「いえき」を使いたい

はじめに
ポケットモンスタースカーレット・バイオレット ランクバトル シングル レギュレーションH(2024年9月~12月)の構築記事です。
あまり使われない技である「いえき」を実戦で活躍させるという試みをしました。
いえきドーブルを使うまで
レギュHの1シーズン目のシーズン22(2024年9月)で、以下の構築が良い成績を残していました。ジャローダ・ゲンガー・ハリーマンの基本選出で、麻痺をばらまいたあとに、ちいさくなる・つるぎのまいでハリーマンを強化して戦います。
このハリーマンを使っていると面白い場面が対アカツキガチグマで、以下記事に書かれているとおり、ひこうテラス+じごくづき+みがわりで、特性しんがんのハイパーボイス/ブラッドムーン/だいちのちから/しんくうはのアカツキガチグマを返り討ちにできます。
【SVシングルS22最高レート1939毒統一構築記事】正々堂々電磁波眠り粉小さくなるハリーマン - ぎんざるの毒統一戦記
ここまでだけだと自分で使うことはなかったのですが、つるぎのまいをつぼをつくに変えることでロマン型ハリーマンにできることに気がつき、ジャローダ・ゲンガー・ハリーマンで遊びました。
一方、その頃、自作の構築としては、まったく別のポケモンと組み合わせながら、つけあがるドーブルを試していました。ちいさくなる・みがわりで回避している間に、特性ムラっけで能力を上げていき、高威力のつけあがるで相手を倒していくのが、つけあがるドーブルです。
しかし、ドーブルは、つけあがる/ちいさくなる/みがわり/キノコのほうしという技構成で、攻撃技が「つけあがる」であり、ハリーマンと違ってアカツキガチグマが苦手でした。回避上昇無効のみがわり貫通ハイパーボイスで、何度も倒されました。
そこで、キノコのほうしを諦めて、別の技を入れることにしました。
それが、「いえき」です。
※詳細は次の項目で、なやみのタネではない理由は後の項目で、書きます。
キノコのほうしが抜けた分は、上述のハリーマン構築と同じくジャローダ・ゲンガーと組み合わせて麻痺をばらまくことで補います。もともと、キノコのほうしは対策されやすく、キノコのほうしを選択することで無駄な1ターンを過ごしてしまうことも多かったため、キノコのほうしを使えないことが良い方向に働くこともありました。
いえきの強み(メイン)
「いえき」は、特性が無効になる「とくせいなし」状態を相手に付与する変化技です。
この「いえき」は、主に、対、アカツキガチグマ、対てんねんで活躍します。
対策は、分類すると主に技か特性か持ち物です。構築に自然と入るドーブル対策を考えると、持ち物は対策が少ない(レッドカードくらい?)ため、特性を防げば、やっかいなのは技(連続技や呪いなど)くらいになります。
対アカツキガチグマ
ゴーストテラスタルを使いながら、いえきをガチグマにかけることで、ガチグマの特性しんがんを無効化し、ガチグマのノーマル技・かくとう技をタイプ相性どおり無効にできます。
回避上昇無視の効果も消えるため、その後に使われる「だいちのちから」も、回避することができます。

対てんねん
てんねんのポケモンは、つけあがるの威力上昇は無視できないですが、ダメージ計算時に攻撃ランク上昇自体を無視してくるため、素のこうげきが低いドーブルだとなかなか倒せません。また、回避上昇を無視してくるので、こちらへの攻撃をすべて命中させてきます。そのまま戦うと殴り合いの結果押し負けます。
これらの問題を、いえきによって解決できます。攻撃ランク上昇も乗ったつけあがるで攻撃することができます。ハリーマンはてんねんに明確に弱かったので、これはこのドーブル固有の強みです。
なお、ラウドボーンはフレアソングがあるので、それでも安心できません。
いえきの強み(副産物)
その他にも、いえきはいろいろと活躍します。
シーズン25(2024年12月)の使用率1~30位を見てみます。
1位 ブリジュラス
じきゅうりょくを無効にして低火力状態でも気にせず攻撃できる。
2位 アカツキガチグマ
音技ハイパーボイスと回避上昇無視を無効化できる。
3位 カイリュー
耐久高めのカイリューを突破しやすくできる。
6位 ガブリアス
高火力状態ではなくさめはだを何回も受けそうなときにそれを無効化できる。
7位 アシレーヌ
激流でうたかたのアリア(音技)が強化されるのを防げる。
8位 オオニューラ
かるわざですばやさ逆転されるのを防げる。
9位 ヘイラッシャ
てんねんを無効にして、相手の攻撃が外れるようにしたりこちらの攻撃の火力を大幅に上げたりできる。
10位 ウルガモス
ほのおのからだによるやけどを防げる。
11位 ドラパルト
のろわれボディ発動を防げる。
20位 キラフロル
どくげしょう発動を防げる。
(2025/5/26修正:すみません、間違って「ふしょく」と書いていましたが、「どくげしょう」です。)
21位 グライオン
ポイズンヒールの回復を防いで逆にダメージを与えることができる。ただし、いえきはみがわりで防がれるので、つけあがるでみがわりを割りながらすばやさ関係が逆転するのを待ち、そのタイミングでいえきを入れる必要がある。
24位 クエスパトラ
すばやさ逆転を防げる。
27位 ドオー
てんねんを無効にして、相手の攻撃が外れるようにしたりこちらの攻撃の火力を大幅に上げたりできる。
30位 バシャーモ
すばやさ逆転を防げる。
ちなみに、4位のサーフゴーには、いえきが変化技であるためいえき自体がそもそも効きません。
なやみのタネとの比較
特性消去技としては、他に
・なやみのタネ
・なかまづくり
・シンプルビーム
もあります。
なかまづくり:相手にムラっけが渡るのでダメ
スキルスワップ:同上、かつ相手がポケモンを再登場してきたときにどちらも同じ特性になって特性を奪えないのでダメ
シンプルビーム:こちらがデバフ技を持たないため、特性なしと特性たんじゅんを比べるといえきのほうが優れている
ということで、3つにはいえきが勝ちます。しかし、なやみのタネには強みがあります。
なやみのタネ:相手の「ねむる」を不発にさせることができる。
しっかり比較してみます。
比較
どちらもPPは16で同じ。
どちらも上書きできない特性には効かない。
どちらもどのタイプにも効く(やどりぎ≠なやみ)。
どちらもみがわりで防がれる。
なやみのタネは「なまけ」には効かない。→いえき有利
なやみのタネは相手の「ねむる」を防げる→なやみ有利
なやみのタネはこちらの催眠技も無効化する→いえき有利
いえきはバトンタッチで引き継がれる→いえき有利
基本的には、ヘイラッシャのねむるを防いで能力があまり上がっていなくてもヘイラッシャを倒せる「なやみのタネ」が良いと思います。
しかし、今回は、一緒に組むポケモンが「さいみんじゅつ」を覚えていて、「相手の特性をふみんにする動きと相性が悪いため、「いえき」を選びました。
シングルバトルでドーブルが「なやみのタネ」ではなく「いえき」を優先するケースとしてはこれくらいしかないだろうと思います。ダブルバトルでは、とくせいなし状態をバトンタッチで引き継ぐギミックでは「いえき」が唯一無二の働きをします。
パーティー

ジャローダ 臆病HS
基本的に先発です。
原案から変えて、壁ジャローダにしています。この壁があることで、ドーブルが敵の攻撃を一発は耐えるようになるため、ちいさくなるからまず入り、みがわりをかなり残しやすくできます。
ゲンガー 臆病CS
相手が麻痺していない状況でジャローダが倒れてしまった場合や、このままだとドーブルが先制で大ダメージを受けてまずいという場合に2匹目に出します。
相手にオオニューラがいるときは先発に出すときもあります。
他2匹が倒れたときは3匹目として運で捲ります。
でんじはによるドーブルサポート、ゴーストかくとうの優秀な技範囲と、さいみんじゅつの何とかなれ~性能がうまく同居している技構成です。命中60の一撃必殺を使っている気分になることもあります。たまにはこういうのも面白かったです。
ドーブル 陽気AS
基本の動きは以下のとおりです。
ジャローダで壁と麻痺を展開する
→ドーブルを出す
→まず小さくなるを1回使う
→みがわりが残るまでみがわりを使う
→みがわりがなくなるまでちいさくなるを使う
→みがわりが残るまでみがわりを使う
→回避が最大まで上昇したらつけあがるで攻めていく
ウインディ 意地AS
原案そのままで、鉢巻で相手を破壊します。
鉢巻いしあたまもろはのずつきというロマン戦法が楽しかったです。
アーマーガア わんぱくHDベース
レギュHでは、ステラアーマーガアの発見があり、原案でもアーマーガアがいたので、そこをステラアーマーガアにしてみました。
【ポケモンSVシングル】受けのためのステラ はねやすめで着地しないステラアーマーガア - テツポンドのブログ
ウインディは攻めのステラ、アーマーガアは守りのステラです。
サーフゴー ひかえめHC
面白いので育成した、特殊受け絶対許さない型サーフゴーです。
成績
レギュH最終シーズンであるシーズン25(2024年12月)に使いました。
他の構築でもいろいろ遊びながら戦ったのでこの構築だけのちゃんとした順位は明確ではありませんが、だいたい4桁帯をうろうろする感じでした。基本選出以外のところの設計と運用を上手にできるのであれば最終3桁もいけるかもしれないというくらいの感触です。
呪い、フレアソングなどの音技、連続技は変わらずきつかったです。
他の場所でのいえきの活躍
テラレイドバトルのさいきょうレイドイベントでは、特性消去が永続的に作用するため、技枠1つを割く価値のある技になります。(攻撃技で範囲をとる必要がないのでその分ピンポメタに技枠を回しやすいという背景もあります。)
特性消去全般で言うと、なやみのタネは、WCS2023ゲーム部門マスターの決勝トーナメントで、Kenji Yabata選手が使っていました。公式中継の7:25:00から、その解説があります。
その他
運が悪いとこういうときもあります。

こうげきがずっと上がらず、ヘイラッシャを特性を消しても突破できずに負けた試合があったため、ゲンガーのさいみんじゅつの存在込みでも、なやみのタネのほうが良いという考えもあると思います。
おわりに
面白さの他の例 ↓
お読みいただきありがとうございました。
レギュHが終わってから5か月が経とうとしていましたが記事にできて良かったです。
記事タイトル関連の雑記:「〇〇対策」は「〇〇に対抗するための策」の意味で使おう派です。
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