します。
どうなるか
メガラティオスが特攻特化した場合、実数値は233になります。
メガラティオスがパワーシェアを特攻特化ラッキーに使用すると、使用後のラッキーの特攻は、
(233+95) / 2 = 164
で、164になります。
急所を引いたときの1.5倍を考えると、246相当
期待値としての1.25倍を考えると、205相当
となります。
※50%の確率で1.5倍になるため、期待値は1.25倍
205は、種族値130のポケモンの特化時の実数値200よりも大きいため、一定のラインはクリアできました。
期待値1.25倍で、このラッキーのハイパーボイスの火力を計算すると、
164*90*1.25 = 18450
です。
ニンフィアの特化ハイパーボイス(スキンは1.2倍とする)の火力指数19224と補正なし特攻252版の17496の間くらいの火力になります。
HP325、防御57(252振り)、特防126(4振り)の高耐久ポケモンがこのそれなりの火力を手に入れることになります。
もちろん、一手を使った行動で優れたものは他にたくさんあるため、全体から見れば弱いのですが、ラッキーパンチを利用して相手を攻撃するという行動前提であれば、有力な方法だと思います。
他、ちょうのまいバトンタッチから繋ぐというシンプルなラッキー強化方法もあります。特攻は2段階上昇でパワーシェア超えです。パワーシェアはダブル以上限定であり、シングルだとこのようなバトンタッチしか思いつきません。
おわりに
マイナーアイテムにも色々あり、「じゅうでんち」あたりはいくらか日の目を浴びているほうで、「ラッキーパンチ」のような真のマイナーアイテムというのがあります。他のそれらについても今後そのうち記事を書く予定です。
お読みいただきありがとうございました。
今月、ブログの累計アクセスが15万を超えました。4月になってからはSV発売前の水準に落ち着いていますが、3月当たりまではSVブーストがありました。やはり話題になっていると検索件数も増えるのだと実感しました。
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