1on1の強制わるあがき戦術について紹介したい
はじめに
少し前に、第四回マッピ杯というポケモン仲間大会に参加しました。
ルールは、
・道具所持禁止
・しんそくシングルバトル(ダイマックス禁止1on1)の形式で行う
です。
[開催告知ツイート]
https://twitter.com/Mach_pizza0103/status/1401037102133829633?s=20
今回はこの大会について記事を書きます。
事前検討
採用する戦術検討
強制わるあがき戦術というものが存在します。これは、出せる技を制限する複数の道具・技の効果を相手に重ねがけすることによって、出せる技をなくしてわるあがきをさせる戦術です。
通常の対戦では、交換されることによって出せる技を制限する効果が消えてしまうため、運用はなかなか難しいです。しかし、1匹しかポケモンを出さない(=交換ができない)1on1のルールでは、強制わるあがき戦術はロマン戦術ではなく実用的戦術です。
しんそくシングルバトルの優勝者も、かなしばりとアンコールを覚えるフレフワンを採用していました。フレフワンは自身がかなしばりやアンコールが効かない特性を持つというのも強みでした。
強制わるあがきは好きな戦術なので、今回はこれで戦うことにしました。
今回は道具を持つことができないため、こだわり系アイテムを相手に渡すことによる強制わるあがきを狙うことはできません。
強制わるあがきの方法のうち今回狙えるのは、「いちゃもん+アンコール」と「かなしばり+アンコール」です。それぞれ、使えるポケモンを見て考えることにしました。
ちなみに、これらの戦術は以前記事のテーマにしたことがあります。バドレックスでの実用化について書きました。
【ポケモン】非暴力不服従の皇帝 いちゃもんアンコール白馬バドレックス (強制わるあがき#1) - テツポンドのブログ
【ポケモン】非暴力不服従の皇帝2 かなしばりアンコール黒馬バドレックス (強制わるあがき#2) - テツポンドのブログ
採用ポケモン検討
種族値300以下限定のいちゃもん+アンコールの使い手は、チョロネコのみでした。いちゃもんアンコール戦法は、いちゃもんを使うターンとアンコールを使うターンに相手が行動するため、2回の攻撃を耐えられるようでなければ安定して勝つことはできず、耐久の低いチョロネコには難しいと判断しました。
一方、種族値300以下限定のかなしばり+アンコールの使い手は、4匹いました。
種族名(種族値)
原種ロコン(38-41-40-50-65-65 合計299)
アローラロコン(38-41-40-50-65-65 合計299)
ラルトス(28-25-25-45-35-40 合計198)
キルリア(38-35-35-65-55-50 合計278)
ロコンとキルリアを比較すると、特攻がキルリアのほうが15高いことを除いてロコンのほうが優れています。今回は、環境トップにすばやさ種族値57のホルビーが存在し、ホルビーから攻撃を受けることを避けたかった(戦術は後述)ため、すばやさが高いロコンを採用しました。
ロコンを原種とアローラのどちらの姿で採用するかですが、あられダメージによって最初の4ターンで相手のHPを1/4近く削ることに注目してアローラロコンを採用しました。
使用ポケモン
タイプ:こおり(フェアリー複合ではない)
特性:ゆきふらし
持ち物:なし
種族値:38-41-40-50-65-65 合計299
個体値:31-31-31-31-31-31 (気合を入れてアメと王冠奮発)
努力値:4-0-132-132-4-236
性格:おくびょう
実数値:114-54-77-87-86-126
技:まもる かなしばり アンコール こごえるかぜ
種族値合計299で出場制限にもう少しでひっかかるところだったポケモン。こおり単タイプであることは今回育てて初めて知りました。
戦い方
(1)自分より遅い敵 part1
1ターン目 まもる。
2ターン目 相手が1ターン目と同じ技を使ってくれることを祈ってかなしばり。相手が同じ技を使ってきた場合は行動が失敗。
3ターン目 アンコール。相手の最後に使った技(つまり1ターン目に使った技)がアンコールされるがかなしばり状態により行動が失敗。
4ターン目 こごえるかぜ。相手はかなしばり状態とアンコール状態が重なり出すことができる技がなくなり、わるあがき。わるあがきの反動で相手のHPが1/4削れる。4ターン目まで相手は毎ターンあられダメージを受ける。
5ターン目 こごえるかぜ。相手はわるあがき。ここで相手のかなしばり状態とアンコール状態が解除される。5ターン目終了時にあられは終わり、このターンの天候ダメージはない。
6ターン目 こごえるかぜ。相手のHPをあられダメージ4回+こごえるかぜ3回+わるあがき反動2回で0にして勝ち。
(2)自分より遅い敵 part2
1ターン目 まもる。ここで相手が変化技を使ってきた場合
2ターン目 アンコール。その変化技を固定する
3ターン目〜 こごえるかぜ連打。アンコールの効果が切れたら再び上からアンコール。
(3)自分より速い敵
1ターン目 こごえるかぜ
2ターン目 (1)と同様
値の設定
攻撃の個体値が31になっているのは、同じ戦術をとってくるポケモンとの対決になったときにはわるあがきをする可能性があり、こちらがわるあがきしたときに相手に与えるダメージをなるべく大きくしたかったからです。
耐久は、いじっぱりホルビーのわるあがきを2回確定で耐えるようにしました。耐久も育てないとわるあがきでこちらを倒すかもしれないホルビー、恐ろしいです。
すばやさの努力値を振り切っていないのは、すばやさ種族値65族との同速対決はこちらが不利であるためです。
今回の戦術は、先手と後手がターンによって変わる状況に弱いです。例えば、先制かなしばりで相手の技と行動を封じた次のターンに相手に先制されてしまうと、かなしばりで縛った技をアンコールすることができなくなってしまいます。さらに、このとき相手がかなしばり状態になっているため、それが解けるまで再チャレンジも不可能です。
ローキックでこちらの弱点をつきながらすばやさを下げてくるアママイコがいるすばやさ62族を抜ける値に設定しました。62~65の間には64族のオタマロしかいません。
こごえるかぜを相手に当てれば全てのポケモンよりすばやさが高くなります(参加ポケモン最速はディグダですばやさ種族値95・実数値161)。
あなをほるロコン
当初は、マリルやプリンのほろびのうたに勝つ方法が他になかったため、あなをほるを採用しようとしていました。こちらが姿を隠している間に相手がほろびのうたを使うと、相手だけほろびのカウントが始まります。
しかし途中で、しんそくシングルバトルルールではエキスパンションパスで追加されたポケモンたちは参加できないということを思い出しました。ほろびのうた使用者は全て鎧の孤島追加組だったため、ほろびのうたの対策はしなくて良いことになりました。ルールに興味を持ってしんそくシングルバトルの過去の仲間大会についていろいろ調べ回っていたことが活きました。
アローラロコンも参加できるのかちょっと不安になったのですが、ロコンがガラル図鑑に登録されているので参加可能でした。そういえば原種キュウコンをジムリーダーが使っていました。しんそくシングルバトルが開催された2020年3月の頃のランクマッチシリーズ3(3/1~5/1)のときには既にリージョンフォルムが使用可能だったみたいです。
個別対策
対リオル
いたずらごころによる先制高火力かくとう技が脅威です。メインウェポンがとびひざげりです。想定どおりの動きをしてくれるなら勝ち目があります。
すばやさは勝っていますが1ターン目はまもる。相手のとびひざげりをまもります。2ターン目に相手がまねっこからのとびひざげりをしようとしてくれた場合、まもるを使うことによって相手のまねっこを不発にさせることができます。3ターン目に相手が変化技を使わないでくれた場合、すばやさが高いこちらが先制してアンコールを使い、まねっこをアンコールさせます。リオルにアンコールを使われることになりますが、アンコールをアンコールすることはできないという仕様があるため問題ありません。あとは、こごえるかぜをまねっこされないように注意しながらアンコール・こごえるかぜ・まもるを使っていけば勝てます。
1ターン目 ロコンまもる リオルとびひざげり
2ターン目 ロコンまもる失敗 リオルまねっこ失敗
3ターン目 ロコンアンコール リオル攻撃技を使おうとしたがまねっこを使う・アンコール失敗
4ターン目 リオルまねっこ・アンコール失敗 ロコンこごえるかぜ
5ターン目 ロコンまもる リオルまねっこ失敗 アンコール状態終了
6ターン目 ロコンアンコール 以下略
このルールの中ではかなり耐久が高く、こおり技が半減なので倒しにくいです。
通常の遅いポケモン用ルートで2回わるあがきさせたあと、まもるをします。相手が鋼技を使ってきたらかなしばり、鋼技以外を使ってきたらアンコールをして、鋼技をうたせないようにします。鋼技以外の攻撃を耐えながら攻撃して倒します。c252サイコキネシスは耐久無振りロコンでも確定で2発耐えます。
"ホルビーを意識して物理耐久を厚く育てたh212d4振りドーミラー(HP実数値16n-1)を、あられわるあがきと合わせて4回攻撃で倒せるc44"を最低ラインとして努力値振りしていました。余りを全部特攻にまわしたので、最終的には特攻に振った努力値は132になっています。
ロコンの戦績
12勝9敗
思ったより勝てませんでした。ただ、レートが高い人に対して簡単に勝ててしまったり、能力は発揮できたと感じています。
<ロコンの突破のされ方>
・ムラっけテッポウオに1ターン目にすばやさを上げられてしまい、ロックブラスト2回とねっとうで倒される
・モンメンにやどりぎのタネを使われ、まもるをアンコールするもののまもるが連続で成功してこちらの攻撃が通らずギリギリ負け
・ニトロチャージ原種ロコン
・どろかけツチニンに技を避けられる(アンコールもかなしばりも命中率がある技)
・アンコールギガドレインモンメン(アンコールにアンコールは無効)
・テクニシャンチラチーノのスイープビンタ4回で行動前に倒される
・回線切れらしき現象
再戦用 特殊シズクモ
今回のかなしばりアンコール戦術は、かなしばりを使うターンに他の技を使われると厳しいため、再戦には向いていません。再戦用ポケモンを用意していました。
ひかえめBCベース・すばやさは4振り30族抜き
115(12)-54-98(204)-101(252)-4-52(36)
特性:すいほう
かなしばりを見せた相手との再戦で主に選出し、3勝1敗でした。特性によりみず技を使うときに攻撃特攻が2倍になるため、とても強力です。アタッカーなら一撃で倒せる火力です(h252d132ドーミラーは確定2発)。進化後と違って攻撃と特攻が同じなので、ホルビー意識で物理耐久を高くしたポケモンの裏をかくためにも特殊型にしました。特殊のほうがサブウェポンも良かったです。
出場した試合は全て1ターンで決着がつきました。一番最後の試合はヨーギラスに先制されてストーンエッジで倒されました。
技選択用メモです(厳密にはタイプ一致ボーナスは威力にかかるわけではありません)。特性が原因でおかしなことになっています。
4倍さざめき540 マーイーカ
2倍なみのり540 水弱点
4倍れいビー360 フカマル
4倍ギガドレ300 ウパー
2倍さざめき270 草たん・ハスボー・虫弱点
<等倍なみのり270>
2倍れいビー180
2倍ギガドレ150 水たん
等倍さざめき135 シズクモ
等倍れいビー090 グレックル
優勝者のキギさんも、シズクモを軸として構築を組んでいました。シズクモに注目したのは悪くない選択だったと思っています。
パーティー
ホルビー(特性ちからもちによる強力なアタッカー シズクモとアタッカー2トップ)
ドーミラー(たぶん一番高耐久)
しっかり育てたのはホルビーまでです。ホルビーはh28a252s220いじっぱりで、技はこらえる/じたばた/つるぎのまい/がんせきふうじ です。ドーミラーもつるぎのまい+威力200じたばたで倒せますし、速い相手もがんせきふうじ→こらえる→じたばたで倒せます。
カジュアルバトルにこのパーティーで行ったら1試合目なぜか勝ててしまい、驚きました。ダイマックスシズクモとすばやさ低いポケモンを相手にするホルビーは強かったです。
全体成績
15勝9敗 レート1554 9位
ロコンで戦っているときに通信切れのような感じで試合が途切れたのですが、それは負け扱いになっていなかったようです。
参加者は37人でした。
ポケモン使用率では、シズクモ3位・アローラロコン5位でした。意外なことにホルビーは10位でした。
アローラロコンの技の使用率ランキングを見ると、今回のロコンが使っていた技でランクインしていたのは10位のまもる(15.7%)のみでした。おそらく他にかなしばりアンコールをした人がいなかったのだと思います。数人いると想定していたのでこれも意外でした。
おわりに
前回の記事と重なりますが、特殊ルール1on1は本当に楽しいです。考察しがいがあります。ずっとやりたかった強制わるあがき戦術で戦えたことも良かったです。
一つの大会についてある程度書こうとするとやはり5000字は超えてしまうようです。今回は約6000字でした。
お読みいただきありがとうございました。
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